石川啄木集 (下) (新潮文庫)

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著者 : 石川啄木
制作 : 古谷 綱武 
  • 新潮社 (1950年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101093024

石川啄木集 (下) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 知ってるようで知らなかった啄木。知ってしまって嫌いになった啄木。マザコンのぐうたら者

  • (2012.11.22読了)(2000.09.06購入)
    【11月のテーマ・[石川啄木を読む]その③】
    上巻と同様、詩、短歌、手紙、小説、雑文、等が収録されています。
    二葉亭四迷の全集の編纂に携わったり、朝日新聞の短歌蘭の選者の仕事をしたりしていることがわかります。生まれた男の子を二週間で、失った哀しい出来事もあったようです。
    生前に出版できたのは、詩集『あこがれ』と歌集『一握の砂』ですが、啄木は歌人や詩人になりたかったわけではないという事です。小説家になりたかったようです。この本に収められている「我等の一団と彼」は、60頁ほどの小説です。それなりの作品になってはいますが、人に読むことを勧められるような作品ではありません。
    上巻の「一握の砂」は、結構頬が緩んでしまうような作品が多かったのですが、「悲しき玩具」は、寂しくなる作品が多い印象です。
    上・下巻の作品と解説を読むことによって、石川啄木の全容がほぼわかるのではないでしょうか。解説で、金田一京助著「石川啄木」を推薦しています。ちょうど手元にあるので読んでみましょう。

    【目次】

    一利己主義者と友人との対話
    起きるな
    忘れがたき人人(一)
    歌のいろいろ
    老人
    忘れがたき人人(二)
    火星の芝居
    手套を脱ぐ時
    郁雨に与う
    無題(一)
    平信
    悲しき玩具
    二十五歳の手紙
    無題(二)
    二十六歳の手紙
    馬車の中
    死の年の手紙
    書斎の午後

    我等の一団と彼
    解説  古谷綱武
    後記  古谷綱武

    ●短歌(17頁)
    昔は何時の間にか五七五、七七と二行に書くことになっていたのを、明治になってから一本に書くことになった。今度はあれを壊すんだね。歌には一首一首各異なった調子があるはずだから、一首一首別なわけ方で何行かに書くことにするんだね。
    ●愛児の死(83頁)
    夜おそく
    つとめ先よりかへり来て
    今死にしてふ児を抱けるかな

    かなしくも
    夜明くるまでは残りゐぬ
    息きれし児の肌のぬくもり
    ●新しき明日(121頁)
    新しき明日の来るを信ずといふ
    自分の言葉に
    嘘はなけれど―
    ●梅(129頁)
    ひと晩に咲かせてみむと、
    梅の鉢を火に焙りしが、
    咲かざりしかな。
    ●捜し物(131頁)
    笑ふにも笑われざりき―
    長いこと捜したナイフの
    手の中にありしに。
    ●運命(139頁)
    運命の来て乗れるかと
     うたがひぬ―
    蒲団の重き夜半の寝覚めに。
    ●自己実現(231頁)
    僕は人間の一生はやはり自己の発現だと思うね。その外には意味がないと思うね
    ●啄木にとっての歌(279頁)
    僕の今の歌は殆ど全く日記を書く心持で作るのだ、日記も人によって上手下手があろう、しかし日記は上手下手によって価値の違うものではない、そうしてその価値は全くその日記の持ち主自身のほかには関係のないものだ

    ☆石川啄木さんの本(既読)
    「ROMAZI NIKKI」石川啄木著、岩波文庫、1977.09.16
    「あこがれ 石川啄木詩集」石川啄木著、角川文庫、1999.01.25
    「石川啄木集(上)」石川啄木著・古谷綱武編、新潮文庫、1950.05.10
    (2012年11月23日・記)

  • ・石川啄木「一利己主義者と友人の対話」(「石川啄木集 下」新潮文庫)読了

    

 一利己主義者も友人も、どちらも石川啄木の別人格。脳内対談であることは明白。
    
 それにしてもとにかく面白い。洒脱かつ諧謔に満ちている。が、通底する真摯な文学論を隠せない、隠さない。この情熱。


    
 小品なので、全文列挙したいところですが、印象的な部分だけ。



      「A まだまだ。日本は今三分の一まで来たところだよ。何もかも三分の一だ。 所謂古い言葉と今の口語と比べてみても解る。正確に違って来たのは、「なり」「なりけり」と「だ」「である」だけだ。それもまだまだ文章の上では併用されている。音文字が採用されて、それで現すに不便な言葉がみんな淘汰される時が来なくちゃ歌は死なない。

    

  B 気長い事を言うなあ。君は元来性急な男だったがなあ。



      A あまり性急だったお蔭で気長になったのだ。

 

      B 悟ったね。


     
 A 絶望したのだ。」



    

 青空文庫で無料で読めますので、お暇ならぜひ。

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