天平の甍 (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101063119

感想・レビュー・書評

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  • フォロワーさんが大好きな作品だと紹介してくださいました。ありがとうございます!
    感慨深く読み終えることができました。

    鑒真来朝を実現させたのは、天平五年の第九次遣唐船で唐へ渡った無名の学問僧たちでした。彼ら、普照、栄叡、戒融、玄朗は誰ひとりとして優秀な留学僧として成功することはなく、それぞれが別の人生を歩むことになります。そしてもう一人、彼らの前に入唐していた業行も高名な僧とは決して言えず、一室に籠って、山程の経文の書写をやり、日本へ運ぶのが自分の役割として没頭しています。

    日本古代史上の大きな事実。その運命を担うのは養老元年の第八次遣唐船で入唐した、阿倍仲麻呂、吉備真備、玄昉の選りすぐりの優秀な、いわゆるエリート組の彼らではなく、無名の若き学問僧たちでした。運命が彼らを選んだ。そのことに、必ず何かの意味がある……と、私は強く思いました。
    鑒真という強く真っ直ぐな光を放つ星。その周りで頼りなく消え入りそうなほどの光りで瞬く小さな星々。私の中でそれらが誕生した瞬間でした。

    なかでも私が一番印象に残ったのは、日本へ帰る船の中で普照が見た夢とも現実ともなく、業行の叫びを耳にして目覚めたシーンです。

    『……巻物は一巻ずつ、あとからあとから身震いでもするような感じで潮の中を落下して行き、碧の藻のゆらめいている海底へと消えて行った。その短い感覚を置いて一巻一巻海底へと沈んで行く行き方には、いつ果てるともなき無限の印象と、もう決して取り返すことのできないある確実な喪失感があった。……』

    業行が生涯をかけて写した経典は、彼とともに海に沈んでいきます。業行にとっては絶望しかないはずなんだけれど、私はそれとともに懸命に生きた魂の儚さと美しさを感じる場面でした。
    全く関係ないのだけれど、夢枕獏著『陰陽師』に「二百六十二匹の黄金虫」という物語があります。『般若心経』の文字が、読む人がいなくなった淋しさから、自分のことを読んで欲しいとせがんで金色に光る虫となって僧の周囲を飛び回るという話です。海の中で業行の周囲を経典の文字たちが金色に光りながら舞う……それはどんなにか尊く美しいものでしょう。そんな幻想を見ていました。

    命をかけても届かないことがあります。
    だからといって、業行の今までの人生は無駄であったのでしょうか。決してそんなことはないはずです。
    懸命に知識を伝えようとするその意志は、必ず受け継がれていきます。おかしいかもしれないけれど、業行の経典が日本に届かなかったからこそ、後に空海が唐に渡ることになった……そう思えば海の底で経典は業行とともに時が満ちるまで眠っていただけなのかもしれないなと思うのです。
    確かに業行の書写した経典は届かなかった。でもそれは形を変え、次の世代へとしっかりと受け継がれていく。何も業行に限ることではなく、知識を伝えるために海を渡り埋もれていった数多くの命に繋がることのはずです。彼らの命の上に今がある、分かっているようで分かっていなかったと省みました。
    時を経て伝わってきた知識の裏には、歴史に華やかな名を残さずとも命をかけた人たちがいた。私はそのことをを決して忘れずにいようと心に誓うのでした。

    • hotaruさん
      地球っこさん、こんにちは。
      私もこの作品、大好きなんです。
      そして、地球っこさんと同じく、業行が海に沈んでしまうシーンが、一番印象に残ってい...
      地球っこさん、こんにちは。
      私もこの作品、大好きなんです。
      そして、地球っこさんと同じく、業行が海に沈んでしまうシーンが、一番印象に残っています。

      地球っこさんの素敵なレビューを読んでまた読みたくなりました。ありがとうございます。
      2020/01/13
    • 地球っこさん
      hotaruさん、こんにちは。
      同時でした!
      私も今、hotaruさんのレビューの方へコメントさせていただきました(*^^*)
      hot...
      hotaruさん、こんにちは。
      同時でした!
      私も今、hotaruさんのレビューの方へコメントさせていただきました(*^^*)
      hotaruさんの同じ想いになれたこと、嬉しいです。
      2020/01/13
    • hotaruさん
      地球っこさん、そうでした。
      新年のご挨拶がまだでしたね。
      今年もどうぞよろしくお願いします。
      地球っこさん、そうでした。
      新年のご挨拶がまだでしたね。
      今年もどうぞよろしくお願いします。
      2020/01/13
  • 何を今更の名作を、十数年ぶりに再読。
    齋藤孝さんの『なぜ本を踏んではいけないのか』の中で、「命がけでもたらされた本」と言う章に本著が参考として挙げられていた。
    観る眼を変えて再読したのだが、読んでみて良かった。本当に良かった。
    読後ひと月以上経つのに、いまだに目の前には遣唐使船で唐に渡った学僧たちの姿が遠景のように浮かび上がる。

