トリツカレ男 (新潮文庫)

  • 4642人登録
  • 3.99評価
    • (769)
    • (701)
    • (641)
    • (53)
    • (18)
  • 791レビュー
  • 新潮社 (2006年3月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101069234

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
いしい しんじ
伊坂 幸太郎
いしい しんじ
いしい しんじ
有効な右矢印 無効な右矢印

トリツカレ男 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • いやぁ〜もう
    大好きな小説です。

    コレ何回読んだかなぁ〜♪

    みんなから
    「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれているジュゼッペ。

    次々となにかにとりつかれて
    その道を極めていく困った性分。

    オペラに三段跳びに
    探偵に昆虫採集に
    外国語にカメラ集めに潮干狩りに
    ハツカネズミの飼育、
    心の赴くままに
    ただ好きなことを
    本気でやり抜くだけ。

    そんな彼が風船売りの少女ペチカに
    恋をした。

    果たして
    悲しみに凍てついた彼女の心を
    トリツカレ男はあたためることができるのか…

    という
    ウルトラミラクル
    ラブストーリー。


    童話的で無国籍情緒溢れる物語の中に
    教えられたことが沢山あります。

    トリツカレ男となり
    その都度得てきた能力をフルに活用して、
    ペチカのために
    西に東に奔走するジュゼッペ。

    彼を動かす原動力となるのは、
    好きな人をただ救いたいという気持ちだけ。


    結局人の心を揺り動かすのは
    打算や計算じゃなく、
    愚直で不器用なまでの生き方や
    『好き』だからこその行動力なんだろうな。

    しかし、こんなカッコいい男がいたら、ペチカでなくとも
    メロメロになっちゃいますよね(笑)


    焼きたてのパンを割ったときの
    綿菓子みたいな湯気が好きだと言う
    風船売りのペチカ嬢の
    キャラがまたいいんですよ(笑)

    他にも
    ジュゼッペの親友で
    人間の言葉が分かるハツカネズミや、
    マフィアのボスで
    昆虫の標本マニアの
    ツイスト親分、
    ジュゼッペが働く
    優しいレストランの主人、
    ぜんそくの病を持つペチカのママなど、
    魅力的で温かい登場人物たちが
    物語に色を添えます。


    人を好きになるということは
    誰かの心に種を蒔くこと。

    その種はやがて芽吹き、
    実をつける。

    新たな種は、
    今度は別の人の心に蒔かれて
    想いは繋がっていく。

    たとえ想いが叶わなくても、
    今は花は咲かなくても、
    たった一人の理解者に出会えたなら、
    その気持ちを伝えなくちゃ。

    今自分ができる
    全力を尽くさなくちゃ。

    『一期一会』とは、
    そういうことなんだろうな(^_^)


    カッコいい男をお探しのアナタ、
    今現在恋している人、
    夢を追いかけている人、
    必読ですよ(笑)

  • ジュゼッペは、「トリツカレ男」。
    一度何かにとりつかれると、他のことにはもう目がいかない。

    オペラ、三段跳び、昆虫採集、サングラス収集…
    そんな中、彼がとりつかれたのは、外国からきた無口なペチカという少女で……。

    なんだか泣きたくなるくらい優しいお話。
    無駄な時間なんてないんだなぁと思う反面、
    無駄にしないかどうかはその人次第なのかもとも思ったり。

    皮肉屋なハツカネズミがお気に入り!

  • 1時間ほどで読みきれる、短く読みやすい本。
    少し児童文学や絵本っぽい雰囲気もあって、タイトルの不穏さとは真逆の、温かい雰囲気の作品。

    ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミの飼育etc.
    そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りの少女に恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。
    悲しみに凍りついたペチカの心を、ジュゼッペは持てる技の全てを使って温めようとする。

    ジュゼッペの純粋な姿から、何かに夢中になったり、一生懸命取り組むことの眩しさに気づかされる。
    大人になると「どうせそんなことしたって」と言い訳をして、夢中になることから遠ざかっていく。その言葉を免罪符にして、失敗することを避けようとするからだ。
    でも大人になっても純粋さを失わず、失敗も恐れず、挑戦することをやめない人だっている。そういう人は後ろ指も差されやすいかもしれないけれど、それはそうは生きられない嫉妬心が周りの人間にあるからなのかも。

    ジュゼッペはいつも何かに夢中で、周りはそれを揶揄して「トリツカレ男」と呼んでいる。半分馬鹿にしていて、半分は愛おしさがこもっている呼び名。
    そんな彼がある日恋をした。その相手、ペチカは異国から来たばかりで友だちもおらず、ジュゼッペは友人でもあるハツカネズミの助言で彼女に「友だちになろう」と申し出る。
    ペチカに「トリツカレタ」ジュゼッペは、悲しみが潜む彼女をどうにかして明るくさせようと頑張るのだけど、その中でジュゼッペがこれまで夢中になってきたあらゆることが役立つのがおもしろい。
    一生懸命やってきたことは、何かのときに役立つ。そのとき目に見えるかたちにはならなくとも。それは物語上だけではなくて、現実でも大いに有り得る。

