二つの祖国(二) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104461

感想・レビュー・書評

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  • 日系2世として生まれ育った賢二。
    太平洋戦争末期から始まる物語で4巻の連作。
    2巻目では戦場での弟との再会、戦勝国として日本に赴く葛藤、かつて恋仲にあった椰子と広島での再会など印象深いエピソードが沢山描かれる。
    1巻より徐々に面白味が増してきた。
    3巻も楽しみだ。

  • 起きて欲しく無い悲劇がまさに二つの祖国
    に分け隔てられ、戦場で合間見れてしまう。
    兄弟がそれぞれ戦争という名の悲劇の渦に飲まれ
    また、賢治の妻エイミー、チャーリー、椰子
    も二世への偏見、そして広島への原爆投下
    と日系二世の苦難の新たな歴史が始まってしまう。

  • 感想は、四巻で。

  • 戦争というのは実にくだらない。
    合理的に考えればナショナリズムなんて活版資本主義がもたらした「想像の共同体」において国民を一定の方向にもっていくだけの道具にすぎないわけであって、実在するかもあやふやなものの為に人が争うのであるから。

    だが、人間は合理的に生きていないわけで。
    しかし正義を追求する人間も当然いる。
    こうした不条理に直面したとき俺はこうも生きていけるだろうか。

  • 今まで嵌らなかった山崎豊子作品が、二つの祖国でやっと嵌った。

    勇の「ノウ」のシーンが映像のように頭に浮かんだ。
    何度でも思い出せる。喜びと皮肉さがかみ合っている。

    賢治が、見なくて良い所まで突き進み過ぎてる気がする。最初は仕方なくだったのに、心の奥底に観察者としての好奇心が潜んでいるようにも見える。

    先に書いた勇のシーンと、マリーの叫びが突き抜けていた。

著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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