    歴史ロマンなどという括りではとても語り切れない壮大な話で、登場人物は殆どが実在した人々。
    歴史的事実を忠実に織り交ぜ、ごく少ない資料から著者は想像力を巡らせて怜悧な筆致で書き上げている。清々しく、整然とした文章は本当に気持ちが良く、サクサクと読める。
    しかしそのテーマは痛切で深遠だ。

    船と言っても木造船で、追い風と潮の流れをのみ頼りにして進む。当然のことながら若き知性たちが海の藻屑となったことも数知れない。
    例え無事に渡っても、帰還出来るかどうかも分からないという不安さ。それでもなお彼らの心を駆り立てたものはなんだったのか。

    話は「普照(ふしょう)」という学僧を中心にして進む。
    一番情熱も実行力も持たなかった彼が、最終的には「鑑真」を伴って故国の土を踏む。
    他には「栄叡(ようえい)」「戒融(かいゆう)」「玄朗(げんろう)」の計4人の僧たち。
    唐に渡ってから知りえた僧たちも登場し、教科書でお馴染みの「阿倍仲麻呂」や「吉備真備」の名もある。

    わけても心惹かれたのは「業行」という老僧の言葉だ。
    『私の写したあの経典は日本の土を踏むと、自分で歩き出しますよ。
    私を棄ててどんどん方々へ歩いて行きますよ。大勢の僧侶があれを読み、あれを写し、あれを学ぶ。仏陀の心が、仏陀の教えが広まって行く。』

    ・・だが、「業行」の望みは海の底に消えることとなる。
    机の前でひたすら写経した積年の努力も水泡に帰してしまうのだ。
    それでも私はこの「業行」の思いに共感しないでいられない。
    もしかしたらすべてが無駄な行為かもしれない。
    それでもその先の夢のために、やり遂げずにはいられない。
    私たちの生もまた、そのようなものではないのだろうか。

    無事に経典を日本に持ち帰れるかどうかも分からず、また持ち帰ったところで日本に生かせるかどうかも分からない。
    それでも命を賭けた彼ら。それほどにひとの世の真理を説いた経典は価値のあるものだったのだ。

    タイトルになっている「甍」は、後半部分にわずかに登場する。
    「鑑真」が建立した唐招提寺の屋根の向うには、秋の青空が広がっていることだろう。

    • nejidonさん
      hotaruさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます。
      これはとても素晴らしい作品でしたね。
      もっともっと沢山のひとに読...
      hotaruさん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます。
      これはとても素晴らしい作品でしたね。
      もっともっと沢山のひとに読まれてほしいという願いを込めたレビューです・笑
      はい、私も井上靖の著作の中では一番好きです。文章も美しいし。
      そして業行は非常に心惹かれる存在でした。
      学僧たちは皆あのようであったと思っていたら、ひとそれぞれだった
      というのも、無常を感じます。
      ところで先ほどhotaruさんの本棚で「絵を見る技術」を発見しました。
      あちらも大変読みごたえもある本です。
      レビューを楽しみにしておりますね。
      2019/10/06
    • 地球っこさん
      nejidonさん、こんばんは。
      とても感慨深く読み終えることができました。
      素晴らしい本を教えてくださりありがとうございました(*^^...
      nejidonさん、こんばんは。
      とても感慨深く読み終えることができました。
      素晴らしい本を教えてくださりありがとうございました(*^^*)
      でも感想がなかなか書けなくて。
      自分の語彙力のなさにトホホ……です。
      2020/01/13
    • nejidonさん
      地球っこさん、コメントありがとうございます!
      お読みいただいて、本当に本当に嬉しいです(^^♪
      「いいね」が何十個付くよりも、何万倍も嬉...
      地球っこさん、コメントありがとうございます!
      お読みいただいて、本当に本当に嬉しいです(^^♪
      「いいね」が何十個付くよりも、何万倍も嬉しいです。
      さすが、ノーベル文学賞候補になった方だけありますよね。
      文章から香り立つ気品と、底に流れる豊かさがまぁ素晴らしいと思います。
      読み手の気持ちを鼓舞するものがいつもあって、そこがたまらなく好きです。
      レビューがなかなか書けないのは、皆さん同じではないかしら?
      私もかなり時間を置いてから(落ち着いてから)書いたような。。
      まぁ、大体いつもそうなんですけどね。
      歴史的名作であればあるほど、「これ好きー!」なんて簡単に言えませんよ・笑
      でもこうしてレビューを読むことが出来てコメントまで下さって、地球っこさんと
      同じ本のことでお話出来てます。
      本て、素晴らしいですね!!
      2020/01/13
  • 聖武天皇が治める奈良・天平の御世に実現した、唐の高僧・鑑真の来日の影で、それぞれの運命に翻弄された5人の日本人留学僧の約20年に渡る姿を、静謐なだけでなく、鮮明な視覚的イメージと説明しがたい感傷を読み手の胸に呼び起こす、独特な文体で描いた歴史小説です。  
    733年の第9次遣唐使船で、「普照(ふしょう)」、「栄叡(ようえい)」、「玄朗(げんろう)」、「戒融(かいゆう)」の20代の若き僧4人が留学生として入唐を果たします。中でも、奈良の都より派遣された普照と栄叡の二人は、十数後に実施される「だろう」第10次遣唐使船派遣までの間に、近代国家確立への道を模索しながらもいまだ迷走を続ける日本に、政治的・仏教的双方の理由から、戒律を授けてくれる高僧を先進国たる唐から招くという使命を背負っていました・・・。  

