アルプスと猫―いしいしんじのごはん日記〈3〉 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101069296

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  •  いしいしんじさんのWEB連載「いしいしんじのごはん日記」の3作目。2005年10月1日から2006年9月30日まで。
     2004年8月、筆者いしいしんじさんと園子さんが結婚なさった。その後、いしいさんの三崎の家はそのままに、園子さんが染めと織りを修行している工房のある松本と行き来しながら暮らす。
     いしいしんじさん、奥さんの園子さん、大阪のご両親などなどご家族の方や松本の人々、三崎まるいちをはじめとする三崎の人々、いしいさんのもとを訪れるたくさんの人々との四方山話。それから次々出てくるまぼろしの猫やロバや女子高生ユッコなど本当にいるんだかよく分からない登場人物(笑)。
     いしいさんと園子さんのもとに待望の「猫」が。

     自分でも感想書いていてよく分からないや(笑)。さまざまな出来事がいしいさんのフィルターを通して、摩訶不思議な日記になっています。文章のクセがすごい。でも慣れてくると止められない。

     ごはん日記だからして、毎日の食事もすごい。品数多い。園子さんも作るがいしいさんも作る。旨いものの話を読んでいるだけでいいなあ、うらやましいなあとなる。松本のデラウェアが三崎のめといかなどに化けたりする。デラ、ウェア!
     たくさん食材や料理が出てきて、覚えきれないのですが、オイラめといかが食べたいです。めといか。

  • いしい語がわかってくると おもしろい
    ツートト
    にう
    くさったりんご
    工事がうるさくなったらカリブ海へ逃亡する身軽さ
    魚は雄が美味しい
    かなしいできごともあったけど
    園子さんも猫ちゃんも日々 日々です

  • 再読。二回目だと例の件だけでなくその前の喜ぶ二人や周囲の様子までつらい。いえ一回目に読んだときも帯で盛大なネタばれ(という表現もどうかと思うけど)されてたので覚悟はしていたんですが。

    その後キューバの彼は日本の山を見たんだろうか。

  • 優しい気持ちになれる癒し系エッセイ
    松本・安曇野 
    おいしいごはん
    ねこちゃん

  • リアルタイムでは知らなかったものの、私自身が馴染み深い街に著者が住んでいたことがなんだか不思議。とはいえ、いしいさんは松本よりもやはり三崎に対して親密な気持ちを持っていたと思うし、さらに今は松本よりも京都なのだろうなと感じる。松本での経験は(忘れ難くはあると思うけど)とても大きな悲しみでもあっただろうから。

  • 日記って物語よりも想像もしない展開が
    起こるのだと思いました。
    ぼえー。

  • ちょっとダークなファンタジーの小説を出しているいしいしんじさんのごはんエッセイ本です。
    このところ小説よりエッセイ系の本が読みたくなったので代官山の蔦谷書店で見て気になっていたので読みましたがいきなりシリーズ3
    でした。

    いしいさんと奥さんの園子さん、いしいさんの周りの人たちとそして猫たちのやり取りがよく分かる本でした。
    その日の晩ごはんも事細かく描かれていて本を読むたびにお腹が
    空いてきました。おいしそうで。
    今度はちゃんとファーストシリーズから読んでまた3を読みたいと
    思います。

  • 毎回買っていたのに出ていたことに気づきませんでした。ああ。松本での生活の描写やキューバ旅行でのことなどが、つづられています。自分でもおもうことだけれど、いろいろなところに移動すると、世界は広いし狭い。またパラレルにさまざまなことが奇跡的に起きるということがよくわかる。

  • いやぁ、いしいしんじは最高だ。

    疲労困憊セグンドとか超面白いけどキューバネタをわかるひとは少ないのではないだろうか。
    あとデラーウェアーとかも好き。ユッコも好き。クロネコが来てにゃーと泣くのも面白い。

    ごはん日記(ブログ)の書籍化第3弾。舞台は長野・松本。ダラダラ好き勝手に毎日が過ぎていくように見えても、家族(親や兄弟)や地域の人とのつながり大切にしていると思う。そしておいしいものを食べ温泉に入る。園子さんを愛す。素敵だと思う。

    猫ちゃんは悲しいけど、そのなぐさめにキューバ行っちゃうのがすごい。

    園子さんに憧れる。

    (かつもとさんに借りた。)

  • ごはん日記ではこれがマイベスト。まず、まえがきがいい。36ページの10月29日(土)から109ページの1月17日(火)、115ページの1月22日(日)くらいまでが、すごい。特別な日記。

  • 病めるときも健やかなるときも楽しいときも辛いときも。おいしいごはんを食べること。

  • 相変わらずのおいしそうな質の良い凝ったごはんたち。
    いしい節が炸裂しています。
    松本→三崎→東京と移動が大変そう。
    猫ちゃんのことはきっと大丈夫でしょう。

  • 海の見える三崎の家はそのままに、こんどは信州・松本の、ぶどう畑の真ん中にたつ大きな家へ―。妻となった園子さんは染めと織りの工房で修業中。寒がりやのいしいさんは凍てつく松本の冬におののきながら、次第にからだと心をなじませてゆく。そこに訪れた待望の「猫ちゃん」。アルプス連峰をのぞむ城下町での、生きるよろこびとかなしみのすべてがつまった、特別な一年の記録(「BOOK」データベースより)

    ごはん日記も3冊目になりました。
    3冊目にもなれば、いいかげん飽きも来そうなものなのですが、
    相変わらずの面白さ(クロネコヤマトさんが、ニャーて・・・!!)。
    そしてお刺身が食べたくなる病に、またしても罹患。
    三崎に行かないと、このやまいは治りません。
    あぁどうしよう。シクラメン。
    しかも今回は松本のおそばも食べたい病に!
    デラウェア!!

