白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

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著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2002年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104379

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 医者のミスかどうか、医者の倫理、を裁判で問う。ワンマン社長が急に亡くなり、残された家族の生活と執刀した教授の生活の差、大学病院の封建的な仕組み風土、教授を取り巻く思惑、それぞれの弁護士の思い等、丁寧に描かれている。一審は財前教授方の勝訴、いざ控訴審は…佐々木側の勝訴。しかし、財前教授は、すでに末期癌。センセーショナルな結末。

  • 232
    本書が刊行されたのは1965年。当時は今ほど医事裁判はなかった。なのにこのリアリティー。加えて、著者が医療関係には全く素人であるというのに、綿密に取材され出来あがった本書。凄いとしか言いようがない。
    同著者、読了2作目。

  • 環境に左右されない確固たる自分自身を持った生き方に勝るものはない、里見医師。 対照的に、毀誉褒貶に振り回され、名誉と欲望を求め続けた財前医師。

    環境に適応することを目的に生きるのか、それとも使命に生きるのか。
    自分に甘く生きるのか、自分に厳しく生きるのか。
    一番大事なものは自分か、それとも自分以外の何かか。
    周囲には利害に群がる人間か、それとも心から信頼し支えてくれる人間か。

    花森ケイ子
    「あの人はすごい人やわ、もっさりした服装をしてぼさっとしてはるけど、心の厳しさというのか、何か侵しがたいものごあるわ、私みたいにどんな一流会社の社長にも、有名人にも体をはって、操縦しようと思えばできないことのない人間でも、あの人だけはどうにも歯が立たへんわ、だから、あんたも誰に勝っても、最後は里見さんには勝てないのと違うかしらー」

    弱い自分に打ち克てる人こそ、最も強き人なのだろう。

  • 完結。
    控訴審で駒と思っていた柳原や江川に追い詰められていく財前は、まさに因果応報。人間というのは、謙虚に、誠実に、生きていかなければならないのだな。
    財前の佐々木庸平に対する診療態度は責任を問われて当然のものだったと思うけれど、現実には医者がどんなに力を尽くしても、佐々木庸平と同じような結末を迎えることもあるのだろう。
    そうした時、医者がどこまで手を尽くしてくれれば遺族は納得して、諦めることができるのか。
    亡くなったのが大切な人であればあるほど、そのハードルは高いのかも。
    何だか、考えさせられてしまうな。

  • 技術がありながらも手術しないほうが良かったとはどういうことなのだろうか。
    やり直せるなとしたら、どこまで遡るのだろうか。

    (以下抜粋)
    ○財前教授は余人が見付けることの出来ぬような早期癌をたった二枚のフィルムで発見し、
     患者の生命を助けようとしたため、
     現在の医学常識では考えられぬような早期胃癌の肺への転移という不可抗力に近い問題で、
     診療責任を追及されている、
     これほど、過酷で矛盾した話はないといえよう(P.69)
    ○学術会議会員になることが、学者としてプラスか、マイナスかは僕自身の人生観が決めることで、
     プラスだと思えばこそ打って出たのだ、
     そして立候補した限りは、たとえ対立候補を引き下ろしてでも当選してみせる(P.82)

  • さんざん自分勝手な振る舞いをしてきた財前教授だけどどうにか助かってほしいと思わずにはいられなかった。
    開腹した時の衝撃はどれほどだっただろう。
    最期になって、担当医師の診察を信頼出来ない不安や術医に経過を診てもらえる安心を感じた財前教授はどんな気持ちだっただろう。
    名作。この本に出会えてよかった。

  • 裁判でのやり取りが極めて医学用語でやり取りされており、作者の相当な取材による情報量に圧倒される。下された判決は今まで読み進めてきた内容からとても納得できる内容で、作者はここに相当気を配ったものと思われる。
    後半、財前が悪いと知ったメンバーが、その派閥の垣根を超えて財前を救うために尽力する様には胸を打たれます。それにしても里見の執よう過ぎる裁判での原告側に対する助力が不自然。自分の証言が、偽証となった一審のこと事を悔やんでのことか。確かに原告の遺族は辛すぎる判決ではあったが。癌と言う病魔が身近に関わるようにならない、なっても医学の進歩で回復するような世になる事を念じるように読み終えました。財前のもう一人の不倫相手(名前失念)の伏線は結局使わず仕舞いですねぇ。

  • 1-5までの感想です。

    ドラマ観たので原作も読んでみたくなりました。

    1、2はおおお…!となって3は
    ちょっとうーんとなって
    4になっておおっとなって
    5はおおおおお…財前教授ーーー…となりました。

    今読んでもすごいなあ、となるのに
    今の時代も同じなのかなー…
    医療技術も変わっているのは当たり前だし
    などなど
    比較を専門の人にきいてみたいなあ。

    前から豊子さん読んでみたいなと思っていて
    なかなか読める機会がなかったので
    よかったです。

  • 最高の完結。柳原は真実を話し、財前は枕元の東教授と和解ともとれる信頼を寄せながら、亡くなった佐々木氏への懺悔のような譫言を言いながら亡くなる。人物描写がとても深い。悪役の財前も里見を尊敬したり母を慕う心を持っている。得意になってメスを振るっていた財前が無力な患者になって怯えたり医師にすがる姿、自分の病状を知ろうと画策する姿は考えさせられる。この巻は続編らしいが、白い巨塔という言葉がやっと出てきて、2回とも非常に印象深い。当初、佐々木氏遺族の敗訴で完結してたなんて信じられない。
    欲を言えば、東佐枝子は「東教授のお嬢さん」ではなく、医者かせめて仕事しててほしかった。あと華子は柳原についてきてほしかったが、やりすぎると作り話にもほどがあるからこれてよいのか。

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白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)の作品紹介

開始された医事裁判の控訴審は、原告側弁護人や里見たちの献身的努力によって、予断を許さない展開に。そして、財前自身の体に不吉な病魔の影が…。厳正であるべき"白い巨塔"大学病院の赤裸々な実態と、今日ますますその重要性を増している医事裁判に題材をとり、徹底した取材によって、人間の生命の尊厳と、二人の男の対照的生き方とを劇的に描ききった、社会派小説の金字塔。

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)のKindle版

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