事件 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (599ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101065083

感想・レビュー・書評

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  • かつてNHKのドラマで放映されてたような気がする。見なかったけど。大岡昇平の作品というのが記憶に残った。「野火」とは全く異質の作品。裁判をテーマにドキュメンタリー風な小説。法律用語が飛び交って読みづらいかと言えばさにあらず。面白かった。主人公が主任裁判官か、弁護士か、不明なまま読み切ったがぼやけたまま。あまり主題とは関係なかったようだ。人が人を裁き切れるのか。でなければ裁判とは何なのか。日頃とっつきの悪い舞台に惹きつけられる。2023.4.9

  • 映画は未見。

  • 人が人を裁く難しさを痛感します。テレビの法廷ドラマとは違って、淡々としたリアルさが胸に迫ります。はたして”真実”とはいったい何んだろうと考えさせられる作品です。

  • 「ソロモンの偽証 第2部」にタイトルが出てきたので。
    19歳の少年が恋人の姉を刺殺した事件についての裁判。制度や言葉についての説明が随所にあり、それが流れを止めるようなもどかしさもあったが、法廷モノを読み慣れていない私には、理解を深めるのにとても役だった。「ソロモンの偽証 法廷」のよい予習になったと思う。

  • 2011/08/20完讀
    2020/10/02再讀

  • 人間ドラマに展開していくのではなく、「裁判」というテーマの中に物語を封じ込めていて、おそらくそれゆえに「真相」について考えさせられました。

  • ケーススタディとして、本編を俯瞰すれば
    毎日起こる、殺人事件にはどれだけの人間の業の上に興りえたのかということがわかる。

    真実を突き詰めていくことが、唯一神に与えられた人間の所存なのだろう。
    神にどこまで近づけるのか、それをとことんまで果敢に挑戦したのが大岡昇平という著述家だということだ。

    真実は明かされる必要はない、ただそれを明かそうと努力する人間の所存は美しいと思う。

著者プロフィール

大岡昇平

明治四十二年(一九〇九)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和七年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和十九年三月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、二十年一月米軍の俘虜となり、十二月復員。昭和二十三年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『将門記』『中原中也』(野間文芸賞)『歴史小説の問題』『事件』(日本推理作家協会賞)『雲の肖像』等を発表、この間、昭和四十七年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和六十三年(一九八八)死去。

「2019年 『成城だよりⅢ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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