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- Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104119
感想・レビュー・書評
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まさに社会派小説!であると同時に、山崎豊子さんの、膨大な取材・調査をひとつの小説にまとめあげる力、というか才能に思いっきり下を巻かせられます。個人的にはやはり完全学究肌の里見助教授の生き方に共感を覚え、第一部(5巻セットの文庫本では第3巻の終わり)を本当に悲しく読んだものです。「名作は色褪せない」の言葉通り、40年前の小説とは思えない瑞々しさです。
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続編があるなんてしらなかった。むしろ私は本編の終わり方でも納得したから。他の著書にも人間ドラマの醜さ、生々しさとはこういうものなんだよと飲み込まざるを得ない結末になってるものが多いのだ。でも著者は社会的責任のある結末をという批判に応えて執筆されたらしい。かわらず財前と里見、控訴人と非控訴人の対比がものすごい綿密な専門知識で描かれていて、ただただすごい。それにしても、「華麗なる一族」でも描かれていたが、財前の最期を前にした人間としての医者の姿と弱さと、人は死というものをここまで目前にしなければ自分の愚かさに気づかないものなのか。