にぎやかな部屋 (新潮文庫)

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著者 : 星新一
  • 新潮社 (1980年1月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098203

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にぎやかな部屋 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 高利貸しの主人、占い師の夫人、一人娘の3人が住む
    マンションの一室の中で繰り広げられる星さんの戯曲。

    家族3人に客のふりをして訪れた相談者、詐欺師、強盗、それぞれ
    一人一人の背後についている白およびブルーの濃淡の霊魂。

    バラバラでまとまりのない家の中で陽気で勝手な人々。
    辛い、悲しい、退屈と嘆きをつぶやきながら
    人間にぴったりと付き添う新入り、ベテラン、とり揃った霊たち。

    死んで愛を実らせる人、死後の世界に絶望を感じ、
    死んでなお死にたいとぼやく老人。
    手を奇妙にふりふり「信仰なさい」と説く婦人。
    登場人物が増えるたび、今度はどんな霊が!と楽しみになる。

    生者は未来を知りたがり、現世を永遠のごとき永き時間をかけて
    眺めてきた死者は、今この瞬間を楽しむ。
    死者は現実の世界に手を出すことはできないけれど、
    とばっちりもくうことがない。決定的な傍観者。

    死後の世界があると説いた宗教たちが崩れ、
    限りある命と知った後には信賞必罰のルールはぼやけ、
    正義は目減りした。

    目に見えないものを大切にし、枠なき場所に生きる"生"無き者と、
    目に見えるものだけを大切にし、枠に囚われて生きる"生"ある者。

    "吉ですけれど、ご用心
    凶ですけれど、希望あり。"

    ものは言い用、キモチも待ち方次第。
    裏返してみてはじめて表の良さが分かる。

    会話の1つ1つが欲にまみれて生きゆく心理をつき想像を誘発させられる。
    人間の心理を弄ぶかのように、それぞれの物事を巧みに扱い
    相反するすべてがユーモラスにお話全体に散りばめられ見事に構成され
    完結されていて感動した。

    生と死の境界線。
    真鍋博さんの挿絵がより柔軟にパラレルで楽しい世界を
    想像させ、脳内に構築してくれる。
    終始相反する視点が面白い。

  • 星新一作品唯一の“レーゼドラマ(戯曲風小説)”。
    マンションの一室。住んでいるのは高利貸しの亭主と占い師の夫人、そして一人娘。
    そこに金目当ての妙な男たちがやって来て、大騒動が持ち上がる。
    さらに、死後に人間にとりついてその出来事を皮肉に見守る霊魂たちもからんで……。
    詐欺師、強盗、霊魂たち――人間界と別次元が交錯する、軽妙なコメディー。

    霊魂の存在システムがシニカルで星新一さんの作品らしく面白かった。

    霊魂になると無限の時を過ごさなければならない。
    だからベテランの霊魂は暇つぶしのために変った人間にとりつきたいと願う。
    戦争や伝染病などでとりつく人間がいなくなると、霊魂は“消滅”を選択することができる。
    しかし今は人間の数が増え続けているので霊魂は当分消滅できないことに悲観している。
    新人の霊魂が尋ねる。
    「消滅後も霊魂みたいな世界ってあるんですかね?」
    「悪い冗談はよしてくれ。それこそ無限地獄じゃないか。」


    少子高齢化で人口減少傾向の末来は霊魂にとっては救いなのですな。。。

    場面転換で演者が観客に語り掛けたりと、とても昭和らしい戯曲廻し。
    これくらいベタで親切な展開も 今また ありかも。

  • 星新一の世界がこの本の中に!

