剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)

  • 52人登録
  • 3.83評価
    • (5)
    • (10)
    • (7)
    • (1)
    • (0)
  • 9レビュー
著者 : 立原正秋
  • 新潮社 (1971年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101095011

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
ヘルマン ヘッセ
三島 由紀夫
立原 正秋
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 決してこの本には救いなんていうものは
    存在しないと思っています。
    んなことないだろう、と思うことでしょう。

    いやいやいやいや。
    本当にないのです。
    読み終えたあとには、人の弱さ
    人の醜さという代物を
    いやというほど見せ付けられ、
    人間って…と思うことでしょう。
    そういう本なのです。

    比較的いい感じに見える
    「流鏑馬」という作品があります。
    夫の裏切りに別れを決意する女性が
    本当に愛する男の人と結ばれますが…

    その先はいえません。
    とっても救いがありません。
    でも、人生って、そういうものなのよね。

  • 暗い短編が揃うが、心の内面を打つ。とりわけ「剣ヶ崎」が良かった。2016.1.4

  • この短編集からは頽廃の気配を感じる。破滅とか自滅とか贖罪とか、そういったものに対して美しさを感じているのではないだろうか。私自身にそういう所があるからそう思ってしまうのかもしれないけど。

  • 直木賞を受賞した白い罌粟は 金融業者を踏み倒すことを

    仕事にしている男の話ですね

    この男の妻との関係についても奇妙で 妻の

    さみしい気持なども 話の 節々にでていて

    女性の気持ちを行動で 表すのが 上手な作家さんだなって

    思いましたね

    それから 数字の魔術にかかったように

    流暢に話す場面は 思わず 計算をしてしまうほど

    勢いが ある作品でしたね


    でも やっぱり 剣ヶ崎は 心がかき乱される感じがすごかったですね

    朝鮮と日本の 混血 に 悩む 兄弟の話なのですが

    混血といっても ハーフでは なく クォーターなんです


    だから 血は 限りなく 日本人に近いのではないかと

    わたしは 感じたのですが 彼らにとっては

    朝鮮 にも 日本にも どちらにも 受け入れられず

    自分たちの心も どちらの 精神も 持っている

    ここでは 兄が いとこの女性と恋に落ちるのですが・・・。

    わたしは やはり生まれの問題で 普通の恋愛はできず

    どうしても 血が濃くなっていく悲しい問題もあるのかなと

    感じました。ただ この恋も 混血問題で彼女の兄に

    大反対をされ・・・とても かなしい結末がまっています

    ものすごく せつない・・救いのない悲しい結末ですね

    しばらく 放心状態だったもん・・だけど

    こちらは 物語とはいえ 似たようなことは 多々あったんだろうと

    思うと 胸が 傷みます とても・・・

    今でも 人種差別 部落差別など 解決できていない 問題は

    たくさんありますよね。だんだん この問題に ついて 話すことが

    タブーのようになっていき わからないまま

    差別を繰り返してしまう世の中になってしまっているように

    思います。人種差別については 考えたことはありましたが

    混血問題については 全く 知らなかったので とても 勉強に

    なりました。男女が 愛し合って 生まれた愛する子供たち

    かれらは なにも わからないまま 大人になるにつれて

    差別と むかいあわなければ ならない

    とても つらい 問題ですね・・いまもあるからね・・

    なぜ なくらならないのかな・・差別


    わたしが もうひとつ これは純粋に素敵だとおもったのは

    薪能  ですね こちらの お話は 悲しく とても美しい

    いまは 没落してしまった 旧家 に 二人だけ生き残った

    いとこ同士の愛 のお話

    純愛では なく 女性は 人妻

    能をとおして とても 暗く悲しく でも 美しい

    そして 最後 この ふたりが 選んだ道は・・・・


    和製 ロミオ&ジュリエット みたいな 悲哀ですね


    この本の中で一番 わたしは 好きなお話

  • 83点。直木賞受賞作『白い罌粟』を含めた代表短編五編を収録。先日サウナで時間も忘れて読んでたら倒れそうになってしまった。短編は読み切りたくなるから注意。
    朝鮮半島出身の小説家だからか、アイデンティティや家系意識のような「血」に対する様々な思念が作品に共通しているように思う。また同時に日本の伝統文化、能のような伝統芸能、美学を厳しく重んじるのも出自ゆえ日本人としての理想を客観的視点に立って追い求めずにはいられなかったからなのかもしれないし、あるいは伝統芸能における厳然たる様式に自分の意識が自分の力の及ばない様式に律せられているという共通点を感じていたからかもしれない。
    内面的な様式美を重んじ、どこか趣のある雄大な筆致はそのあたりから形成されたのだろうか。
    直木賞だけでなく芥川賞の候補に挙がったこともある筆者の純文学と大衆文学を自由に行き来する幅の広さもいい。
    さらに男と女の恋愛話もラディカルかつエロティック。これが文学っというべきいい香り。

  • 本棚をあさっていたらいつ買ったかも覚えていない短編集を発見、からの、初・立原正秋。作品ごとに趣が異なる気がいたしますが、いづれも身体の芯にずしっとくる主題でございました。堪能。

  • 夫「一見読みづらいかと思ったけど、とても読みやすくてすらすら読んでしまったね。時代とその中で作者の置かれた立場をすごく反映してるんじゃないかな」
    妻「この短編集を通して読むと、そのキーワードが浮かび上がってくるよね。在日朝鮮人、祖父と孫、鎌倉、従兄弟。立原さん在日らしいけど、「剣ケ崎」では血みどろの在日の歴史を描いてるね。重かった」
    夫「作者は苦労されたんじゃないかな。どのお話もリアリティがあって話に引き込まれていってしまうね。特に「剣ケ崎」が俺は好き」
    妻「そうだね。私小説っぽい雰囲気だね。「白い罌粟」のアリ地獄も面白いよ。おかしいと思っても、深みにはまる。まさか実体験ではないだろうけど・・・」

  • 浦野所有。

    立原は独特の雄大な筆致に特徴があると聞いていたので、以前からとても楽しみにしていた作家の一人。実際、期待を裏切らない内容でした。

    5つの短編が収められていますが、個人的には「剣ケ崎(つるぎがさき)」がベスト。混血をテーマとした、かなり重い作品なんですけど、厳格かつ格調ある表現技法は独特のものだと感じました。

    「白い罌粟(けし)」は直木賞受賞作とあって、かなり読みやすいです。主人公が没落する様子が、人の心の危うい変化を通して見事に描出されていました。本当に、見事というほかないと思います。

  • 5つの作品の短編集。
    この作者の書く文章は、
    血(血縁等)を深く考えさせられる。

全9件中 1 - 9件を表示

剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

剣ケ崎・白い罌粟 (新潮文庫)はこんな本です

ツイートする