トリツカレ男 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2006年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101069234

トリツカレ男 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いやぁ〜もう
    大好きな小説です。

    コレ何回読んだかなぁ〜♪

    みんなから
    「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれているジュゼッペ。

    次々となにかにとりつかれて
    その道を極めていく困った性分。

    オペラに三段跳びに
    探偵に昆虫採集に
    外国語にカメラ集めに潮干狩りに
    ハツカネズミの飼育、
    心の赴くままに
    ただ好きなことを
    本気でやり抜くだけ。

    そんな彼が風船売りの少女ペチカに
    恋をした。

    果たして
    悲しみに凍てついた彼女の心を
    トリツカレ男はあたためることができるのか…

    という
    ウルトラミラクル
    ラブストーリー。


    童話的で無国籍情緒溢れる物語の中に
    教えられたことが沢山あります。

    トリツカレ男となり
    その都度得てきた能力をフルに活用して、
    ペチカのために
    西に東に奔走するジュゼッペ。

    彼を動かす原動力となるのは、
    好きな人をただ救いたいという気持ちだけ。


    結局人の心を揺り動かすのは
    打算や計算じゃなく、
    愚直で不器用なまでの生き方や
    『好き』だからこその行動力なんだろうな。

    しかし、こんなカッコいい男がいたら、ペチカでなくとも
    メロメロになっちゃいますよね(笑)


    焼きたてのパンを割ったときの
    綿菓子みたいな湯気が好きだと言う
    風船売りのペチカ嬢の
    キャラがまたいいんですよ(笑)

    他にも
    ジュゼッペの親友で
    人間の言葉が分かるハツカネズミや、
    マフィアのボスで
    昆虫の標本マニアの
    ツイスト親分、
    ジュゼッペが働く
    優しいレストランの主人、
    ぜんそくの病を持つペチカのママなど、
    魅力的で温かい登場人物たちが
    物語に色を添えます。


    人を好きになるということは
    誰かの心に種を蒔くこと。

    その種はやがて芽吹き、
    実をつける。

    新たな種は、
    今度は別の人の心に蒔かれて
    想いは繋がっていく。

    たとえ想いが叶わなくても、
    今は花は咲かなくても、
    たった一人の理解者に出会えたなら、
    その気持ちを伝えなくちゃ。

    今自分ができる
    全力を尽くさなくちゃ。

    『一期一会』とは、
    そういうことなんだろうな(^_^)


    カッコいい男をお探しのアナタ、
    今現在恋している人、
    夢を追いかけている人、
    必読ですよ(笑)

  • ジュゼッペは、「トリツカレ男」。
    一度何かにとりつかれると、他のことにはもう目がいかない。

    オペラ、三段跳び、昆虫採集、サングラス収集…
    そんな中、彼がとりつかれたのは、外国からきた無口なペチカという少女で……。

    なんだか泣きたくなるくらい優しいお話。
    無駄な時間なんてないんだなぁと思う反面、
    無駄にしないかどうかはその人次第なのかもとも思ったり。

    皮肉屋なハツカネズミがお気に入り!

  • 1時間ほどで読みきれる、短く読みやすい本。
    少し児童文学や絵本っぽい雰囲気もあって、タイトルの不穏さとは真逆の、温かい雰囲気の作品。

    ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミの飼育etc.
    そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りの少女に恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。
    悲しみに凍りついたペチカの心を、ジュゼッペは持てる技の全てを使って温めようとする。

    ジュゼッペの純粋な姿から、何かに夢中になったり、一生懸命取り組むことの眩しさに気づかされる。
    大人になると「どうせそんなことしたって」と言い訳をして、夢中になることから遠ざかっていく。その言葉を免罪符にして、失敗することを避けようとするからだ。
    でも大人になっても純粋さを失わず、失敗も恐れず、挑戦することをやめない人だっている。そういう人は後ろ指も差されやすいかもしれないけれど、それはそうは生きられない嫉妬心が周りの人間にあるからなのかも。

    ジュゼッペはいつも何かに夢中で、周りはそれを揶揄して「トリツカレ男」と呼んでいる。半分馬鹿にしていて、半分は愛おしさがこもっている呼び名。
    そんな彼がある日恋をした。その相手、ペチカは異国から来たばかりで友だちもおらず、ジュゼッペは友人でもあるハツカネズミの助言で彼女に「友だちになろう」と申し出る。
    ペチカに「トリツカレタ」ジュゼッペは、悲しみが潜む彼女をどうにかして明るくさせようと頑張るのだけど、その中でジュゼッペがこれまで夢中になってきたあらゆることが役立つのがおもしろい。
    一生懸命やってきたことは、何かのときに役立つ。そのとき目に見えるかたちにはならなくとも。それは物語上だけではなくて、現実でも大いに有り得る。

    第3章の「タタン」から第4章の「長い長い冬」まではとても切ない。ジュゼッペのペチカを想う心が思わぬ出来事に繋がっていく。
    だけどやはり、一生懸命に何かに打ち込むことは、何かのタイミングで実りに変わっていく。

    短時間で読める温かなストーリー。
    読んだ日がクリスマスだったのだけど、それも何か意味があるような気分になった。

  • 何を選ぶかではなく、選んだ後にどう取り組むか。
    大切なのは結局そういうことなんだと、ジュゼッペの生き方から教えられたような気がしました。
    無駄になるかどうかなんて、全部自分次第なのだと。

    好きなものに対してひたむきに情熱を注ぎ、いつだって一生懸命それに取り組んでいくジュゼッペ。
    そんなジュゼッペのように、わたしも、一生懸命夢中になってやってみよう。そんな風に思わせてくれる、とても温かいお話でした。

  • 真っ直ぐで献身的なジュゼッペの愛情に、こわばっていた心がほぐされるような。素敵なラブストーリー。

    トリツカレ男がトリツカレた恋の行方はいかに?ハツカネズミの友情もあたたかくて気持ちがほこほこしました。

  • いしいしんじをしばらく読んでなかった。とても好きな作家なのにどうしてかわからない。多分大好きだけど、いしいしんじの世界にあるやさしさみたいな、なんだか澄んだ心みたいなものがとても切なく思える事があるからだと思う。どんな気持ちでこの人は物語を書くのだろう。子供の頃読んだ、いつまでも記憶に残る様な素敵な童話、そしてその先にある物を書き続けている作家だと思う。そう思うとこの「トリツカレ男」はその童話のひとつと言えるかもしれない。

  • 夢中なると勇気が出る。ものすごい出る。

  • こわいくらい純粋でまっすぐで 素敵
    いや、こわがりたくない…

    とりつかれることに怖さを持たなかった頃には戻れそうにないから この本を読もうまた

  • ◆どこまでも優しい、美しい愛のお伽話。わたしたちはジュゼッペを信頼して物語に入っていくことができる。なのに、どうして、同時にこんなに切ない気持ちを抱くのだろう。きっと、こんな美しい物語がどこにもないとどこかで思っているわたしがかなしいのだろう。
    ◆だけど、ジュゼッペのような人、知っている気もする。すべてのジュゼッペがペチカと出会えますように。

  • 「やるべきことがわかってるうちは、手を抜かずに、そいつをやりとおさなくちゃ」

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トリツカレ男 (新潮文庫)の作品紹介

ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミetc.そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りに恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。悲しみに凍りついた彼女の心を、ジュゼッペは、もてる技のすべてを使ってあたためようとするのだが…。まぶしくピュアなラブストーリー。

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