マイ国家 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098081

感想・レビュー・書評

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  • 星新一の中でも 不気味かつ現実でも起こり得そうな作品が多かったように思える

  • 30年以上前の作品なのに、今読んでも全然古い感じがしない。ブラックユーモアが小気味良い。
    何気ない話だからこそ天才なのかも。

  • 通勤のお供の星新一。最近は、結末を予想したりもするが、大体裏切られる。宇宙モノもいいけど、日常モノもよかった一冊。あとがきも素晴らしかった。超爽やかな読後感だった。

  • 彼のショートショートの世界に入り込んでいくと、より鮮明に、彼の思考回路を見る事が出来るような気がします。
    彼の作品はどれもユーモアにあふれていますが、その一方で、物語の終局に差し掛かると、突然に黒い物が飛び出し、読者の背中をぞわりとさせます。また彼は、空想科学小説家ではありながら、奇妙な程現実的に感じられます。

    人間的な鈍臭い部分と、機械のような合理主義的な部分の両方が混在しているのです。特に「いいわけ幸兵衛」でそれが感じられました。
    「いいわけ幸兵衛」では、しがない会社員である主人公・幸兵衛が実に面白い虚構によって、様々な言い訳をします。まさにそれは一種の特筆すべき能力であり、それを見込んだ会社も幸兵衛を昇進させ、やがて経営が借金苦で火の車となった会社を彼に託します。資金繰りを巡り会社に飛びかかる金融会社を見事に“胡散臭い”言い訳で会社を救います。
    しかし、彼にとって言い訳が生き甲斐であり、それ以外に能力がなかったのです。彼は一生言い訳するに困らなくなった彼が最後、言うのです。

    ―彼にとって、過去は存在しなかったのと同じこといいわけの場にのぞまなければ何も思い出さず、思いつかないのだ。
    いや、何も考えていないと断言できない。心の底では、ひそかに期待しているのかもしれない。さらに金が集り、いいわけセンターが発足し、それが失敗に終り、烈火のごとくなって債権者たちが押し寄せるときのことを。その席上でいいわけをするときの、無上の興奮とたのしさを・・・・・・・。

    彼にとっては会社だとかそういう人生を有意義にするための要素なんてものは必要なかったのです。“いいわけ”と言うものは、社会的に重要視しようとはせずとも、実際にはとても重要であることは最早言うまでもありません。しかし、彼はそういったものを意識しなかった。彼の世界自体がいいわけでしかなかったのです。そこには会社だとか、金だとか、揉め事だとか、そういったものは見えていなかった―。
    そんな事を考えれば考えるほど泥のなかに沈んでいくような、何とも言えない感覚に襲われます

  • お友達のご紹介で読んでみた、星新一。
    これはいい。愉快。
    読書嫌いに、ショートショートのこの文章量はたいへんありがたい。
    けれど、短い中に、素敵に、上手く、かつ強烈に、秘められている毒、それがたまらない。
    このアイロニー、いいよ!! 大好き!

  • やっぱいいね。全集欲しい

  • 星新一さんの本をもっと読んでみたくなりました。
    古さをまったく感じない。

  • 友人から、同じく星新一さんの『ボッコちゃん』と共に勧められた作品。
    宇宙人や発明など、星新一さんらしいSFの話も魅力的だったが、個人的に一番のお気に入りは、『いいわけ幸兵衛』である。
    なんと、『いいわけ幸兵衛』の中にSF要素は一切登場しない。タイトルの通り、とにかく幸兵衛が巧みな話術で物事を切り抜けるだけのお話。聞き手も、読者である私も、デタラメな内容を聞かされていることはもちろん理解している。しかし、ストーリー性豊かで、非日常感溢れる「いいわけ」に、つい引き込まれてしまうのだ。

  • 思わずニヤリとしてしまう結末、今から50年以上前に出版されたとは思えないショートショートの数々。巻末で解説の方も書かれているがいい小説か悪い小説かは時間が選別してくれるとはまさに星新一先生のこととあらためて感じました。

  • 儀式
    安全な味
    服を着たゾウ
    マイ国家

    ありえない設定なのにハッとさせられる星新一ワールド最高でした。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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