    第3章の「タタン」から第4章の「長い長い冬」まではとても切ない。ジュゼッペのペチカを想う心が思わぬ出来事に繋がっていく。
    だけどやはり、一生懸命に何かに打ち込むことは、何かのタイミングで実りに変わっていく。

    短時間で読める温かなストーリー。
    読んだ日がクリスマスだったのだけど、それも何か意味があるような気分になった。

  • 何を選ぶかではなく、選んだ後にどう取り組むか。
    大切なのは結局そういうことなんだと、ジュゼッペの生き方から教えられたような気がしました。
    無駄になるかどうかなんて、全部自分次第なのだと。

    好きなものに対してひたむきに情熱を注ぎ、いつだって一生懸命それに取り組んでいくジュゼッペ。
    そんなジュゼッペのように、わたしも、一生懸命夢中になってやってみよう。そんな風に思わせてくれる、とても温かいお話でした。

  • 真っ直ぐで献身的なジュゼッペの愛情に、こわばっていた心がほぐされるような。素敵なラブストーリー。

    トリツカレ男がトリツカレた恋の行方はいかに?ハツカネズミの友情もあたたかくて気持ちがほこほこしました。

  • 夢中なると勇気が出る。ものすごい出る。

  • こわいくらい純粋でまっすぐで 素敵
    いや、こわがりたくない…

    とりつかれることに怖さを持たなかった頃には戻れそうにないから この本を読もうまた

  • ◆どこまでも優しい、美しい愛のお伽話。わたしたちはジュゼッペを信頼して物語に入っていくことができる。なのに、どうして、同時にこんなに切ない気持ちを抱くのだろう。きっと、こんな美しい物語がどこにもないとどこかで思っているわたしがかなしいのだろう。
    ◆だけど、ジュゼッペのような人、知っている気もする。すべてのジュゼッペがペチカと出会えますように。

  • 「やるべきことがわかってるうちは、手を抜かずに、そいつをやりとおさなくちゃ」

  • 結論から言うと、私には合わなかった。
    話自体が良くなかったわけではない。合わなかったというより、この作品に純粋に感動できない自分が「すれて」しまっただけなのか。

    読んでいて一番引っかかってしまったのは、ジュセッペがタタン先生の真似をするところ。
    最後には、そこまで自分のためにしてくれている、という彼の行動がペチカの胸を打ったわけだが、ジュゼッペが「最終的に」ペチカのために選んだことが、彼自身の特技や人柄ではなく、背格好や人格まで似てしまうほどの「真似」であったというのが、どうしても引っかかってしまった。
    もちろん、ペチカはその前から実はジュゼッペに惹かれていた、というオチなのだが、このエピソードを「最後に」もってきたのが、どうしても…上手く説明できないが、納得がいかなかったというか、素直によかったね、と思えなかった最大の理由だ。
    それと、ジュゼッペが今までトリツカレてきたことが思わぬ形で役に立つ―というエピソードも、なんだかこじつけた感が否めなかった。

    逆に、個人的に心に残ったのは、(本物の)タタン先生の行動。自分が教師だからこそなのだが、タタン先生と同じ状況に置かれたら、自分はタタン先生のように行動できるだろうか、と考えさせられた。
    それから、ハツカネズミとツイスト親分はいい味出してました。

    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-453.html

  • とっても優しくて素敵なお話です♡いしいしんじさんの作品は昔に読んだ事がありますが、その時も素敵な作品書かれる方だなと思っていました!『トリツカレ男』も本当に素晴らしい作品でした☆主人公のジュゼッペは、突然とりつかれたようにいろんな事に夢中になります!ジュゼッペと一緒にいる、人と話す事ができるハツカネズミも名脇役でとてもいいです!ジュゼッペの純粋な優しい想いに胸が熱くなり後半は何回も涙してしまいました(;_;)心が洗われるような素敵な温かい作品でお気に入り♪いろんな方に読んで頂きたいです!とても綺麗な物語☆

  • 同僚から借りた本

    表紙と内容アンマッチ(笑)

    純愛がしたくなった

    この著者の他の本も読んでみたい

  • オペラ、三段跳び、サングラス集め、
    さまざまなことにとりつかれては
    街の人を愉快にする、ジュゼッペ。
    彼が、恋をしたのは、ペチカ。
    ペチカにとりつかれたジュゼッペは、悲しみでくすんだ彼女の心を、 あらゆることであたためようとする。そんなお話。

    何度読んでも、愛だと思う。
    そして、すこしばかり、とりつかれることをためらっているぼくの心も、 ジュゼッペによって、ペチカによって、はたまたハツカネズミによって、タタン先生によって 後押しされる。

    ”ブレーキの壊れた自転車で、まっすぐな道をすべっていく”

    そんな恋、そんな人生、 まだできる余地が心に残されているなら、
    それを選ぼうとする自分でありたい。

    ジュゼッペ、きみの愛は、海より深いよ。

  • 素敵。こんなにまっすぐになることを忘れてしまっている気がします。

  • 読み終えたあと、心が温かくなった。

  • 「わたしだって結局、ばかげたトリツカレ女だったってこと」か(´∀`*)とか思えてしまうあたたかい物語でした。
    でも、ジュゼッペのまっすぐさは強くて やさしくて かっこいい。ばかげてたってね!

