沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104270

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    時代の問題もあるだろうが・・・
    俺には単純に恩地が馬鹿マジメで不器用なだけなのではないか、と思った。
    そしてそれを会社のせいにして、自分は会社の上層部を憎んでいる・・・そんなイメージ。
    能力が高いのはとてもよく分かるが、融通がきかない人間はそりゃ干されるよと言いたくなる。
    そしてその自分の不幸さを家庭に持ち込んでしまっていたら、そりゃ元も子もないわ。

    何はともあれ、ようやく日本に帰る事が出来てよかった。
    しかし、既に3巻も途中まで読んでいる自分としては、日本で更なる不幸が待ち受けている恩地が可哀相でならない・・・

    というか、暗すぎるわこの本!!!!
    たまにはHAPPYな要素も盛り込んでくれよ・・・
    この本を読んだらJALの内定辞退者が続出しそうだな。笑


    【あらすじ】
    パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。
    イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。
    会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。

    共に闘った同期の友の裏切り。
    そして、家族との別離――。
    焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめていく。

    そんな折、国民航空の旅客機が連続事故を起こす……。


    【引用】p84
    昔から、ペルシア商人とスムーズにビジネスが出来れば、世界のどこででもやっていけると言われている。
    要は彼らは砂漠の民なんだ。
    一度の出会いで物事が決まり、二度と出会わないから、相手を倒すか、倒されるか、死力を尽くす。
    それがペルシア商人のルーツなんだ。


    p126
    本社人事部長の清水
    6年半前、自分が予算室長であった時、支店勤務から本社予算室へ抜擢した人物が恩地であった。
    清水は、組合の委員長になるのなら取らなかったのにと思いつつも、前委員長の八馬に一方的に推薦され押し付けられた事情を考慮し見守ってきた。

    組合活動をやらなければ、おそらく同期のトップをきって、今頃は予算室の課長になり、将来を嘱望される1人であったであろう。


    p213
    会社が、ナイロビへ放り出した恩地を、立往生させ、金で締め上げて、根を上げるのを待っている事が露骨に読み取れた。


    p248
    アフリカの女王
    「人間が人間を差別する不条理…私はそれ以来、アフリカの部族に対して決して差別意識を持たない事を、心に固く誓ったのです。」


    p362
    ・ハインリヒの法則
    一つの事故が発生した場合、その背景にはインシデント(事件)には至らなかった300のイレギュラティ(異常)があり、さらにその陰には、数千に達する不安全行動と不安全状態が存在する。

    我が社のように事故が続発する場合、日常的に不安全状態が多数存在するものでは?

  • 幾度と無く会社に裏切られながらも、ある時ある時、恩地に寄り添ってくれる上司や仲間が登場した時の安堵感は大きい。でもそんな人達に限って早く恩地から離れてしまう。

    家族との離れる時間の長さの影響は計り知れない。
    それでも乗り越えて行く恩地を応援しながら読み進めて行くばかりだった。

  • 2册目もまだ見えて来ない感じが・・・。

  • 大作な分、なかなか話が進まないというもどかしさも。日本で頑張っている仲間のためにも…と事あるごとに言っているが、同じ理屈で家族のことは考えないのだろうか。どうしてもそこが引っ掛かってしまって、恩地を全面的に応援できない自分がいる。(会社側もヒドいと思うけど。)時代の違いかな。

  • 信じられないくらい不条理だったけど、
    1人の社員のために組合員がこれだけ動いたり、
    大企業の一社員が社長にアポなしで会いに行くのよ信じられなかった。


    組合員離れが進んでいると新聞で読んだのだけど、
    「個」が強くなっていく社会で
    組合にかわるつながるものってなんなんだろ。

    本に書いてあるような組合の考え方っておそらく現代では受け入れられないところもあるだろうし、、、、
    資本主義とか、稼げる稼げって悪いのもではないと思うんだけど、難しいな。
    頑張ったら評価されたいし、
    均等分配と平等、努力が報われないって違うよなーなんて考えたり。

    わからん!

  • 一部過剰に長くなる過去の話

  • とりあえずアフリカ編を思って買ったけど完結していない。早速続きを買わなくては。恩地の旅につきあおう。

  • なかなか読み進まず。会社でごはんを食べる時にせっせと。
    山崎豊子さんはとにかく細部まで書き込むから、本当にひとりの男の人生を見ているような気持ちになる。ただその分長い、進みが遅い。
    やっと読みたかった章に入りそうです。

  •  レビューは次巻にて

  • 不当人事が認定されてアフリカを去るまで。
    ややかっこつけすぎな感じがする。
    本当のところはどうだったのか気になる。

著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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