    彼らより30年近く前に入唐していた「業行(ぎょうこう)」を含め、命がけで海を渡った日本人留学僧5人でしたが、入唐後の運命ははっきりと分かれます。  

    入唐早々、大陸の広大さと不可思議な魅力の虜となり、「この国には何かがある」と、托鉢僧となって出奔し、消息を絶った「戒融」。

     唐へ向かう船の中で既に「祖国へ帰りたい」と弱音を吐くほどに意志薄弱で、入唐後も誰よりも帰国を願っていたくせに、皮肉なことに、唐の女と結婚して子供までなして還俗し、帰国叶わず唐の地へ骨を埋めることになった「玄朗」。

     祖国へ少しでも多くの知識をもたらそうと、広大な唐土各地に散らばる経典の写経に入唐後の50年近い人生を捧げながら、帰国の船が難破し、彼自身の命よりも大切にしていたすべての経典と共に、透き徹る海の底に沈んだ「業行」。  

    入唐9年目に唐でも屈指の高僧・鑑真に来日を打診して以来、ひたむきな情熱と行動力で鑑真来日のために立ち回りながら、異国の地で病没した「栄叡」。  

    そして、栄叡や業行ほどの行動力も情熱もなくだた彼らに引きずられていたようでありながら、誰よりも彼らを理解して手を貸し、在唐20年目の753年、広大な唐土を放浪した果てに高僧鑑真を伴ってただ一人、祖国の土を踏んだ「普照」。  

    戒律のために来日を決意した742年から来日した753年までの約12年の間に、5度の航海の失敗や愛弟子たちの死、老齢の身である自身の失明などを経験しながらも、一度も気持ち揺るがす異国へ続く海を渡った鑑真の重厚な姿と比べると、狂おしいほどにもがき続けて歴史の渦の中にひっそりと埋もれていった5人の日本人留学僧の姿はあまりにも小さくて儚く、それ故に却って心に染み渡ります。  

    抑制のきいた文体と鮮やかな情景描写が、人の運命の儚さを見事に表現しており、この作品を一層印象深いものにしていました。

    • 地球っこさん
      hotaruさん、こんにちは。
      『星と祭』から『天平の甍』に参りました。
      久遠の歴史の中で懸命に生きた人たちに想いを馳せることができまし...
      hotaruさん、こんにちは。
      『星と祭』から『天平の甍』に参りました。
      久遠の歴史の中で懸命に生きた人たちに想いを馳せることができました。
      でも、それを感想にするのは難しかったです。
      もどかしさに悶々としました。
      2020/01/13
    • 地球っこさん
      hotaruさん、同時にコメントしちゃったみたいです(*^^*)
      私の拙い感想へのコメントありがとうございました。
      業行のあのシーン、h...
      hotaruさん、同時にコメントしちゃったみたいです(*^^*)
      私の拙い感想へのコメントありがとうございました。
      業行のあのシーン、hotaruさんと同じような想いになれたことに、何だか胸が熱くなりました。
      あ、失礼しました。遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
      2020/01/13
  • 井上靖は、中学生の頃に「あすなろ物語」を読んだものの面白いと思えず、それ以来敬遠してしまっていたのだけど、今回読んでみたら思いのほか読みやすかった。
    史実を元にしたフィクションだが、心理描写をあまり書き込み過ぎず、淡々と留学僧達の行く末が描かれる。
    その書かなさの加減がちょうど良く、僧達に心を重ねて想像しながら読むことができた。
    最後の真相を書き切らないところも憎い。
    読み終えてからも物語は終わらず、胸の中で続いている気分。

