沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.01
  • (922)
  • (797)
  • (758)
  • (48)
  • (12)
本棚登録 : 6819
感想 : 593
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104263

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 5巻にて感想。

  •  以前、アマゾンのPrime Videoで無料で見れていたが、いつの間にか有料になっていた。
     エピソード1の途中まで見ていたが、有料なので見るのをやめた。
     Prime Videoの「沈まぬ太陽」は本書の内容とほぼ同じだった。
     本書を読み終わって、恩地元への報復人事の酷さに、思わず「ひどいなあ」と呟いてしまった。
     現在では、コンプライアンスの面から、考えられないことが昭和の時代には普通に起こっていた。
     「報復人事」という言葉が普通にまかり通っていた時代に、恩地元の生き様は不器用ではあるが、信念を通す生き方に感動を覚える。

     国民航空本社では、飛行機事故が起き、事故隠しを行い、果ては美談にすり替えるという操作が行われていた。
     恩地は、この事を組合委員長の沢泉からの航空便で知らされた。
     アフリカ篇(上巻)はカラチの劣悪な環境に耐え、2年の任期を終え、日本に帰れると思っていた恩地が、今度はテヘランへ飛ばされる、報復人事で終わる。

     アフリカ篇(下巻)は報復人事による、さらなる苦難が恩地を待ち受けている。
     物語とはいえ、事実を題材にした内容に、憤りを覚えつつ、下巻へ。

  • 報復人事かぁ…昭和の時代にはまかり通っていたことなのか。令和の時代にもあるのか。
    実直に自分の職務に向き合っただけなのに、上司に睨まれ僻地に左遷。こんな会社は許せないとは思うが、どうしてもっとうまく立ち回れないのかとイライラもする。自分の信念に正直すぎて、エリートコースから脱落し、家族にも迷惑をかける…昭和の男の価値観は複雑だ。

    アフリカの夕日の雄々しさ、自然の荒涼感、野生動物の躍動感の描写は素晴らしく、オレンジ色に染まった景色と黒く染まったキリンのシルエットが、まさに眼前に広がりました。

    2巻が楽しみだ。

  • 一巻ということで恩地は辛い目ばかり。
    自分がもっと若い頃ならば、この恩地に共感して憤っていたかもしれないですが、この年で読むと、なぜもっとうまく立ち回れないんだろう、結局周りの人まで不幸にしているじゃないかと、感情移入できません。恩地の最後の最後まで詰めてしまうところ、欠点だと思います。

  • 大手航空会社に勤務するオンチ君が主人公で、「善人」のモデルとなっています。全5巻にわたって、善をまっとうすることが1つのテーマであり、テーゼになっています。オンチ君の反対のモデルがギョウテン君で、企業・社会を上手く生きていくために、正義を見てみぬふりをしたり、不正を行ったりします。こちらが大勢だったりもします。

  • 面白いの始まり

  • 恩地元の生き方に励まされる。山﨑豊子さんの緻密な取材に基づいた日航機墜落をベースに作られた作品。何度も何度も読み返す名作。日曜劇場での渡辺謙がハマり役だった。

  • 長編は苦手なのですが、ノンフィクションに近い内容で読み応え凄く、あっという間に読破してしまいました。

  • 大卒後に、旦那さんの社員研修終わったら結婚な流れの時に事故ってしまい(←)入院してた時に、夜な夜なこっそり病院の外来待合いスペースで読んでた本(←←)を再読。

    全5巻あるけど、3巻がちょっと他人事ではなくて、軽くトラウマになってるのになぜか暗唱できる位覚えてる故に、他巻はあまり記憶になかったけど、読み返してみる…とこの話、凄いな……

    社畜である事が幸せ。嫁は感情出さずに夫に従う良妻賢母が当たり前な時代

    なぜだろ…?

    …なんか羨ましい…変な感情σ(^_^;)


    関係ないけど、あの時にカップラーメンカレーチーズ味をくれた整形外科仲間のおじちゃんありがと〜

  • 再読。

    やっぱり山崎豊子は面白いなあ。読んでてうきうきする。
    とは言っても内容は不当人事による海外僻地へのたらい回し。今の世の中でこんな会社があったら叩かれるけど、この時代ではあってもおかしくなかったのかな。それにしてもひどい。

    アフリカの描写がとても好き。情景が目に浮かぶよう。大草原、野生動物、アフリカに行ってみたくなる。装丁も好き。

著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

山崎豊子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×