おのぞみの結末 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098074

作品紹介・あらすじ

家事万能のロボットを手に入れたら…。世界平和をめざす秘密組織が実権を握ったら…。安逸と平穏をのぞみながら、退屈な日々にあきたらず、精神と肉体の新たな冒険を求める人間。超現代のなかでも、あいかわらず滑稽で愛すべき、人間らしい心の動きをスマートに描く11編。新鮮な発想、奇想天外なストーリーの展開、そして意外な結末は、あたかもアイディアを凝集した玉手箱。

感想・レビュー・書評

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  • 何年かぶりの星新一作品。

    近年、新型コロナやロシアのウクライナ侵攻など、以前の常識では考えられないことが現実世界で起きているせいか、初めて星さんの作品を読んだときほどの衝撃はなかった。
    むしろ、家事万能のロボットの話(「一年間」)や、同じ教団を信仰する人たちが偶然出会って犯罪に及ぶ話(「おのぞみの結末」)など、星さんの先を見越したようなストーリーにビックリ。あるいは、時代が星さんのアイデアに追いついてきたのかも?

  • 初めて星新一さんの本を読ませていただきました‼︎
    私は初めてみる星新一さんの挿絵が少し怖くてビクビクしながら読みましたがユーモアのあるお話ばかりで面白かったです!

  • ロボットも宇宙人もあんまりでないショートショート集。

    面白かった編
    ・「親しげな悪魔」
    嘘はつかないけど肝心なことを言ってない、ザ・悪魔の契約って感じ。でもこんなあからさまに理不尽な形でなくても、無から有は生まれない、誰かが奪えば誰かの手には入らないってことくらい、いい大人なら知ってる。(知ってるけど眼前に突き付けられると楽しめなくなるからある程度知らんぷりする。)そう考えるともう皆十分悪魔色に染まってるんじゃね?と思わせる所が一番のホラーかなあと思ってしまった。

    ・「空の死神」
    墜落する飛行機に乗り合わせたことはないけど、この一致団結した乗客らの「は?何言ってるのお前?」な視線は知っている。何だかんだ生きてる人間が一番怖いってやつで震えた。かわいそうなスッチーは一人で逃げればよかったのにと思うけど、極限状態で切り替えができるかどうかは人によるし多分自分もできないと思うので、運が悪かったなぁと悲しくなった。

    面白くなかった編
    ・「一年間」
    実際時代が動いているので仕方がないけど、星新一の仕事と夫婦関係の認識はドストライク昭和。今なら部外者に仕事の資料触らせるのもコンプラ違反だし、思い通りにならなくてひっぱたくとか一発退場だー。
    妻側からすると良い時代になったものじゃ、と思うものの、そうじゃねぇんだよ相手の理由をなぜ聞こうとしないんだ!というモヤモヤが消えなくて面白くなかった。

    総評
    ハズレが少なくて面白かった。このエグさとCMのような短さが毎度魅力だなあと思うけど、苦いオチが多いので口直しにほろっとした奴読んでバランスとりたくなる。

  • 中高時代に読んでいる筈だけど全然記憶に残ってなかった。
    自分の記憶では星作品はもっとオチが鮮烈だった印象があるのだが、今読み返してみるとそこまでじゃない。

    まあ、全作品読みやすくて面白いのは確かなので、Kindleでセールしているときを狙って買うのもあり。

  •  電車での短時間の移動のときに、めっちゃ満足感得られました。

     短くおもしろくお話をまとめてはるのが凄い。

  • 至高だなあやっぱ。

  •  星新一らしい短編集。短い中に奇想天外なストーリーが展開してどれも面白い。すぐにその世界観に入れるのがすごいと思う。タイトル通り後味が悪いものは無い。
     ただ、表題作は、大筋は面白いけど結末が読めてしまって残念だった。
     個人的に好きなのは、”ひとつの目標”と"要求"。この二つは全く別のストーリーだけど、セットの様に感じられる。前者はみんなで考え実現した善の世界で、後者はコントロールされた善の世界。
     あと、オリエンタル急行を少し思い出させる、”空の死神”も面白かった。
     40年前の作品だけど全く古臭さを感じ無い。

  • 2018/04/18
    やはり、どこをとっても、いつでも面白い

  • 結末が予測できない期待以上の超短編!
    という感じ。

  • 2017.9.16読了。ブクログのPCサイトをなんとなく眺めてた時だったと思う。談話室なるもので目当ての本を探すことができると知って、ふと小学生の頃に読んだ物語を思い出した。けど話の内容は覚えているもののタイトルも表紙も覚えていない。せっかくだから不特定多数の方々に問うてみようと思って思い出す限りの内容を入力して投稿してみた。正直夢の中の話だったんじゃないかと思うほど記憶は曖昧だったが、一週間くらいであっさりみつかった。親切な解答者さんからは星新一さんの『おのぞみの結末』の「一年間」ではないかとあった。表紙を見れば思い出すかと思ったがそんなことなかったので、中古本屋で運良く見つけたので読んでみた。「一年間」は一番最初に載っていた。まさしくこれだ。この話だ。探してみるもんだなぁ!挿絵もなんとなくだが見覚えがあるような気がした。けど不思議なことに「一年間」以外の話の内容は全く覚えていなかった。当時読んでいなかったのだろうか?まあ素直に楽しめたからいいとする。テレビか何かで見たのだろうか星新一さんの作品は金銭の単位や具体的な数字を登場させないことで、どの時代に読んでも違和感が無いように読めると聞いたことがあったがまさにその通りだった。話の内容はなるほどどれも「おのぞみの結末」だ。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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