春の鐘 (上巻) (新潮文庫)

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著者 : 立原正秋
  • 新潮社 (1983年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101095158

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春の鐘 (上巻) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 1983年(単行本1978年)刊行。

     私が大学生の時、一時、立原作品に嵌り、色々読破した。
     本書もこの一つだが、どちらかといえば身近な奈良を舞台にしていたこともあり、親近感を持って読むことができた。情景描写は美しいし、なによりヒロインは楚々とした着物の似合う元人妻女性。
     古風な男好みの造形であるが、やっぱりきれいだな、と感じる。

  • 大学教授の職をなげうって、奈良にある佐保美術館の館長に就任した鳴海六平太が主人公。

    彼は、東京に残してきた妻の範子が、「セックスカウンセラー」の看板を掲げる医者と不倫していることを知ります。しかし彼は、子どもたちのことを考えて、仮面夫婦のまま、一人奈良での生活を続けます。そんなある日、彼は昔から付き合いのある陶工の娘の石本多恵と再会します。彼女は、酒屋の天野久一のもとに嫁いだものの、子どもに恵まれず離婚して、実家へ帰っていたのでした。鳴海はそんな多恵を、自分が館長を務める美術館で働かせることにします。

    鳴海と同じマンションに引っ越してきた多恵は、鳴海に奈良の名所旧跡を案内してもらううち、彼に言いがたい寂しさを感じてしだいに惹かれていき、やがて二人は男女の仲となります。しかし、一度は多恵を追い出した天野久一は、彼女と別れたことに未練があったのか、多恵の両親に復縁を願い出、さらには多恵のいる奈良まで押しかけてくることになります。

    一方、鳴海の妻の範子は、医者の勝森直樹や、妻と死に別れたという村田富雄という男と逢瀬を重ねますが、そんな関係が鳴海のみならず両親にも知られるところとなります。そうしたわずらわしさのためか、しだいに彼女の心に寒風が吹き込んでくるようになります。

    よくある不倫の物語と言えそうですが、奈良の名刹巡りなどの比較的詳しいエピソードが織り込まれていて、楽しんで読むことができました。

  • (上下巻を通じての感想です)
    古い日本のものが現代に息づいている、立原正秋ワールドを楽しめました。除夜の鐘を聴くシーンと、それに関連する和歌が良かったです。

  • さて今の若い人が立原 正秋さんをご存知かどうか。

    恋愛小説の名手、いまの渡辺淳一さんに似ています。

    立原正秋さんの著作のなかでわたしの一番のお気に入りです。主人公を奈良の美術館長、ヒロインを陶芸家の娘という設定で、陶芸美術の薀蓄が語られるという展開。とくに旧安宅コレクション(現東洋陶磁美術館)の名品への傾倒ぶりがよくわかります。国宝飛青磁 花生にふれるクダリに著者の趣味の良さがよく出ています。

  • 奈良などを舞台とした作品です。

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