蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101079011

感想・レビュー・書評

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  • 蒲団
    複雑な心境がよく描写されており、読みやすい。結末の主人公の様子は気持ち悪いと言われることが多く、実際に読んで「ああこれか(笑)」と思ったが、その人間らしさがまた作品として味わい深い。

    重右衛門の最後
    不遇な重右衛門に深く同情した。八つ墓村と重ねてしまうところがあったのは私だけ?

    同じ自然主義の関連として島崎藤村、ゾラも読みたい。

  • 不器用な主人公と弟子の女。最後のシーンはエモいですね。

  • 蒲団は面白かった

  • メロディアスライブラリーというラジオ番組でアシスタントの藤丸さんが2011年の年間ベストに挙げていた本。「田山花袋の蒲団!!!」ととても力を込めていたのが耳に残っている。主人公の煮え切らなさや、最後の蒲団に顔をうずめるシーンなんかを笑い、突き放していたような印象があって、その影響もあって自分も時雄と距離をとっていた気がする。解説でも「今日の読者の笑いを誘うところ」とあって、そのとおりみたい。

    でも自分のグズな半生を振り返ると、時雄の煮え切らない感じはちょっと共感できる。女性からすると「きもーい(笑)」となるんだろうけど。

    蒲団の印象だけどラストシーンはびろうどの襟に顔を埋めて泣いたのね。「時雄はその蒲団を敷き、夜着をかけ、冷めたい汚れた天鵞絨の襟に顔を埋めて泣いた」

    『重右衛門の最後』の方が考えさせられたし、胸に響いた。後半は加速した。

    福田恆存の解説が面白かった。こんな手厳しい解説は初めて読んだ。「花袋そのひとは、ほとんど独創性も才能もないひとだったのでしょう。」とまで言っちゃう。文学史は全然知らないし、自然主義文学がどうとか私小説がどうとかわからないけど、いろんな意味で面白かった。

  • 女弟子に密かな劣情を抱く時雄。文明開化のうねりのなかで若き学生との恋に惑溺する女弟子。善良で不埒な時雄の懊悩を赤裸々につづった「蒲団」。
    閉鎖的な田舎村で起こった私刑を第三者的に見つめる「重右衛門の最後」。
    前者は、いまいち踏ん切りのつかない時雄にいらいらしつつ、いつ堰を切るのかとドキドキしていたけど、結局、中途半端に終わってしまった時雄が終始身悶えする姿に、なんだか善良さを脱しきれない人間にありがちな苦悩を感じ取れました。
    一方、後者は、ここ最近少し話題になっているインターネットによる私刑に通じるところがありまして、しみじみと思いを馳せながら読んでいました。

    それはそうと、褒めているんだか貶しているんだかよくわからない解説はなんなんですかね笑 こんな辛らつな解説には初めて出会いましたよ。

  • 「恋、恋、恋、今になってもこんな消極的な運命に漂わされているかと思うと、その身の意気地なしと運命のつたないことがひしひしと胸に迫った。」(p28)蒲団のみ読了。知り合いから勧められて、けども何だか難しそうで敬遠してた。まあ難しかったw 川上弘美の『センセイの鞄』を思い出した。あれとは違って、こっちは幾分童貞の妄想みたいで、ストーカーみたいな心情ばかり描かれてる気がする。何と言うか自分を見てるようで、いつの時代も変わらん人間がいるもんだなと思う。近代文学にしては楽しく読めた。

  • 中島京子「FUTON」とセットで。

  • 5月13日『花袋忌』この一冊

  • 読みにくいかと思いきや、そうでもなかった。時雄が酔っ払って引きずって行く蒲団と、最後の蒲団、白さがいやに生々しい。

  • 布団は変態を描いた作品として後世に語り継がれるべきものである。匂いフェチか。重右衛門の最後は覚えていない。

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著者プロフィール

1872年群馬県生まれ。小説家。『蒲団』『田舎教師』等、自然主義派の作品を発表。1930年没。

「2017年 『温泉天国 ごきげん文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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