ブルックナー (新潮文庫 ん 60-7 カラー版作曲家の生涯)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101066110

作品紹介・あらすじ

オーストリアの寒村に生まれ、この世に音楽による壮大な大伽藍をうち建て、72歳にして故郷の教会のオルガンの下に葬られたブルックナー。彼は、対位法を駆使した交響曲と崇高な宗教曲を多数生み出した偉大な作曲家であったが、反面、酒と美食に目のない享楽家であり、美しい女に心をときめかす愛すべき人間であった-。安永撤、平野昭ら7人のコラムと、全作品表、年譜を収録。

感想・レビュー・書評

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  • ブルックナーの伝記。

    文庫本ながら、約1/3は貴重な写真や図版で構成されている。

    元にしている資料(文献や書簡類)は前に読んだ本と似たようなものの気がするけど、より叙述的な文章は明るいというか肯定的な筆致であり、踊りや仮装パーティが大好きだった、音楽学校などでの講義は学生の受けがよかった、決して知性が劣っていたわけではない、などブルックナーのまた違った横顔をかいま見せてくれる。

    評論家ハンスリックによる攻撃も、必ずしも誹謗中傷ばかりではなかったと、やや弁護するような口調。

    一方、星や砂粒やご婦人の衣類の装身具を数える癖(病)や、死や死体への興味が強かった、汗っかきだったので緩いシャツやだぶだぶの服を着ていて、しかも真っ赤なハンカチが好きだったなど、“くすぐられる(?)”エピソードもちゃんと書かれている。やっぱり相当な変人だったんだな…。

    華やかだったらしい19世紀末ウィーンや当時の音楽会の様子も興味深い。

    短いながらも楽しい本だった。

  • ブルックナーの第8交響曲の最終楽章が自動車エンジンのCMにつかわれたのは、もう30年余も前のことだ。ミハーなわたしにはインパクト十分で、さっそくレコード盤を購入したのは言うまでもないが、全曲通しの長大さから第4楽章ばかり聴いていたのだった。
    そしていまではPCオーディオ、ハイレゾ再生の手軽さから第4、第7、第8番など美しく壮大な音楽を聴き始めている。
    それにしても、他人による楽譜の改訂の多さは? 

  • ブックオフ太田、¥200.

  • (1993.10.19読了)(1988.03.10購入)
    カラー版作曲家の生涯
    (「BOOK」データベースより)amazon
    オーストリアの寒村に生まれ、この世に音楽による壮大な大伽藍をうち建て、72歳にして故郷の教会のオルガンの下に葬られたブルックナー。彼は、対位法を駆使した交響曲と崇高な宗教曲を多数生み出した偉大な作曲家であったが、反面、酒と美食に目のない享楽家であり、美しい女に心をときめかす愛すべき人間であった―。安永撤、平野昭ら7人のコラムと、全作品表、年譜を収録。

    ☆関連図書(既読)
    「モーツァルト」田辺秀樹著、新潮文庫、1984.10.25
    「バッハ」樋口隆一著、新潮文庫、1985.04.25
    「ベートーヴェン」平野昭著、新潮文庫、1985.12.20
    「チャイコフスキイ」森田稔著、新潮文庫、1986.05.25
    「ブラームス」三宅幸夫著、新潮文庫、1986.12.20
    「マーラー」船山隆著、新潮文庫、1987.07.25

  • カラーで、文庫でわかりやすいです。

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著者プロフィール

東京藝術大学音楽学部楽理科教授(音楽学)。研究課題は、西洋音楽における音楽形式と音楽形式理論の歴史、交響曲の歴史、ベートーヴェン研究など。
著書に『ブルックナー』(新潮文庫)、『ベートーヴェン全集』全10巻(共著、講談社)、『ベートーヴェン事典』(共著、東京書籍)、『転換期の音楽』(共著)、スコア解説『ベートーヴェン 交響曲 第5番』、『同 第9番』『同 第3番』『同 第6番』(以上、音楽之友社)などがある。


「2018年 『ソナタ形式の修辞学 古典派の音楽形式論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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