  • 人間にとりついている死者同士のやりとりがとてもユーモラスです。

  • 星新一らしい作品。
    気楽に読める。

  • 星新一本を何冊か借りて読んでたら「あれ、この話長くね?」→戯曲とのこと。
    台本のような書き方が読みやすいか否かは好みによるかもしれませんが、展開をイメージしやすいのでこれはこれで、という感じ。
    この作品では珍しく固有の名前を持った登場人物が混じっているけども、部屋の持ち主の夫婦の仕事ぶりなどは星新一っぽいなあと思わされる。
    生者と死者、重なるようで違う世界が同じ部屋の中で共存してるのが面白い、かなー。

  • 題のつけかたがうまい。

  • 戯曲っぽくて読みやすいなあ、舞台にしたらこんな感じだろうなあ、楽しいなあ、
    と思いながら読み進めたら、あとがきで本当に戯曲だったと判明。

    簡潔に核心を突いているストーリーが爽快。

    文章を追いながら、頭の中で展開される舞台が軽快コミカルで素直に楽しかった。

  • 久しぶりに読んだ、星新一作品。

    読みやすくて、場面の状況がすぐにわかるから作品に入り込めます( ´ ▽ ` )


    戯曲ということなので、いつかこの作品の舞台を観て観たい☆

  • 「にぎやかな部屋」3

    著者 星新一
    出版 新潮社

    p133より引用
    “あるのは偶然だけ。偶然とその結果だけ。
    それを各人が自己の好みで蒐集し、
    勝手な理屈をつけて人生観としてるだけさ。”

    ショートショートの代名詞ともいえる著者による、
    とある人生相談所にておこる出来事を描いた戯曲。
    生きた人間一人一人にとりついた霊達が、
    霊ならではと言える考えを話し合いながら楽しく進行します。

    上記の引用は、
    登場人物にとりついた霊の中の一人の意見。
    結局人は、
    自分に都合の良い考えだけ取り入れやすい、
    ということでしょうか。
    多少の偏屈さは人間らしさにつながるかもしれませんが、
    あまりにも偏ると自分も周りも困ってしまいそうです。
    ほどほどの所で上手くバランスを取れるように、
    気をつけたいと思います。

    ーーーーー

  • 好き!おもしろい!霊魂がおもしろいんだマジでガチで〜。

  • タイトルがとても好きだった記憶が

  • 金貸しと占い師の夫婦が住む部屋で起こる騒動と、それを傍観する霊魂達の話。

    テンポ良く展開する人間達の騒乱と、それをただ傍観する霊魂との関係が面白い。

    霊魂達が現世を傍観しながら延々と漂っているという点もだが、霊魂が人間に干渉しようとせず、ただ人間達の騒ぎを見たいと思っている点が特に面白かった。

  • 星新一の書いた唯一の戯曲。テンポよく読めるコメディなので、新幹線の移動中の読書などに最適。

  • めずらしく、長編。

  • アメリカ風スラップスティックコメディを星新一が書くとは思わなかった。幽霊まで出てくるのがこの作者らしい。

  • うーん…………いまいち乗れず。
    ショートショートの代名詞ともいうべき著者、という先入観が良くなかったのかしら。ショートショートでええやん、と思ってしまったのよね←

  • 久しぶりに読んだ星新一。
    コミカルで読みやすい。でもちゃんと毒もあり。

    でも、うーん。おもしろいけどあまり印象には残らなかったなあ。
    やっぱりショートショートだな。

  • 高利貸しを営む夫と占い師の妻、その娘・ウサコ、そして3人に取りつく霊魂たち。心中した恋人たちの霊魂と死んだばかりの会社社長の霊魂。夫婦に相談に来る人々とそれぞれに取りつく霊魂たちの会話。

     2011年5月15日読了

  • 1.著者の珍しい戯曲。
    2.人に霊が取り憑いている。
    3.人には見えない。
    4.なにもできない。
    5.互いに会話を交わすだけ。
    6.人の行動を見てたのしんでいる。
    7.舞台は、夫が金貸し、妻が占い師をやっている夫婦の応接室。
    8.さまざまな相談者。
    9.彼らに憑いている霊。
    10.部屋はいつもにぎやか。

    わるくはないがすごくおもしろいというほどでもない。
    ショートショートのほうが吉。

  • (メモ:中等部2年のときに読了。)

  •  短編集だとばかり…

  • 戯曲として書かれたというだけあって、台本のようです。
    会話が多いので、読みやすいです。
    説明的な会話も多いですが、台本ということなら仕方がないです。

  • 大昔に読んだので細かいことは忘れた

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