白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)

  • 1886人登録
  • 3.98評価
    • (310)
    • (216)
    • (307)
    • (8)
    • (1)
  • 148レビュー
著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2002年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104379

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
綿矢 りさ
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 医者のミスかどうか、医者の倫理、を裁判で問う。ワンマン社長が急に亡くなり、残された家族の生活と執刀した教授の生活の差、大学病院の封建的な仕組み風土、教授を取り巻く思惑、それぞれの弁護士の思い等、丁寧に描かれている。一審は財前教授方の勝訴、いざ控訴審は…佐々木側の勝訴。しかし、財前教授は、すでに末期癌。センセーショナルな結末。

  • 232
    本書が刊行されたのは1965年。当時は今ほど医事裁判はなかった。なのにこのリアリティー。加えて、著者が医療関係には全く素人であるというのに、綿密に取材され出来あがった本書。凄いとしか言いようがない。
    同著者、読了2作目。

  • 環境に左右されない確固たる自分自身を持った生き方に勝るものはない、里見医師。 対照的に、毀誉褒貶に振り回され、名誉と欲望を求め続けた財前医師。

    環境に適応することを目的に生きるのか、それとも使命に生きるのか。
    自分に甘く生きるのか、自分に厳しく生きるのか。
    一番大事なものは自分か、それとも自分以外の何かか。
    周囲には利害に群がる人間か、それとも心から信頼し支えてくれる人間か。

    花森ケイ子
    「あの人はすごい人やわ、もっさりした服装をしてぼさっとしてはるけど、心の厳しさというのか、何か侵しがたいものごあるわ、私みたいにどんな一流会社の社長にも、有名人にも体をはって、操縦しようと思えばできないことのない人間でも、あの人だけはどうにも歯が立たへんわ、だから、あんたも誰に勝っても、最後は里見さんには勝てないのと違うかしらー」

    弱い自分に打ち克てる人こそ、最も強き人なのだろう。

  • 完結。
    控訴審で駒と思っていた柳原や江川に追い詰められていく財前は、まさに因果応報。人間というのは、謙虚に、誠実に、生きていかなければならないのだな。
    財前の佐々木庸平に対する診療態度は責任を問われて当然のものだったと思うけれど、現実には医者がどんなに力を尽くしても、佐々木庸平と同じような結末を迎えることもあるのだろう。
    そうした時、医者がどこまで手を尽くしてくれれば遺族は納得して、諦めることができるのか。
    亡くなったのが大切な人であればあるほど、そのハードルは高いのかも。
    何だか、考えさせられてしまうな。

  • 技術がありながらも手術しないほうが良かったとはどういうことなのだろうか。
    やり直せるなとしたら、どこまで遡るのだろうか。

    (以下抜粋)
    ○財前教授は余人が見付けることの出来ぬような早期癌をたった二枚のフィルムで発見し、
     患者の生命を助けようとしたため、
     現在の医学常識では考えられぬような早期胃癌の肺への転移という不可抗力に近い問題で、
     診療責任を追及されている、
     これほど、過酷で矛盾した話はないといえよう(P.69)
    ○学術会議会員になることが、学者としてプラスか、マイナスかは僕自身の人生観が決めることで、
     プラスだと思えばこそ打って出たのだ、
     そして立候補した限りは、たとえ対立候補を引き下ろしてでも当選してみせる(P.82)

  • さんざん自分勝手な振る舞いをしてきた財前教授だけどどうにか助かってほしいと思わずにはいられなかった。
    開腹した時の衝撃はどれほどだっただろう。
    最期になって、担当医師の診察を信頼出来ない不安や術医に経過を診てもらえる安心を感じた財前教授はどんな気持ちだっただろう。
    名作。この本に出会えてよかった。

  • 裁判でのやり取りが極めて医学用語でやり取りされており、作者の相当な取材による情報量に圧倒される。下された判決は今まで読み進めてきた内容からとても納得できる内容で、作者はここに相当気を配ったものと思われる。
    後半、財前が悪いと知ったメンバーが、その派閥の垣根を超えて財前を救うために尽力する様には胸を打たれます。それにしても里見の執よう過ぎる裁判での原告側に対する助力が不自然。自分の証言が、偽証となった一審のこと事を悔やんでのことか。確かに原告の遺族は辛すぎる判決ではあったが。癌と言う病魔が身近に関わるようにならない、なっても医学の進歩で回復するような世になる事を念じるように読み終えました。財前のもう一人の不倫相手(名前失念)の伏線は結局使わず仕舞いですねぇ。

  • 1-5までの感想です。

    ドラマ観たので原作も読んでみたくなりました。

    1、2はおおお…!となって3は
    ちょっとうーんとなって
    4になっておおっとなって
    5はおおおおお…財前教授ーーー…となりました。

    今読んでもすごいなあ、となるのに
    今の時代も同じなのかなー…
    医療技術も変わっているのは当たり前だし
    などなど
    比較を専門の人にきいてみたいなあ。

    前から豊子さん読んでみたいなと思っていて
    なかなか読める機会がなかったので
    よかったです。

  • 最高の完結。柳原は真実を話し、財前は枕元の東教授と和解ともとれる信頼を寄せながら、亡くなった佐々木氏への懺悔のような譫言を言いながら亡くなる。人物描写がとても深い。悪役の財前も里見を尊敬したり母を慕う心を持っている。得意になってメスを振るっていた財前が無力な患者になって怯えたり医師にすがる姿、自分の病状を知ろうと画策する姿は考えさせられる。この巻は続編らしいが、白い巨塔という言葉がやっと出てきて、2回とも非常に印象深い。当初、佐々木氏遺族の敗訴で完結してたなんて信じられない。
    欲を言えば、東佐枝子は「東教授のお嬢さん」ではなく、医者かせめて仕事しててほしかった。あと華子は柳原についてきてほしかったが、やりすぎると作り話にもほどがあるからこれてよいのか。

