ありふれた手法 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098432

作品紹介・あらすじ

気が弱く、口べたで、ぱっとしない中年の男。ひとりバーで飲んでいた、この男に声をかけてきたのは、アワン開発サービスというよろず相談所の青年だった。この青年が男に提案した、かくされた能力を引き出すための計画。それはよくある、ありふれた手法のものだったが…。ユニークな発想が縦横無尽にかけめぐる、さわやかにして強烈なパンチのショートショート30編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • もはや無意識に近い形で買っていた一冊。星新一作品の中毒性はやっぱりすごくて、いくつ読んでも飽きないし、もっと読んで身体に馴染ませたいくらい。本書で印象的だったのはレラン王とありふれた手法。レラン王は、自分の住んでいる世界を疑いたくなるようなスケール感、巨視感がすごい。ありふれた手法は、よくありそうな話だけど、やっぱり自信と思い込みの大切さは騙されてでも持っていた方がいいときもあるなあと思った。引き続き、星新一作品にはお世話になりたい。

  • 「決断」と「現象」が好み

  • 宇宙人やSFは少なめで、落語や民話を想起されるものが多い「おのぞみの結末」パターン。後期作のためか、めずらしく著者本人のあとがきがある。自らの着想・執筆について語ったもので、本編に負けず劣らず興味深い。

  • 中学生のころから、星新一に始まり、小松左京、筒井康隆、豊川有恒など、当時SFがブームで、次々に文庫本が出るのを読みまくった。今もそうなんだろうが、当時は出版社がこれという作家の作品を、鍋の底をさらえるようにして文庫化するというのを、しょっちゅうやっていた。横溝正史とか、森村誠一とか。

    しかし、さっすがに40年も経てば、星新一もほとんどというか、作品自体の内容などまったく記憶に残っていない。有名な、ぼっこちゃんくらいか。あらすじを覚えているのは。

    新作気分で読めるからいいんだけど。星新一の作品は、時世の描写がないので、いつの時代のものか、という時間感覚がずれることもないし。

    一つ一つの作品それぞれ、淡々としている。そこがいいんだと思う。ふーん、と、ふん、の中間。ちょっとだけ、にやり。さわやかに読み終えた。

  • 20160807
    久々の星新一さんでした。時々すごく読みたくなりますね。
    小学校の頃は図書館にある星新一さんの短編を片っ端から読んでたような覚えがあります。あの頃読んだやつをもう一度読みたいけれど、どのショートショートだったのか今となっては覚えておらず残念です。
    国語の教科書に星新一さんの短編があったのを覚えています。大きな穴が出てくる短編でした。題名は忘れてしまったのですが…。

  • 有名な何をしてもダメな男の話”すてる神”。

  • 久しぶりに読んだショートショート。
    気軽に読めそうで、背筋がぞくっと来る部分もあり、読み始めると背がピンとなることもあり。
    長編小説もいいけど、たまにはこういうのも読んで幅を広げなくては。

  • 失笑、関心、そして悍ましい恐怖。
    そういったものの、フォーマットを星新一は構築した。
    ショートショートとは、かくも魅力的なジャンルなのだろうか。

    この本で一番おもしろいのは、著者自身による「あとがき」かも知れない。
    語弊があっては困るので補足しよう。
    文章を書く者にとって、「最も興味深いだろう」ということ。
    異質なアイディアの出し方と、話の作り方に言及しているからだ。
    これは極めて貴重だし、是非参考にしたい。

    そして氏は、ショートショートを書くのは民話に似ていると書いている。
    詳細は割愛するが、私も似た様なことを考えたことがある。
    現代の民間伝承ともいえる、都市伝説とショートショートの奇妙さ。
    そういう部分で共感するから、私は星新一の作品を選ぶのだろう。

  • 急に優しくなってしまう人達の話が印象的だった。

  • 読了日 2015/2/23

    ショートショートの旅。
    なかなか面白かった。おちもわかりよいのが多かったな。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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