    今回は1月の日記に涙と鼻水が止まらなくなってしまった事も記しておきましょう。
    いしいさんと園子さんの猫ちゃんにしばし黙祷。
    以前読んだ『熊にみえて熊じゃない』ともリンクしていて、あちらではよくわからなかった流れがこちらでわかるのですよ。
    なのでいっそう涙が止まりませんでした。
    今は三崎のおうちでまぼろしの猫と一緒にダンスを踊っているのかしらね?
    そうだといいな。

  • 友人との物々交換で回ってきて今読んでいるところです。
    エッセイなので、ちょっとずつ読んでいますが、“ゆったりしたい時、コーヒーなどを片手に”というのがしっくりくる本です。

  • ごはん日記3冊目。猫とロバと園子さんとの日常。喜びと、悲しみと。猫ちゃん・・・。ともあれ毎日ごはんが美味い。キューバの食事情はおいといて。「みずうみ」はこういう生活の中で育ったんだなぁ。読んでる間、私の肩からも幻の猫が乗り出して、美味しそうな魚たちに身悶えしていた。

  • いしいさんの日記、3冊目もすばらしいです!
    デラウエア!

    三崎と松本に居をかまえ、おいしいものやあたたかい人に囲まれた日々を描いています。
    いしいさんが周りの人たちを大切にしていること、周りの人たちに大切にされていることが伝わってきます。
    猫ちゃんのことは以前から知っていたにも関わらず、泣いてしまってしばらく先を読めませんでした。

    妻となった園子さんのお料理がとってもおいしそう!それに、三崎のお魚も。
    港町生まれの私、思わず猫化する。
    我が家のまぼろしの猫たち、いしい家に羨望のまなざし。

    『いしいしんじのキューバ日記』の内容も一緒に収録されていて、嬉しいです。

  • いしいしんじさんの作品を何点か読んでから
    読めばよかったなと思った。

  • 書店でタイトルに惹かれて買った本。
    いしいしんじさんという方も存じなかった。

    「アルプス」の文字が懐かしくて・・
    私の郷里は近くだから。

    これは電車の中とかで読むと危険(笑)
    思わず一人で噴き出してしまったりして、慌ててしまった。
    このご夫婦が楽しくていいな。
    晩御飯のメニューもびっくりしちゃう。
    我が家とは大違い(笑)

    いしいさん独特の表現がとても楽しいし、そして登場してくるお店が興味深い。
    信州訛りがまた懐かしくて、タイトルの(3)と言うのに気がついたのがかなりたってから。
    今度(1)と(2)も読まなくては。

    それにしてもお忙しい方で、松本から東京、三崎とどれだけ往復してることか、
    思わず交通費計算しようとしちゃったわ。
    三崎も懐かしい。
    行ったことはないけど、京急沿線にいるから・・
    そんなんで、なんとなくご縁を感じてしまった(笑)

    偶然にも明日(7月18日)から諏訪に行くので、松本のいしいさんが「宇宙一美味しいそば屋」という「田舎家」さんに行ってこようと思う。
    最後のほうにお店など住所、電話番号まで記してくれているのがいいわ~

  • まだ読み始めたばかりで、きっとのろのろつれづれに読む類の本だと思うのですが、読み始めた今の感じを忘れないうちに。

    私はいしいしんじを常々おそろしいお人だと思っている。
    長編を一冊とコラムをちょっと読んだだけだけど、この人の底知れなさに畏怖の念を感じるには十分だった。
    そして、私はいしいししんじに強い興味を持ちながら、そのすごさがなんなのか、まだわからない。
    それがわかるのに、まだ私の方で準備ができていないような気がするので手を出さないようにしていたのですが、本屋でちらっと見かけたこの本、あれ?アルプス?
    松本?

    ええー、いしいしんじ松本に住んでたんだ!!
    2005年から2006年、里山辺だって!
    うわあ!私もすぐ近くにいたよぎゃー。すれ違っていたりしたのかなあ~。
    そして、いしいしんじの文章を初めて読んだのもこのころ。

    この日記をよんでいると、松本の四季とか、空気とか、生活がそのまんまでうれしい。知っているお店や景色もちらほらノスタルジック。

  • 身体の隙間にするりと入ってくるような心地よい文章に、身体がひたひたと溶けそうになりつつ夢うつつの狭間を漂いました。ふらりゆらり。身体が溶けてしまったら心が剥き出しになって、ちょいと寂しい気持ちが刺激されそうになりましたが。いやはや。喜びと悲しみ、楽しみと苦しみ、それらがぎゅっと詰まって日々の生活が形成されているんですな。そして生きることは食べること、食べることは生きること。まぼろしの猫たちも踊っています。

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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