- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101063348
作品紹介・あらすじ
洪作は四年に進級するが、自由奔放な文学グループと行動を共にするようになってからは成績は下がる一方で、ついに彼は沼津の寺にあずけられる羽目になった。おくてで平凡な少年の前に、急速に未知の世界が開けはじめる。-陽の光輝く海辺の町を舞台に、洪作少年がいかにして青春に目覚めていったかを、ユーモアを交えた爽やかな筆に描き出す。『しろばんば』に続く自伝長編。
感想・レビュー・書評
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大正時代の男子中高生面白い!
「しろばんば」に次ぐ、作者の自伝的小説です。旧制中学3年となった主人公の学校生活や友達との交流が、日々の小さな出来事を通して描かれています。友達との会話や行動が本当に面白くて、クスクス笑ってしまいます。朝寝坊だったり、物を無くしたり、服装がだらしなかったりと、読みながら「ちょっとアンタ何やってるの!」とお小言したくなるような場面もあり微笑ましいです。
「しろばんば」でも思いましたが、人間は今も昔も変わらないですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自伝的三部作のひとつ。
洪作の中学生時代。
洪作の、のんびりとしたところに和みました。 -
主人公が年齢の割に世間知らずでバカ。毎日バカなことばかりしているので、安心して読める癒し系の作品に仕上がっている。
ハードボイルド文体に近いくらい内面描写に深く立ち入らず、深刻な出来事も起きず、昔のバカなガキの日常系という感じ。すぐ喧嘩して、異性への自意識に煩悶して、年上の女にいいように使われる。サライネス先生あたりが漫画家したらどうだろ。ケロロ軍曹の人でもいいかもしれない。 -
★3.5かな、でもおまけなし。あまりに半端な感じで終わってしまってるからなぁ。続きはあるんかな?
それはともかく要するに育ちが良いんでしょうな、洪作は(つまりは井上靖が、ということになるのかもしれませんけれども)。例えばフランス料理と寿司のくだりとか、こちらがイライラするくらいの天然ぶり。これくらい伸び伸びとしている方が良いんでしょうが、最早絶滅危惧種的な育てられ方なのかも知れず。 -
途中中だるみがあったが、後半思わず笑ってしまう箇所もあって面白かった。
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再読
『しろばんば』に続く中学生3年時代
話の選び方も表現もなんとも微妙な仕上がりで
小学生だから良かったのか
『しろばんば』の完璧な出来栄えと比較すると何段も落ちる
どうしてこうも落差があるのかは不思議 -
古き良き時代、伊豆地方の青年達の記録。大人になりきれず、幼子でもない、あの青々とした時期が細やかな日常の描写で書かれる。美しい記録。
上巻、しろばんば、北の海、フィリップ・ビュビュドモンパルナスも続けて読みたい。