不毛地帯 第5巻 (新潮文庫 や 5-44)

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著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2009年3月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104447

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不毛地帯 第5巻 (新潮文庫 や 5-44)の感想・レビュー・書評

  • サルベスタン鉱区の国際入札で一番札を取るため、近畿商事の兵藤はイラン国王の侍医であるドクター・フォルジと接触する。
    しかし、ドクターとの話し合いがモスクワで行われることを聞いた壹岐は、顔を硬ばらせ、「君には、極北の流刑地で、囚人番号を捺されて、地下数十メートルの暗黒の坑内で、鶴嘴を持って使役された人間の苦しみが解るか!」と激昂した(ドラマのこのシーンの唐沢寿明さんがすごくよかった!)。

    結局、近畿・オリオングループが3,990万ドルという高値で落札に成功するが、それから3年8ヶ月、三号井(さんごうせい)まで掘り進めても油は一向に出ない。
    続く四号井も廃坑になり、壹岐が資金調達に奔走する中、大門社長が棉花相場で46億円もの損を出していることが明るみになる。
    この損失の責任を取るべく、壹岐が棉花部長の伊原に進退伺いを出させたところには、組織の厳しさがありありと描かれている気がした。

    五号井で大油田の発見に成功したのを花道に、壹岐は大門に勇退を勧める。
    しかしそれは、社長の座を取って替わろうとするためではなく、自分に第二の人生を与えてくれた大門社長と企業の発展を思ってのことだった。

    近畿商事を辞め、朔風会の仕事に第三の人生を尽くすことにした壹岐が、シベリアの白い大地を見て涙を流す最後のシーンに目頭が熱くなった。

    全五巻、3,000ページにおよぶこの一大巨編を書くのに、山崎豊子さんはいったいどれほどの取材を行ったのだろう?
    僕にとって、これまでに読んだ小説の中でまぎれもなく質、量ともにナンバー・1の傑作だった。
    壹岐正という1人の孤独な男の姿を通して、今も人々の心に残る戦争の傷痕と熾烈な商戦の実態を知ることができ、本当によい小説に巡り会えたと思う。

  • この小説は、昭和48年から53年にかけて書かれている。シベリア抑留に続き、最初の商戦となるFXを巡った死闘を読みながら、これは全日空の旅客機選定を巡るロッキード事件、そしてまさにFXに絡むダグラス・グラマン事件を取り上げたものだとばかり思っていた。しかし、両事件ともこの小説の連載が始まって後に明るみになったという。そうならば、巻末の解説にあるように、まさに事件の予見に違いない。著書が、社会の闇に隠されている問題をいかに正確に取材されていたかが伺い知れる。

  • 第1巻〜第5巻まとめて

    シベリアが出てこなくなってから
    企業小説化。

    『ライバルと親戚になる』等、ややベタな一面もあるが
    それを感じさせない重厚さ。
    全部読み返すことは少なそうだが、部分部分気になる。

  • 不毛地帯に大地の陣痛が聞こえた

  • 油田開発ビジネスの結果が出る以上に興味深い、トップの身の引き方。

  • 入札で取ったはいいけど出なくてやばかった石油が遂に出て、くすぶっていた自動車提携も最後に話を進めて、相場でおかしくなった大門社長と一緒に退陣して終了。うっとうしかった恋愛ネタもほろ苦い感じで終わり、結局最初に戻ってシベリアの同胞のために第3の人生を生きていく、と。5巻はホントに怒涛の展開でめっちゃ面白かった。長かったけど。

  • 身の引きかた、第三の人生の選び方がいさぎよい。
    壱岐正の人間性で読まされた本。

  • 悪戦苦闘の末読了。
    壱岐正という主人公の生きざまはかっこいいし、一本筋が通っているのだか、逆にいうと国際商戦の中ではこんなきれいごとでは行かないだろうという作り話っぽいところもある。

  • 今読んでも十分新鮮な最高クラスの企業小説。事実に基づきつつ見事に面白く仕立てる作者だと思う。

  • 今の東芝の幹部に読んでもらいたい一冊。最後がかっこよすぎる。

  •  非常に良作。最後まで見事でした。
     油は出るのか出ないのか。このハラハラ感、ぐいぐい読ませること必至。「不毛地帯」というタイトル通り、不毛な結果に終わるのかーーそう思ってたところで、ついに出た時は思わず涙したほど。

     また有能な経営者が老害となっていく様は見苦しかった。
     大塚家具の会長を想起したのだけど、時代に取り残される前に自分を客観視して、自らの身の振り方をちゃんとプロデュースする必要があるのだなと。
     壱岐正のように才能があって頭が切れても、罪悪感、背徳心を拭い去れない人間には熾烈な政財界で生きて行くのは難しい。
     でも潔くその世界から去れる者もなかなかいないと思う。
     壱岐正の生き様かっこよすぎでしょ。畏敬の念を感じる。どこまで実在したモデルの人物に則しているのか気になる。
     この作品もどんな取材量を持って書かれたのか。想像だにできない。
     全日空の旅客機選定を巡るロッキード事件、FXに絡むダグラス・グラマン事件をモデルに描かれたのかと思いきやこれらの事件が明るみになる前に描かれたそうで。。
    もはや小説家の域を超えてるでしょうよ。。

  • 全5巻の文庫本、全てを読み終わりました。
    太平洋戦争終了後からの日本の復興を壹岐正という一人の男を中心に商社のどろどろした世界を交えて見事に語りつくしてくれている作品でした。

    正直主人公の壹岐正が途中凄く嫌な人物に思えてきていたのですが、最後の最後に実は先の先まで見据えつつ、最後までお国の為に戦っていたことが分かり、本当にこれが事実を基にした物語なのだろうかと疑いたくなるような凄い物語でした。

    良くも悪くも昭和の時代というのはこのような人たちが引っ張ってきたんだなあというのが何となく分かる反面、今の時代には到底通じないやり方だとも思いました。

    とにかく山崎豊子らしい壮大な物語に圧倒されっぱなしの全5巻でした。

  • 石油採掘権の入札に成功するも、石油は出ない苦しい時期が続く。会社を長年引っ張ってきた社長も、その圧倒的な存在感が害をなすように・・・。

    最後まで、主人公には厳しい状況が続くが、最終的には華々しい成果を挙げ、それでいて身を引くという潔さでもって物語が終わる。



    全5巻。本当に大作でした。
    不毛地帯というタイトルはひとつには当然シベリアの大地を指していますが、同様に、何も実るものがない熾烈な商戦を表しているはずです。
    国のため、家族のため、自分の欲望のため、不毛地帯で闘い続ける人たちの物語でした。

    主人公は、登場人物の中では、人間として理想的な書き方をされていますが、それでも黒い部分や闇とは切り離せない。決して救われることのないエピソードと、ひょっとしたら救いになる可能性を秘めたエピソードが混在する、さっぱりとは割り切れないものです。

    ほかの登場人物も、清い面も濁った面もあり、これこそが人間であるというものを深く描いている。

    正解は提示されていないけれど、不毛かも知れない闘いのなかで、自分はどう生きるか、それを強く問う名作でした。

  • 「戦争三部作」と聞き、今まで手に取るのを躊躇っていたが、読み始めると一気に読破。前半の哀しくも驚きに満ちたシベリア抑留の実態も想像を絶する内容であったが、最後の主人公の姿には、清々しさと同時に現代に生きる我々に勇気をももたらしてくれるストーリー展開であった。「組織とは、何か。」、山崎豊子氏が問い続けていたであろうこの命題は、この小説の中にも貫かれている。

  • イランの油田問題に片が付き、自動車問題もおさまるところにおさまった。社長に引導を迫り、自分も退社。恋人とは別の道を行くことになり、朔風会の会長となりシベリアへ向かう。里井の病気はどうなるのか、恋人の兄は? そのあたりは解決されていないが、物語のケリはちゃんとついた。執筆前からここまでの落としどころを考えた上で書いたことは彼女のインタビュー内容から間違いないところだろうけど、毎回みごと。途中中だるみな感じがしていたが、スパイ小説のようなスリリングな展開には引き込まれた。ただ最後の最後まで主人公には感情移入できなかった。暗い影がつきまとっていすぎて、濡れ場のシーンは鼻白んだ。それに次々と登場人物が身体をこわすのにぞっとした。人生って辛いなあ。でも生きていかなきゃならない。

  • 会社の先輩に薦められて読んだ長編小説。
    こういう小説は普段なかなか読まないから、新鮮だった。

    シベリア抑留時代の暗くて凄惨な過去を背負いながら、第二の人生を商社マンとして生きることを選んだ主人公。
    仕事に生きる男性の姿って、あまり身近に感じたことがなかったから、彼と、彼を取り巻く人々のストイックさには驚かされるばかり。
    商社の仕事の楽しさって理解できなかったけど、きっとこういう風にビジネスを作り出していく所にあるんだろうなぁ、というのが実感できた。
    (共感はできないけど…)

    最後のシーンは感動のひとことに尽きる。

  • こういう生き方もあるのか。こういう生き方は憧れであるけど、憧れのままで終わらせたい

  • 壱岐正よ・・永遠に。

  • 長かった物語もついに最終巻。
    壱岐は泥沼のような商社の仕事にどっぷりと浸かってしまい、秋津千里との結婚にも踏み切れない中、商社マンとして最後の仕事に挑む。

    この巻の最大の見どころはやはりラストシーン。
    石油事業、自動車事業を成功させた壱岐がどうなるのか!?というのが気になるところだろう。

    長い長い物語が終わった。

  • 読み終わってしまった。残念!

  • ハッピーエンドで良かった。
    白い巨塔も華麗なる一族も、主人公死にますからね。

    壹岐正もちょいちょい人の恨みを買ったり、不正に手を染めたり、最後に転落するのかなというフラグがあったのですが、、、

    里井や大門に退陣を迫るあたり、この人も除々に権力に取り憑かれてきたのかと心配になったが、やはり壹岐正は壹岐正だった。

    優秀だった大門が老いとともに老害をまき散らすあたり、現実社会でもそうなのかな。。。

  • 壱岐正のような商社マンになる。

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