二つの祖国 上巻 (新潮文庫 や 5-19)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (563ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104195

感想・レビュー・書評

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  • 覚悟はしていたが、重い。
    上下巻続けて読むには非常に体力を要するね。。。

    二つの祖国をもつ人々は、共に両方の祖国から疎まれて生きてきた事実。

    紛れもなく“祖国”であるはずの国家からの信頼を得るためにと、血の証しを立てねばならなかった人々。そこに散らされてゆく生命。。。

    血を分けた肉親でありながら、歴史の運命に弄ばれて敵味方に別れざるを得ない家族。。。

    重い。重すぎる。

    戦の結末は歴史が証明しているのを考えると、登場人物たちの未来には、どう考えても一抹の光明さえ見出だせそうにない。。。。。

    下巻は、そうとうな覚悟をもって読まねばっ。

    ★4つ、8ポイント。
    2017.02.17.図。

    ※主人公の妻が、嫌なヤツすぎる。
    ……育った環境のお国柄の違いによる不可抗力でもあるのだろうが。

    ※友(“親友”未満)の元妻との、淡く切ない、自覚すらできていない程にかすかな恋心が、やるせない。

    ……山崎さんなら、安易に結ばれさせたりはしないだろう(「白い巨搭」で証明?)と思われる点が、、、、、
    不倫愛の肯定に嫌悪感を感じる自分にとって、安堵できるような、逆により切なくなるような、、、。

  • 強制収容から始まる日系アメリカ人の太平洋戦争。

    差別され、虐げられ、利用され。

  • 大学入試の赤本に問題の関連本として載ってた作品。

    上下に分かれてる版を読んだんだけど、上下がセットになってる本しか登録できなくて、上だけ読み終わったからここに感想書く。

    色んな立場の人が出てくるけど、それぞれの背景があってみんな自分の信念を貫いて生きてるから誰も悪いと言えなくてそこが読んでてすごく辛い。特に帰米二世は日本にもアメリカにも居場所がなくて、アメリカ国籍であっても見た目が日本人だからバカにされ、日本に行ってもスパイだと疑われて苦しかっただろうなって。主人公賢治と弟の忠が戦場で出会ってしまい、賢治が間違えて忠を撃ってしまうシーンが悲しい。

  • 最近テレビドラマ化されていたポスターを見て再読、ドラマ化もこういう契機にはなりますよね。
    ともかく、★評価は読了後ですが、長い、正直申しまして。色んな事を書き込みたい気持ちは良く分かりますが、それが正しい選択か否かはまた別の話、という感を受けますな。
    題材は重いものだし、考えさせるものなんですが、若干主張が濃すぎるかもしれませんね、現在の当方の置かれている読書環境からは。
    色んなことを考えさせてはくれます、確かに。

  • 1巻目なので、物語に対しての詳しい感想は書かないが、濃厚な物語に圧倒される。
    第二次世界大戦の当時、日系人が強制収用されていたことは知っていたが、詳しいことはわかっていなかった。アメリカ国籍を持つ二世が、いったい、なぜ、差別され、排除されなければならなかったのか。その不公平に対しての不条理、理解できなさを、どこにぶつければ良いのか、一世も二世たちも憤懣やるかたなかったことと思う。
    自ら志願してアメリカ兵として戦場に赴くことも、そのアメリカ人としての証明と自身のアイデンティティを求めてのことだったのだろう。

  • いきなり砂埃を浴びせられるようなすごい描写。父と兄、弟のきしむ関係の音が聞こえるようだ。ラストの勇にとにかく涙。442部隊が観たくなる。

  • 私の時代で記憶がある限りでは、日系アメリカ人のアメリカでの迫害について、収容所の中で何が行われていたのか、まさか同じアメリカ人でも日系人というだけでこのような迫害を受けていたとは歴史の授業の中で習わなかった。日本史では、いつだって日本側で起こった歴史のみにフォーカスしていてこういったアメリカ側の日本人についてはいつも置き去りにされているように感じていた。
    今、上巻で始まってどんどん彼らの中で何が行われていたのか、日系の中の右翼左翼、一世や二世、そして日本で教育されたものとアメリカで教育された者の考え方の違いから彼らの中でも論争や暴動などが行われてきたことなどが読み進めることで明るみになってきたところ。
    ナショナリズム、ナショナリティとは何か。今の日本がこれからの未来でかかわっていく問題。アメリカのような多人種国家になっていく中で、肌の色、宗教、人種の違いはあれど、その国で生まれ育っていくというのはその国のナショナリズムを持つことである。人種の違いなどで色眼鏡で見る時代はもう終わり。

  • 天羽健二、忠の兄弟が敵味方に分かれてしまった。

  • 下巻でレビューを書きます

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

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