二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)

  • 467人登録
  • 4.24評価
    • (60)
    • (55)
    • (24)
    • (1)
    • (0)
  • 14レビュー
著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2009年9月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104461

二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • レビューは最終巻にて。

  •  人物の感情描写や情景はいまいちなので(元来、著者の書に期待はしていない)、小説としては面白いとは言えないが、日米双方の軍隊のあり方の描写は割に生々しい。というより、よく調べているんなだぁと。

     一方、兄弟間の銃撃・負傷というのは、余りに出来すぎていて、リアリティ重視といいながら、リアリティ欠如を齎している感。「大地の子」でも感じたが、そこまで「運命的な何とやら」にせずとも良かろう。
     心情描写が平板な分、そこが浮いてしまうのだ。

     賢治のオーストラリア赴任から、フィリピン戦、そして、原爆投下、終戦へと。

  • 戦争というのは実にくだらない。
    合理的に考えればナショナリズムなんて活版資本主義がもたらした「想像の共同体」において国民を一定の方向にもっていくだけの道具にすぎないわけであって、実在するかもあやふやなものの為に人が争うのであるから。

    だが、人間は合理的に生きていないわけで。
    しかし正義を追求する人間も当然いる。
    こうした不条理に直面したとき俺はこうも生きていけるだろうか。

  • 2012/12/27

  • 兄弟が戦場で相見える場面は何とも言いえぬ・・・

    日本軍と米軍の双方からの視点がわかるので、
    読者は絶えず、ヤキモキさせられると思う。

  • 本当に、戦争は、うんざりです。

  • 上巻の次に読むために買ったのが中でも下でもなく二巻なのが若干不安、、

  • 今まで嵌らなかった山崎豊子作品が、二つの祖国でやっと嵌った。

    勇の「ノウ」のシーンが映像のように頭に浮かんだ。
    何度でも思い出せる。喜びと皮肉さがかみ合っている。

    賢治が、見なくて良い所まで突き進み過ぎてる気がする。最初は仕方なくだったのに、心の奥底に観察者としての好奇心が潜んでいるようにも見える。

    先に書いた勇のシーンと、マリーの叫びが突き抜けていた。

  • この巻でもっとも心に残るのは、やはり天羽家三兄弟のあまりにも酷過ぎる運命ではないでしょうか??  日系2世というまさに本書のタイトルどおり、「二つの祖国」を持つ三兄弟が、たまたま太平洋戦争突入時に何歳でどんな教育を受けどこにいたのか?という偶然性も手伝って、1人は米軍兵士として、もう1人は帝国陸軍兵士として、そして長兄として常に二つの祖国を強く意識し続けた最後の1人が米軍の語学将校として戦争に巻き込まれていく・・・・・。  その非情さには言葉もありません。

    家族だからと言って誰もが同じ哲学、同じ思想というわけにはいかないのは、どんな時代であれ、そしてどんな境遇であれ、必ずしも珍しいことではないと思うけれど、彼らの場合はあまりにも残酷です。  まして、末弟の勇君はヨーロッパ戦線だからまだしも、長男 & 次男は同じ戦線に赴き、戦場で顔を合わせることになるな~んていうのは、平和ボケ時代の KiKi には想像さえできなかった出来事でした。  初読の時にはどちらかというと「小説特有の悲劇性強調型プロット」として読んでしまったこの境遇が今回の読書では「実際にそういうことがあったかどうかということ以上に、残酷な人間性の黙殺の象徴」として胸に迫ってきました。

    三兄弟のお父さんの描写があまりにも痛々しい・・・・。  彼は「自分のためにも家族のためにも良かれ」と考えて移住を決意し、移住後も苦労を重ね続けて、善良に、そして真剣に生きてきただけの人だったのに、人生の後半で第二の祖国からは人種差別で受け入れられず、祖国に帰ることもできず、収容所内の同じ日系1世の人々の姿にも違和感を覚え、収容所内の遺体処理係として時を重ねていきます。  その姿には、ファッションではない「ニヒリズムの極致の姿」が表れていると感じました。  そしてそんな父親の姿を見守るしかない賢治の苦悩も心に響きます。

    そうであるだけに、その後の賢治の選択には常に彼の抱える「矛盾」が溢れていて、読んでいて辛いものがありました。  ある意味では弟二人のように自分の「帰属」を宣言できる若さがまぶしく感じられてしまったぐらい・・・・・。  もちろんそんな彼らも己の存在をかけて戦っているわけで、何とな~く生きているようなところのある現代の私たちには想像できないような困難と日々向き合っているわけではあるんですけどね。

    そして原爆投下。  8月になるとTVでは毎年のように放映されるあの「きのこ雲」。  アメリカで当時、どれくらいの人たちがあの悲劇の実態を知っていたのかは甚だ疑問だと思うし、二つの祖国の間で身も心も引裂かれた1世、2世の人たちがそれを知っていたのかも、不勉強な KiKi はよく知らないんだけど、祖国日本と父の死後日本に帰国した母・妹を捨てて身も心もアメリカ人たろうと努力してきたチャーリーであってさえも受けた衝撃の大きさが胸を抉ります。

    さて、第3巻は東京裁判です。

    (全文はブログにて)

  • 20111104読了。第二巻は語学兵養成の教官篇〜対日情報戦の翻訳兵、二世兵士のヨーロッパ前線の戦い、太平洋戦線での苛烈な戦いの描写、原爆投下ごのヒロシマ、終戦からGHQの描写と盛りだくさん。

    太平洋戦争の記述はこれまでも結構目にしてきたが、アメリカの視点での描写を読んでやっと両面から補完出来た感がある。

    一方ヒロシマの描写は、記憶に新しい灰燼に期した東北の街並みや原発事故とダブって見えてなんとも辛い。遠い過去と思っていた世界がいつでも現れ得るのだと知っている今は、ヒロシマを近く感じる。

    それにしても二世たちの境遇は戦争が終わっても一向に晴れない。
    差別と偏見というニンゲンの性がいかに愚かで情けない行為かという作者の思いが伝わってきた。

全14件中 1 - 10件を表示

山崎豊子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
山崎 豊子
村上 春樹
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)を本棚に「積読」で登録しているひと

二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)のKindle版

二つの祖国 第2巻 (新潮文庫 や 5-46)の単行本

ツイートする