あした来る人 (新潮文庫)

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著者 : 井上靖
  • 新潮社 (1981年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101063034

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あした来る人 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 今の時代の小説では無いです、後世に読み継がれる感じがしない。「大きな」小説では無いし、世相が反映する大衆小説だから猶更現在性の欠如が目立ってしまうかも。
    全体的にゆったりした感じは捨てがたいんですけどね、当方からすれば。若者4人は皆良心的で、現在の小説では正直お目にかかれない何とも言えぬ品があると思われ。
    しかし同時に読んでる同じ作家の本とテイストが酷似していて、どっちがどっちなのか分からなくなったりして。

  • 複数主人公制を取る井上文学の最高峰の一つ。恋愛純粋培養という独自の世界観で、梶の目を通して描かれた主人公達の恋愛模様を描く。読後感も極めて爽快。

  • 【裏表紙】
     大貫克平は、山と妻とどちらが大切かと聞かれて、「山」と答えるほど登山に打ち込んでいる。夫の内面生活からはじき出された妻の八千代は、カジカ研究に明け暮れる曽根二郎に心を惹かれていく。一方、克平も美貌のデザイナー山名杏子と恋愛関係に陥るが、杏子は克平が自分の庇護者、梶大介の婿であることを知る。あしたの可能性を抱きながら今日を生きる人々を爽やかに描く。

     山本健吉氏の解説が分かりやすい。

     福田宏年氏は、井上靖の恋愛小説について、「地図にない島」の解説のなかで次のように述べている。

     それが純粋であればあるほど結ばれることがないのが、井上靖の恋愛小説の愛のかたちなのである。むしろ、結ばれないことによって愛の純粋さが保証されると言ったらいいであろうか。

     これまで読んだ「氷壁」、「あすなろ物語」、そしてこの「あした来る人」も同様。

  • 大阪 夜の商工会議所〜からのリファレンス。 松陰先生真の系譜を継ぐ大阪商工会議所会頭がモデルとなった作品。ちょっと私には背伸びし過ぎたかも知れない一冊。

    一人の男性の下で、娘夫婦の情念と孤独が、寂しさと痺れが、一つの集約点に向かって渦を描き出す緊張感のなかで、何故かパトロン先の生物学者から繰り出される、幾重にも四肢が見える“カジカ(魚です)踊り”は、衝撃でした。

    若さ故にその純粋さから傷つき別れていく、アレ?この展開知っている気がする。ビバヒルやん!まさにこの視線、ナットさんw。

  • 兵庫などを舞台とした作品です。

  • 小説の舞台は昭和30年。それもそのはず、本作は昭和29年から新聞に連載されていた。
    平成の若者には、登場する四名の心の動きや言動を理解するのは難しいだろう。

  • 在庫がなくなったのでずいぶん前に読んだ本の再読ですがすっかりストーリーを忘れていたので新鮮でした。昭和30年前半くらいの話。梶大助という60代の男性を中心に、娘、その夫、偶然知り合うことになる朴訥な研究者、梶がパトロンとなっている若い女性、などの人間関係が描かれています。地位も名誉も経済力も身に付けた「過去の人」でもある梶から、娘たちなどこれからの人=「あした来る人」に対する包容力というか静かなエールというか。。大きな事件はなく、物足りなく思う人もあるかもしれませんが、昭和30年代の社会描写とか言葉遣いとかそういった雰囲気が好きなので結構楽しめました。

  • ――タイトルに惹かれて読みました。 うん、良かったです。井上靖さんの作品は初めて読んだんですけど、なんか深いですね。男女のすれ違いとか、親子の関係とか、題材が割と身近に感じられます。梶大助という人物が、印象的です。そして魅力的です。60歳という高齢ですが、周りの人々を支える包容力があって。困難にであった息子その嫁、誰にも優しく諭して導いてくれる。 井上靖さんのことはよく知らないですが、きっとこんな人物だったんだろうな、と勝手に想像してます。「あした」に希望を抱いて生きる人人に、元気をもらいました――

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