後白河院 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101063201

感想・レビュー・書評

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  • 201210下旬~1127読了。大河でやっているから、登場人物がオーバーラップして分かり易い。後白河院について、4人の関係者が独白する形で書かれている。やはり“日本一の大天狗”だったのかなあ、余計に興味がわいた。

  • 以前読んだ時はこの時代の事をよく知らなかったのでわからないとこも多かった……のですが、今年の大河(平清盛)見ててふと思い出したので再読。
    後白河法王の行動だけ見ていると、ちょっと場当たり的だったりとか一貫性がないように見えたりすることもあるんですけど、それも院政期から武家中心の社会へと変わっていく激動の時代の中で、朝廷と武家(というか平家か?)の間のバランスをとろうとしていたのかも知れない……と思うと腑に落ちるものがあります。
    そしてそれをどこかで楽しんでやってたのならやっぱり日本一の大天狗だなと。この本読んでてそんな事を思いました。

  • 4人の視点からみた後白河院にまつわる様々な出来事。
    誰にも本音を言うことなく、人や時流を見極めて自分で決めて行動してきた孤高のひとという印象。それに比べていまの時代のひとは、何でもかんでも人に喋りすぎなのかもしれない。そんなことをふと思った。

  • 20120722

  • 朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた、激動の平安末期。千変万化の政治において、常に老獪に立ち回ったのが、源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、平家の滅亡…。その時院は、何を思いどう行動したのか。側近たちの証言によって不気味に浮かび上がる、謎多き後白河院の肖像。明晰な史観に基づく異色の歴史小説。

  • 後白河が信西を睨むシーンが良かった!

  • 後白河院本人は出てこない後白河院の小説。

    後白河院の近くにいた4人の人物の口から、保元の乱から平家滅亡あたりまでに起こった様々な事件について、院とその周囲の様子が語られる。

    歴史書とは違って、口伝という形なので当時院の周りにいた人々が何を考え、武家政権の萌芽にどう反応したのかよくわかって面白い。

    あまり状況説明はないので、年表や系譜図を片手に読むとさらに面白いかも。

    平家物語を読んだあとに読んでみると、また違った目線で堪能できると思う。

  • 後白河院を、後白河院を知る4人の人物が語るという手法で書かれた小説。私のスタンスで、歴史(時代)小説からは入らない、というのがあるので、これも何冊か事前に本読んでから手にとったのですが、さすがは井上靖…という言葉しか出てこない良作だと思ってます。個人的にこの本の崇徳さまの描写がたまらない(笑)

  • 後白河上皇の一生を4人の側近が語る。
    後白河院は、保元の乱、平治の乱など藤原家摂関政治から平家、源氏の武士の時代へのパワーシフトの転換期にあって政治の中心であり続けた人物。

    その他登場人物として気になる存在は信西入道。当時の摂関政治という旧弊に立ち向かった、という意味では彼もまた時代を動かした中心人物。
    そのような人材を登用したところにも、後白河院の政治力の凄みを感じることができる。
    一貫して書かれているのは、後白河院が時の権力者(平清盛、源義仲、義経等)を自らのコントロール下においていた、ということ。それには孤高の判断、つまり、それら権力者と一定の距離感を保ってきたこと、が挙げられるのではないか。
    まさに源頼朝が評した「日本第一の大天狗」であったのだろう。

  • 1975.09.30発行
    (1978.07.24読了)(1977.07.24購入)
    (「BOOK」データベースより)
    朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた、激動の平安末期。千変万化の政治において、常に老獪に立ち回ったのが、源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、平家の滅亡…。その時院は、何を思いどう行動したのか。側近たちの証言によって不気味に浮かび上がる、謎多き後白河院の肖像。明晰な史観に基づく異色の歴史小説。

    ☆関連図書(既読)
    「蒼き狼」井上靖著、新潮文庫、1954.06.
    「あすなろ物語」井上靖著、新潮文庫、1958.11.30
    「敦煌」井上靖著、新潮文庫、1965.06.30
    「西域物語」井上靖著、新潮文庫、1977.03.30

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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