夜の声 (新潮文庫 い 7-25)

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著者 : 井上靖
  • 新潮社 (1980年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101063256

夜の声 (新潮文庫 い 7-25)の感想・レビュー・書評

  • ――結構衝撃でした、この本。 「ある夜主人公は、夢の中で人間の愚かさと自分に課せられた使命を神

    から告げられる。翌朝主人公は、使命感にかき立てられ、孫娘と一人の女性を連れて街を飛び出す」井上

    靖さんはどんな気持ちでこの作品を書いたんでしょうね。相変わらず文体が新鮮です。 前半は読んでて

    ちょっと憂鬱でした。人間がどんなに愚かで無責任な生き物か。そんなことばっかりなんですもん。事実

    ですけど。 でもそれだけじゃない。ここにいる孫娘のように、美しいものを美しいと感じる心を持った

    人間がいるじゃないか。 そういうことに、徐々に主人公は気付いていくんですね。 まったく自分を振

    り返らずにはいられませんでした。どうだろう。自分は濁った考え方をしていないだろうか。 読み終わ

    ってもまだ小説の中にいる感じで、しばらくそんな事を考えてました。でも結局はっきりした答えは出ま

    せんでしたけど。 重い内容なのに、ここまで清々しく書ききってしまう井上靖さん、凄いと思います。

    人の愚かさと美しさ、両方を感じさせてくれる素晴らしい作品。ありがとうございました――

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