  • ジュゼッペ、ペチカ、タタン。さくっと読めるいいラブストーリー。

  • 「トリツカレ」という題と表紙のやや怖い雰囲気の絵に、暗い話なのかなというイメージがあったこの本。ハートウォーミングでハッピーエンドと聞いて、落ち込んだ時に読みました。(表紙の絵、髪の毛のところに顔があって影になってるのかと思いきや、よく見たら下に陽気な顔がありました)

    とくにグッときた、大好きな部分を引用

    >
    自分の足元に、もうずっと前から張られている、澄みきった美しいこの世の氷。
    氷の上で、ペチカの足はふるえもせず、きれいにぴんとのびてるさ。自分はとっくに新しいスケート靴をはいている。それはとてもよく足になじむ。それはブレーキなしにひたすら懸命に前へ前へとすべる。そしてそれは、ペチカが転ばないよう、氷と彼女との間に歯をくいしばって立っている。
    >

    この一文目にすっかりやられました。

  • 何かに夢中になると、とことんまでやり込み、極めてしまう「トリツカレ男」、ジュゼッペ。
    公園で見かけた風船売りのペチカに恋をします。
    ペチカの笑顔にどこかくすみがあることに気づいたジュゼッペは、彼女の本当の笑顔のために行動を開始します。

    ジュゼッペがこれまでとりつかれ、習得した物事は一見何の役に立たなさそうなものばかり。三段跳び、オペラ、サングラス集めなどなど…ペチカのために、その技の数々を駆使して問題を解決していく様は痛快です。
    物語後半部で、ペチカの心を曇らせる原因となった出来事が判明します。それはジュゼッペにとっても辛い事実でしたが、ただ彼女の笑顔を見たい。その一心で懸命に向き合う姿は健気で、切なく哀しかったです。

    どうしてそこまで…と最初こそ思いましたが、誰しも大切な人のためには、見返りなんて求めず、純粋なる愛情をおしみなく注げるもの。
    恋にトリツカレた男の、とてもまっすぐでピュアな、それでいて熱い、そんなラブストーリーでした。

    物語のわきを固める、ジュゼッペの頼りになる相棒のハツカネズミはもちろん、タタン先生やツイスト親分など、どの登場人物もとってもチャーミングです。

    図書館スタッフ(学園前):てば

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410001176

  • 150pほどの短編なので、一時間とかからず読み終えた。

    優しい現代の童話。

    短いので、ちょっと喋ったらオチを言ってしまいそうだ。

    先入観なく読んだ方が、きっと楽しい。
    童話や、不思議な話、短編好きなら損はない。

    著者のいしいしんじ氏、
    恥ずかしながら私は初めて読みましたが
    BOOK SHORTSにインタビューが載ってた。
    http://bookshorts.jp/ishiishinji/

    BOOK SHORTS……しばらく見ないうちに
    インタビューリストが恐ろしく豪華になってるな(違)

  • 2016.06.03読了。
    今年4冊目。

    一万円選書で選んでいただいた本。

    優しく切なく、そして愛おしい物語。

    読んでるうちに私もジュゼッペにトリツカレてしまった。

    何かに夢中になれるのはとても素敵なことだし、大切なこと。
    熱く生きないとね!

  • 絵本のような語り口がとても優しくて読みやすかったです。
    見返りを求めないトリツカレ男の愛が、とても純粋で心温まりました。
    読めばきっと、何かにとりつかれたい気持ちになるはず。

  • 何かにとりつかれることって周りから見てバカみたいと思われることもあるけど、それを極めればいずれ周りからも認められる。こんなに心が優しいトリツカレ男は愛され男だわ。

  • 怖そうなタイトルに惹かれて読んでみましたが、とっても切なくてかわいくて愛であふれた作品でした!
    普段恋愛をしても、一人で盛り上がっている自分に対して馬鹿みたい、
    どうせ自分なんて...と冷静になって引き下がってしまうことが多い私。
    変に理由付けて、本気になることから逃げていた自分に気づかされました。

    だけど本気になれば、何か報われることがある。
    それは、自分自身の幸せにもつながるだろうし、相手やもっと広い他者への幸せにも、きっとつながる。
    そんな素敵な未来につながるように、トリツカレ男を見習って、生きていきたいなと思いました。

全791件中 1 - 25件を表示

トリツカレ男 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

トリツカレ男 (新潮文庫)に関連するまとめ

トリツカレ男 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

トリツカレ男 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

トリツカレ男 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

トリツカレ男 (新潮文庫)の作品紹介

ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミetc.そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りに恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。悲しみに凍りついた彼女の心を、ジュゼッペは、もてる技のすべてを使ってあたためようとするのだが…。まぶしくピュアなラブストーリー。

ツイートする