  • あの人は凄い人やわ、心の厳しさというか、何か侵し難いものがあるわ
    医者の診察によって患者がどれほど心を安らかにするものであるかを、身にしみて知った。
    明らかに肝性昏睡が始まりかけているのだった
    そこに人間の弱さというか、救われようのない業のようなものが刻印されているようだった
    屍は生ける師なり
    自ら癌治療の第一線にある者が、早期発見できず、手術不能の癌で死すことを恥じる
    医療は神の祈りであることを忘れ、白い巨塔の野望に敗れた財前の魂を洗い浄め、鎮めるような荘厳なミサが、夜明けの清澄な光と一つに溶け合って、里見を揺り動かした

  •  医事裁判、控訴審の判決後、財前教授が病に倒れるのだが・・・周囲の彼に対する対応を読みながら目頭が熱くなった。社会派小説金字塔

  • 濃密な5冊だった。
    裁判の行方もそうだけれど、後半の後半、財前の急速な癌の病状の悪化の描写が無常だった。地位と権力と保身に全力だった財前は決して悪人ではなかった。

  • 社会的には里見先生のような医師に思い入れを持ち、共感すべきなのかもしれない。にも関わらず、読みながら財前教授を応援してしまった自分を恥じるべきなのだろうか。

    身近なテーマであるが故に、多くの読者が感じるところとはまだ別な思いが残ったのかもしれない。医師はプロであるが、神ではない。「社会的責任」とは何か?

    財前教授が死の最後、自らの体を剖検に託す姿に心を打たれた。医師としてのプライドに。ただ、それでもやはり、医師も一人の人間にすぎない。

  • 最後の2巻での展開は見事だつた。
    勧善懲悪的な締め方をしたことで救われた読者も多いのではと思われる。
    今をもってして、財前のような人が幅を利かせているのだとは思いながら、里見のような生き方に憧れる自分もいる。

    それにしても、山崎豊子という作者が書く話のリアリティーさには驚く。圧倒的な事前調査があってこその描写力だと思うが、こんな小説家はなかなか現れないだろう。

  • 悪どい策略などを、駆使し学術学会選挙や、医療裁判をくぐり抜けてきた財前。

    どう落とし前をつけるのから気になったけど、まさかこうなるなんて。

    ある意味美しい幕の引き方だったのではと思う。

    里見の財前に対する友情と医師として、対立していた財前に親身に医療を行う姿勢に感動した。

  • ついに読み終わってしまいました。最終巻は特にあっという間でした。面白かった。
    現代なら抗ガン剤やインフォームドコンセントの考え方は違うのでしょうが、やはりこの頃と変わらず医療を巡る問題は山積していると思います。色々と考えさせられる内容でした。
    裁判の後の展開もすごかった。圧巻です。
    面白すぎて、次に何を読めばいいのか悩んでしまうような作品でした。

  • さすが、不朽の名作といったところか。
    病院だけではなく、大学内の権力闘争、裁判と。
    たくさんの要素が複雑に絡み合う。
    このはなしが、文学部を舞台に~などでは大分難しいだろう。
    テーマのチョイスも素晴らしい、

    このあとで、動画サイトで田宮二郎版をみるとまさしく財前がそこにいた。

  • 読み応え十分。すごい調査をしてのことだろう。

  • 財前先生。最後の手紙は良心?メンツ?

  • あまりにも名誉を欲しすぎると道を踏み外す…。それにしても、医者というのは大変な職業だ。尊敬に値する。

  • 重たくて重たくて、読み終わるのにえらい時間がかかった。読後感がわけ分からん。すごい。ほんとすごい。
    ただ、昼飯食いながら読む本じゃない。胃の全摘…カルジアクレブス…腹部を正中切開…なんて文章を読みながら食べる唐揚げの味ときたらもう。

  • 浪速大学を場に描かれる出世争いと医療裁判を題材にした長編小説。法学部だった身としては医療裁判について非常に興味深く読ませていただいた。
    山崎豊子といえば圧倒的な取材量。あとがきで「どれだけ苦労したか」とあったが、この努力に毎度毎度脱帽である。

  • 著者の作風は変わらず、善と悪が鮮明であって決して交わることはない。里見と財前の息詰まる対立の果てに、いくらかでも歩み寄りという結末があってくれたらと願う。

  • 医療の内容はとても難しい。癌医者が癌になるとは皮肉。ただ死に至る展開が早すぎるきらいもあった。

全148件中 1 - 25件を表示

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)の作品紹介

開始された医事裁判の控訴審は、原告側弁護人や里見たちの献身的努力によって、予断を許さない展開に。そして、財前自身の体に不吉な病魔の影が…。厳正であるべき"白い巨塔"大学病院の赤裸々な実態と、今日ますますその重要性を増している医事裁判に題材をとり、徹底した取材によって、人間の生命の尊厳と、二人の男の対照的生き方とを劇的に描ききった、社会派小説の金字塔。

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)はこんな本です

白い巨塔〈第5巻〉 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする