二つの祖国 第1巻 (新潮文庫 や 5-45)

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著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2009年9月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104454

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二つの祖国 第1巻 (新潮文庫 や 5-45)の感想・レビュー・書評

  • またまた山崎豊子。
    すきやわ~。

    二つの祖国は、太平洋戦争時代のアメリカでの日系2世のお話し。
    敵国アメリカでの日本人の扱い・・・。
    戦地でなくとも、戦争の非人道的な側面が浮き彫りになっています。

  • アメリカと日本、二つの祖国を持つ日系二世が主人公の物語。
    大平洋戦時下、アメリカに暮らす日系人は皆、日系人であるというだけで、自由を奪われ、非人道的な耐え難い苦難にさらされていたという事実をどれだけの人が知っているのだろうか。
    少なくとも、恥ずかしながら、私自身は、小中学校の歴史の授業でそのことは学んでこなかった。
    この物語では、日系二世である主人公をはじめ、その家族、周りの人々皆がそれぞれ、この困難の中、苦渋に満ちた決断をし、必死で生きていく姿が描かれている。まだその物語は始まったばかり…

    昨年末観にいった映画"永遠のゼロ"、つい先日読了したばかりの"小さいおうち"、そして、毎朝楽しみにしている朝ドラ"ごちそうさん"そのどれも、時代背景は、同じ大平洋戦時下。
    うまく言えないのだけれど、国と国が争い、勝った負けたの事実はあれど、現代に生きる私たちはそのことばかりクローズアップしてはいけないと思うし、買った国負けた国、そのどちらが正しくどちらが間違っているなどと決して白黒つけてはいけないのではないかと思う。

    第一巻でとても心に残ったオーソン相川の言葉。
    「…この私だって、人は二世のトップというが、心の中は理不尽な差別と偏見でずたずたに傷ついている、…われわれ二世は、苦悩する世代なのだ、だからといって、役に立つことが出来る者が、収容所の中でただ漫然と過ごしていていいものだろうか…」
    そして、主人公天羽賢治が、アメリカの陸軍情報部の日本語学校の教官になることを、親子の縁を切ってまで、苦渋の上決断した心の内。
    「…日米戦争という歴史の歯車の中で、帰米二世として果たすべき何かを自ら模索していたからだ…」

    大平洋戦争という時代を生き抜いた、多くの人々の生き様を、私はまだまだ知りたいと思う。

  • 今、この時代を生きてる私だから、賢治の気持ちを理解出来る(と思う)だけで、当時を生きていたら、きっと賢治を苦しめる立場に立ってしまったんやろうなぁ。

    この本を読んで、日系人に興味を持った。第二次世界大戦に対しても違う見方をもった。

    山崎豊子の本はいつも知らない世界を教えてくれる、社会を考えさせてくれる。

  • 「大地の子」をNHKで見て原作を読み、中国残留孤児という第二次世界大戦の犠牲者の存在を知った。またそのあまりにも苛酷な人生について涙せずにはいられない。同様に戦時中のアメリカでの日系二世の物語。戦争という異常事態に翻弄される人生に心が痛くなる。

  • 新版になったので、こちらも登録。今度は4分冊です。

    ロサンゼルスの邦字新聞『加州新報』の記者天羽賢治、ケーン。
    彼とその家族の運命を通し、真珠湾攻撃、ヒロシマ、東京裁判と
    太平洋戦争の荒波の中で身も心も切り裂かれながらも、
    愛と祖国を求め続けた日系人の悲劇を描いた感動巨編。

    山崎豊子を読むのは沈まぬ太陽以来2作目。
    例によって、本屋で平積みになっていたので、
    何気なく買っただけでしたが、またしても
    山崎豊子の世界に引き込まれました。

    父祖の国日本に対する誇り、そしてアメリカで生まれた
    ものとして、自由の国アメリカに対する誇り。
    二つの祖国に対する誇りの中で葛藤していく賢治。
    そして、正義を貫けば貫くほど回りには理解されない
    このジレンマ。

    先の戦争の中で、多くの人々が苦しみを味わいましたが、
    彼らほど数奇な運命をたどった人もいないでしょう。

    今まであまり詳しく知ることのなかった、フィリピンでの
    激戦の様子や東京裁判のことについても、彼女ならではの
    記述で詳細に知ることが出来ました。
    日経新聞で東京裁判の検証が特集記事になっていましたが、
    こっちのほうがその裏の人々の心情まで描かれていて、
    その場の雰囲気を感じることが出来ます。

    ちょうどこの本を読み終えたとき、靖国神社の
    すぐ近くで結婚式でした。翌日、なぜだか靖国参拝
    したいという気持ちになりました。

    それは二つの祖国の間に挟まれながらその人生を
    送った賢治の忠魂の気持ちなのか、激戦の中で
    日本の勝利のために命を捧げて逝った日本兵のことを
    思ってなのか、はたまた、勝者の裁きによって、
    死刑となったA級戦犯のことを思ってなのかは
    自分でもよく分かっていません。

    ただ一つ確かなのは、人々をこうやって引き裂いてしまった
    戦争を繰り返してはいけないんだというその祈りを
    捧げたい。そんな気持ちが芽生えたということだと思います。

    今また戦争歴史観が話題となっていますが、
    結果的には、アジア諸国に対して日本が侵略行為と
    取られる行為を行ったというのは覆しようのない事実です。
    しかしながら、その時々を生きた人たちにとって、
    自分の立場でそれぞれが正義だと信じる路を歩んだんだと
    思っています。
    国家のレベルと個人のレベルでは分けて論じるべきかと。

    http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-11-02

  •  太平洋戦争中の日系米国人の来し方を描く歴史小説である。

     どうしても松本幸四郎(当時は市川染五郎か?)主演のドラマと比べてしまう。
     本作が原作でありながらも、ドラマの脚本が市川森一他で、著者の脚本家の作風とは余り合わないような気も……。一方、チャーリー田宮に沢田研二をキャスティングしたところがなかなかだ。

     ところで、何故アメリカ人である天羽賢治が、日本贔屓なのか。日本で成長したとの事実のみが語られるだけで、彼の経験が描かれず、やや説得力を欠く感あり。

     開戦による日系隔離政策開始から賢治の米軍兵士への日本語教師就任まで。

  • 太平洋戦争に巻き込まれていく在米日系アメリカ人の話。
    日本側の太平洋戦争での悪行だとか、アメリカ人捕虜の扱いだとかはいつも大々的に話題になるけど、そういえば戦争中の在米日系人、日本人については全然知らなかったなと気付いた。

    恥ずかしながら、大統領令での強制収容が行われたことすらこの本を読むまで知らなかった。
    もう少しアメリカ側から見た太平洋戦争についても勉強しよう。

  • レビューは最終巻にて。

  • なぜか、アメリカが、第二次世界大戦中に日本人に対して行った差別について取り上げることは少ないのだが、日本人だけ差別をされて強制収容所に入れられて、白人ではないということの扱いを受けた。この事実をしっかりととらえて、行くことは大切だと思う。アメリカに生まれて育った人の考え方、日本との距離、どうして遠い国に渡ったのか、明治の時代の移民政策、もっと日本の歴史でも取り上げてもらいたいと思う。
    話の展開としては、おもしろい。

  • 主人公の日系2世が太平洋戦争でアメリカ軍の軍人として従軍し、東京裁判では通訳として日本人を影から支えた。
    戦争では、弟は日本人として従軍し、その弟と戦場でまみえ、誤って足を撃ってしまう。
    戦争は、ただ、軍人だけが傷つくのではなく、色々な立場の人間が傷つく。二度とその道に進んではならない。

  • 主人公が突然収容所に入れられるところから始まるのは『大地の子』と似ている。
    日本と、もう一つの母国の間で揺れるという設定も。
    しかしこちらの主人公天羽賢治の最後はなんとも哀しい。
    物語の中心にいる二組のカップル(賢治とエミー、チャーリーと梛子)がなぜそもそも夫婦になったのかが理解できなかった。
    賢治と梛子には幸せになってもらいたかったのに…。
    一番印象に残っているシーンは、戦場で賢治と弟が邂逅するところ。
    運命のいたずらというか、まあ小説なのだけど、皮肉な意味でドラマチックだと思った。

  • 20140807(第1巻)

  • 2つの祖国の狭間で戦争に巻き込まれていった人もいたんだなぁ、と勉強になった。
    天羽より、我が道を行くチャーリーが魅力的だった。

  • また一つ勉強になった。

  • 天羽賢治・忠・勇。
    この鹿児島出身の日系二世の不条理に巻き込まれていく様を
    描いている。

  • やはり、山崎豊子作品に外れはない。

    日系移民の二世が日本とアメリカの狭間で苦しむ物語。

    それにしても、主人公のルーツが鹿児島とは・・・

  • 主人公の最後の決断・・・苦しい決断ですね。人間は血なのか環境なのか。心理学ではその掛け算だと言われていますが、そんな学説が「浅い」と感じてしまう主人公の葛藤に涙が止まりませんでした。

  • 戦争の事実をまた知らされた一冊。
    毎回読みごたえあり☆

  • この本も「不毛地帯」同様に約20年余りの年月を経ての再読本です。  初読当時の KiKi は英国文化に憧れ、必死になって英語を学び、その延長線上で米国にも興味を持ち始めていた時期で、どちらかというと「羨望のまなざし」をもって米国を眺め、手前勝手に美化したイメージに憧れていた時代でした。  当時の KiKi にとって英国と米国は同じ英語(実際にはちょっと違うけれど)を話す国というだけではなく、この両国は歴史の中で世界をリードした国という共通点もあり、それだけでも「目指すべき1つの(2つの?)指標となるべき国」というようなイメージを持っていました。

    もちろん知識として第二次大戦における我が国の敵対国であったことも、その戦争のさなかに日系人の迫害の歴史があったことも、聞きかじってはいたけれど、それは身に沁みるような感慨を持つ出来事ではなく、言ってみれば歴史の教科書に書かれている活字以上の意味は持たない史実に過ぎなくて、そこで生きた人々の「想い」にまで想像力が及ばない出来事でした。

    そこに「ガツン」と鉄槌を振るったのがこの物語だったことだけはよ~く覚えています。  この物語を読んだとき初めて KiKi はそこに生きた人間の抱えていた苦悩を知ったような気分になったものでした。  そして、自分が歴史に学んでいない人間である証左は、この「その時代に生きた人々の想いに無関心であること」に顕著に表れていると反省したものでした。

    あれから20年余りの月日が流れ、KiKi 自身、英国にも米国にもそこそこの期間滞在するという経験を経、英国人・米国人ともそこそこの交流(ビジネス上も、プライベートでも)を果たした今、「この物語を読んで何を感じ取るか?」に半端ではない興味を抱き、すでに処分してしまった文庫本の代わりにこの電子書籍を購入しました。

    その第1巻。  まだまだ物語は序の口です。  序の口と言いつつも、ここで既に大戦当時(しかもパールハーバー後)の日系人が歩まざるを得なかった非業の歴史が物語られます。  貧しかった日本では糊口をしのぐことができず、決死の思いで米国に第二の人生を求め、移住後も苦労の連続だった日系1世の、そして父母の祖国という以上には日本との関係性が薄いアメリカ生まれ、アメリカ育ちの日系2世が、「日系」という出自だけの理由で収容所に収監されたその日々が描かれています。

    日本で生まれ、日本で育ち、日本で教育を受け、自分が日本人であることに疑問も抱かない代わりに、そこに「誇り」というほどの気概も持たないまま大人になった KiKi にとってはまったく無縁だった「アイデンティティの模索」に否応なく向き合わされた人々の迷い・苦悩が痛々しい限りです。

    物語の登場人物の1人、梛子という女性の語る言葉に、そんなことを考えずに生きることができている今の自分が幸せなような、逆に寄る辺ない不安定さを持っているような複雑な気分になりました。  曰く

    同じ二世でも色々な生き方がある。  父祖の国日本に殉じるような生き方、アメリカ人として生きようとする人、絶えず日系二世としてのアイデンティティを模索し、苦悩しながら生きる人
    もちろんこんなことは戦時中というある意味特殊な環境下だからこそ生じてくる思想だとは思うんだけど、そして KiKi のように若かりし頃に自分が生まれ育った村・町を捨て(というほどの意識は持ち合わせていなかったけれど ^^;)首都東京に移り住みそこで生計をたてた20年余りという年月を経た人間にとってはますます縁遠い感覚です。  

    そもそも「国に殉じる」な~んていう考え方は、特に戦後教育ではある意味で抹殺されてきた思想でもあるわけで、あたかもそれが「偏狭なナショナリズム」の一形態とさえ見做されかねない考え方のように... 続きを読む

  • 山崎豊子さんの本はどれもよく調査したうえでの小説なので感心します。知り合いに年配の日系アメリカ人が何名かいますが、どうして今の姿があるのか少しわかった気がします。
    主人公には共感できなかったのですが、日系アメリカ人の歴史を知る上で必要な一冊だと思います。

  • 真保裕一著「栄光なき凱旋」を読み、太平洋戦争前後の在アメリカ日系人の複雑な状況に興味を持ち読んでみた。

    前半は主に太平洋戦争直前の普通の生活、開戦から終戦までのアメリカ人か日本人か解らなくなるような特別な生活。

    後半は主人公の生活は微妙に絡んでくるが、それより東京裁判の成行きが主で、裁かれる人数と裁く人数とも多いので本人の後書きには「小説らしく解りやすく書いた」としているが、結構ややこしく退屈した。

    解説にはこの主人公はモデルとなる人物が実在し、同じ結末を迎えたそうだ。

    あと、アメリカに妻子が有りながら、日本出張中に愛人ができ、離婚してその愛人と結婚の約束をするのが正しいように書かれているのは、出版当時の時代背景なのかなあと思った。

    それと、読めはするのだが、今ではあまり使わないだろうなという漢字が、かなり出てくる。これも時代の違いかな?

  • 戦後3部作の2作目。戦時罪なき日系2世の辛く厳しい境遇。夏子に大人のいい女を見る。

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