  • 近く、奈良を訪れる予定があるので、予習を兼ねての読書。

    書名だけは知っていた、有名な小説。
    イメージとしては、鑑真の来日にまつわる苦労の話、成功の話、えらい人の立派な話(乱暴な言い方ですみません)。
    だから、平成の世を慌ただしく生きている自分にはあまりにも遠くて、興味をもって読めないんじゃないかと思っていたのだけれど……良い意味で裏切られました。

    大きな歴史のうねりの中、むしろ印象に残るのは、登場人物一人ひとりの生き方で。
    特に、若い留学僧たち4人が、それぞれの道を進むなか、ちりぢりになり、目標を見失い、自分にはどうしようもない事象に流されながらもただ生きていく様子がが心に強く残りました。

    そして、これから本書を読む方のために詳しくは書きませんが、終盤のクライマックスが、圧巻!
    小説はほとんどの部分、淡々と出来事だけが述べられていて、登場人物の心の内に触れる箇所はごくわずかです。
    でも、だからこそ、人生の儚さと絶望が自分のすぐ近くに感じられて、胸をかきむしられました。

    留学僧の4人以外にも、たくさんの登場人物が行き交う、群像劇のような本書。
    また年を重ねたら、違う人物が気になったりしそうで、機会をみて再読してみたい1冊でした。

  • 我が国の元祖国費留学生達の使命感と壮絶な人生に圧倒された。若い人、特にこれから留学する人達には是非読んでほしい。
    それにしても、鑑真和上の不屈の意志にはただただ頭が下がる。歴史の教科書でサラッと語られている苦難の渡日がこれほどのものだったとは。「偉人の偉さ」を改めて感じることができる良著です。

  • 本書は8世紀の奈良時代に第九次遣唐使として留学する4人の日本人僧侶を中心にして、後半は6度にもわたる挑戦で訪日をはたす鑑真の物語です。当時の日本人にとっては海外に行くことは命がけで、しかも船はそんなに頻繁に出ていない。無事に唐に渡れても帰ることができるのは何十年後の可能性もあって、帰りも無事に帰れる保証はない。そんな中当時の日本人の中でも外国文化を日本に持ち帰る重要な役割を果たしていたのが僧侶でした。

    本書の中では唐に渡る4人の日本人留学僧と、唐で写経をひたすら続けている業行という5人の日本人僧侶が中心になりますが、それぞれの性格が違っていて、自分だったら誰のタイプになるかなと考えさせられました。もちろん訪日を果たした鑑真和上の偉大さはわかるのですが、個人的には無名の日本人留学僧が積み上げてきたもの、あるいは無念となったものが歴史となって日本を形作ってきたと思います。本書は用語が難解なところもかなりありますが、無意識のうちに自分を留学僧の誰かに重ね合わせながら、自分自身が8世紀の奈良および唐にいるような気分になりました。

  • 読みにくかったなぁ。
    言葉使いの難しさ、人名の読みにくさ。
    文学というより記録文ではないかと思うようなデータの記述。
    もう途中で投げ出そうかと一度だけ思った。
    不思議なことに一度きりで、そのあとは読みにくいと感じながらも話が普照と鑑真の日本渡来に絞られてくると、多くの身内からさえも白眼視されるその目的を果たすための彼らの命がけの熱意が私にページをめくらせてくれました。
    そうか、鑑真が日本に渡って仏教の何たるかを教えたからこそ日本における仏教が本物のものになったのか。
    小学校で習ったかなあ?
    視力を失った鑑真和上像の写真が思い出されるだけだ。

  • 高僧を日本に連れてくる使命を受け、遣唐船に乗って普照ら若い僧4人は荒れる海を渡り、唐に留学した。無事に帰国できるか、何者かになれるかもわからない。4人僧の、そして写経に没頭する貧相な中年の日本人僧の運命は…

    史実の詳細が物語のスケールの大きさを感じさせてくれます。仏教の用語や唐の時代の中国の地名が多く、1ページ目を開いた瞬間くじけそうになりましたが、地図をみながら主人公たちの足取りをたどりながら読み進めました。

    くじけそうな人はネタバレを読んでから本を読んだ方がいいかもしれません。

    学ぶことって何だろう。自分にできることってなんだろう。人の価値観ってなんだろう。
    考えさせてくれます。

  • 至高。山本健吉の後書きも秀逸。

著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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