つねならぬ話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 814
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098470

作品紹介・あらすじ

海の下の、奥の奥で眠っている神の夢。大地をうごめき、すべてを食い尽くす不快なブガン。アステカの怪しげな薬草に酔って義経がみる昔日の幻。満月の夜にとらえた人魚を食べてしまった男たちのゆくえ-。天地の創造、人類の誕生など語りつがれてきた物語が、いま奇抜な着想で生れかわる。あなたを空想の小宇宙へ誘う、幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド。

感想・レビュー・書評

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  • 空間に<字>がバラバラと浮かんでいる。

    壷    緑   
      川  
          雪   鳥


        海 竹     鏡

    星さんは
    カメカメ波を打つように(イメージ)
    波動を集めて、<字>を狙う。

    哀れな字達は、
    たちまち粉々。
    細分化された粒子達は
    記憶のなかのテーマに沿って
    再び集結しようと動き出すのだが、
    結局元には戻れず。

    星さんは
    (しめしめ)とばかりに
    すでに<字>ではなく
    <物語>と化してしまった彼らの
    ぼやきに耳を傾ける。

    <字>を破壊しているのか?
    と、誤解していたが
    どうやら逆に
    星さんは彼らに命を吹き込んでいた様だ。

  • 誰かの解説を読んだあとで再読したい。

  • 僕は正直どの作品も好きではなかった。ほんとに表題通りつねならぬ話

  • ショートショート。これまでも幾冊か読んだが、何が言いたいのかわからないのもときどきある。今回は頻繁にあった。「壺」が良かった。2018.5.3

  • 不思議な感じで最後まで読みました。

  • ほかの本のようにショートショート的なおもしろさ(どんでん返しとか)はないけれど、あとがきにあるように、これは何ものかが星新一に乗り移って彼の体を通じて書かせたものなのだからしょうがない。いまいち何が言いたかったのかわからない話がまじっていたとしてもしょうがない。それでもおもしろいんだからしょうがない。

  • 星新一さんの本の中で一番難しかったように思います。ショートショートもまたまたその中でもショートなお話ばかりです。宇宙人や空飛ぶ円盤が出てくるのは時代なのでしょう。
    でも、まちのいたるところに監視カメラが設置され、見張られているような気のする現在の様子を見事に言い当てていると思います。

  • 読了日 2015/2/19

    星新一制覇の旅。
    こりゃ全然オチわからんシリーズ。

    夢20夜が好みかな。

  • 『常ねらぬ話』

    星さんの世界の常ならぬ話たち。想像性フィクション。神様って居るのかな。まだまだ人間は何かを創造していける。未来を或いは過去を創造していくパワーをまだ私は感じる事ができる。

  • ・レンタルにて。
    ・20夜シリーズが好き。

  • 通勤のお供に。いつもとは違って、SFっぽくないお話が集まっています。いかにもSFというのではなく、一見民話伝承風なお話です。「はじまりの物語」は色んなパターンの創造神話みたいで、知的好奇心が久しぶりに揺さぶられました。「夢20夜」は、どうしてもオチを期待しちゃう私にはあまり合わなかったです。いやオチてるんですけど、あからさまではない感じです。そういうのも星先生の良さの一つなのでしょうけどね。落ち着いて読めた一冊でした。

  • いろんな世界があって一度に読みきるのはもったいなかったなー

  • 夢物語

    予想外の一冊。
    ショートショートではあるが、伏線やオチが私には分かりづらかった。
    最初の創生神話は神話と考えればまだ納得できるが、夢二十夜は・・・オチ無いんじゃなかろうか。
    本当に夢の内容をそのまま書き記したような、荒唐無稽で納得しがたい理屈ばかり(そのあたりも夢っぽい)。
    あとがきで、創作の神様が降りてきてガーッと書き上げた、と書かれてるが、まさにその通り。
    いつもの正統派ショートショートとは違う味わいだった。

  • 「つねならぬ話」4

    著者 星新一
    出版 新潮社

    p52より引用
    “「物語作者にたのみ、いい話に仕上げさせましょう。
    われわれ貴族は、文化を育てなくては」”

     ショートショートの代名詞とも言える著者による、
    お伽話短篇集。
     創作神話から昔話風味のお話まで、
    くすりと面白くピリリと辛い短編が盛り沢山です。

     上記の引用は、
    ある一話の中で源義経が生死不明になり、
    それを偲ぶ恋人・静御前を見ての貴族の一言。
    現代的に訳したならば、
    ビッグビジネスの臭いがすると言った所でしょうか。
    こうして歴史が作られるという部分も、
    結構あるのかもしれませんねぇ。
     義経=ジンギスカン説は良く聞いた話ですが、
    この話ではまた別のルートや経緯が描かれており、
    とても面白い説だと思いました。

    ーーーーー

  • さらっと書いてあるけれど、ぐぬぬってなるものが多い…

  • 読み出した瞬間からなんて読みやすい文章なんだろうと感激。
    とても歯切れがいいのと一文一文が短いことが原因だと思う。体言止めも多用されている。

    そして、登場人物が冷静で客観的に描かれている。なんともあっさりとすごいことを言ったりやったりする。星新一ってこういう描き方をする人なんだろうか。なんだか恐ろしさを含んだ冷たさを皆が持っている。

    人間の恐ろしさ、不気味さ、不思議さ。奇妙な物事はどこにでも起こりうる。語り継がれてきた伝承はある意味では真実とも言えるのだと、そう思い知らされる。

    (20110815)

  • 民話、神話、伝承、歴史、
    …のようなものを集めた
    …ような感じのするショートショート集。

    前半は、何だか不可思議な、色々な世界の始まり伝承について。
    これがまた「想像に任せる」とか「当然である」とかいつも以上に軽妙な語り口やら、当たり前のように犬猫からカンガルーへと進化することを説明してしまったりするのだから「シュール」、そして「ブラック」。

    いつも通り読みやすく、何だか目が離せない作品でした。
    ただ、他の作品のような「ほうなるほど」はあまり無い。

  • ショートショート52編と、ページ数にしては読み応えがありました。空想好きには、たまらないと思います。

  • 星新一の作品はいつも考えさせられるものばかりだが、この作品もとても感心するものだった。この本はつねならぬ話ばかりが集められていて、だんだん読み進めていくにつれて、どの話も最後がとても考えつかないと思うような終わり方だった。さらにたくさんの話が入っていて、どの話を読んでいても飽きないし、私みたいなあまり本を読まないものでも、読みやすいようになっていた。いつ読んでも飽きないし、このような発想ができるのはすごいことだと感心した。

  • 5つのシリーズ、全52話収録。
    神話や昔話風に語られたSF風と少し違ったテイストの話。
    30行以内の物が多く、極限までそぎ落とされた物語の構成に舌を巻く。
    夢20夜のシリーズが特に好きだった。
    最終話によると、最後のシリーズは3時間半で書かれたらしく更に驚愕。

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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