二つの祖国 第3巻 (新潮文庫 や 5-47)

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著者 : 山崎豊子
  • 新潮社 (2009年9月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101104478

二つの祖国 第3巻 (新潮文庫 や 5-47)の感想・レビュー・書評

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  • 二世の人と聞けば、生まれながらに母国語が2つも出来るから羨ましいと単純に英語で苦労している私は思ってしまうのだが、その両国が戦火を交えることになったとき、どれほど苦しむだろうか。
    主人公の天羽賢治には弟が二人いて、次弟は日本の大学に学んでいる間召集にあい、日本兵として出征する。一方アメリカに生まれ育ってそこから出たことのない末弟は、合衆国に対する当然の義務として米軍の志願兵となる。アメリカ市民としての義務を果たしたいと願う一方、両親の母国であり自分も10年間育った日本に対し、限りない愛着を持つ賢治は、その狭間で苦しむ。どれほど個人の能力が優れていたとしても、一介の市民に大きな歴史は容赦なく牙をむく。
    日本が太平洋戦争でどれほど苦しんだかという話は数多いが、敵国の中で生きていかねばならなかった彼ら日系人を扱った小説はあまりないように思う。人種差別に思想の対立が折り重なった収容所で生きていた人々への鎮魂の書として、読み継がれていくべき作品だと思う。

  • レビューは最終巻にて。

  •  東京裁判前半。

     著者の東京裁判史観は正直、どうでもいいが、評価の誤導はいただけない。
     確かに、弁護側・検察側の夫々がそれぞれの立証命題を目指して尋問を重ねていくのだが、その立証命題が、公訴事実との関係でどのような意味合いを持っているのか、ここを正しく認識していないので、著者のおかしな評価になっていくのだ。

     現実を見るに、返す返すも、交渉打ち切り通告文書の交付が遅れた点、その文面が戦争開始とすら読めない内容であった点が取り返しのつかない過誤ということが良く判る。

  • 4巻まで読み終えて、アメリカがしたことの酷さ。これをどうして歴史で伝えないのだろうか。人種差別。ナチスよりも酷い行為。無差別殺人が、原子爆弾投下ではなかったのか。日本人の両親から生まれて、アメリカで育ち、アメリカの考え方を受けた2世。両方が祖国。複雑な思い。どちらも大切な国なのに。

  • やはりさすがという膨大な情報量。戦争を描写する上で偏向的でない表現は難しいのか、賢治の気持ちがあっち行ったりこっち行ったりするのが少し気になると言えば気になる。

  • 祖国とは何か、の前に、国家とは何か、個人とは何か、人間の尊厳とは何か、という問題に直面する。
    国家が国家として秩序を保っている場合、即ち国民個人に利を供する場合に祖国のために報いるという考え方はごく自然であるけれども、そうでない場合にも国民が国家の犠牲となる必然性は理解できない。
    かつては個人が何らかの拠り所欲しさから国家の形成と統制を望んだのだろうが、国民個人ではなく国家それ自体の利益や保身や意義すら画策し始めた時点で終わりが始まっている。
    しからせば太平洋戦争が終わった時点で、否始まった時から、さらに辿れば近代国家が始まった時点から人類の一部での劣化が始まっている。

    そんな深淵雄大な考えをもたらしてくれたことから不朽の名著である。
    第四巻が待ち遠しくも名残惜しい。

  • 年明けから読み始めてようやく第3巻を読了。ついに、極東国際軍事裁判も佳境。思うことがありすぎてうまく言葉に残せないのだけれど、日本人として、この裁判のことさっぱりわかっていない自分が恥ずかしくなってしまった。ちょっと遅かったけれど、山崎豊子さんが、こういう形で残してくれた物語、きちんと手に取ることができてよかった。
    さて、いよいよ第4巻。

  • 東京裁判をどう評価するか? 東京裁判史観をどう捉えるか。
    日本を加害者と捉えるのか被害者と捉えるのか。

    東条英機に対しては、A級戦犯とドイツとの絡みであたかも独裁者の典型のように取り扱われている。しかし実際には彼は大日本帝国の政治システムにおいて彼の地位は機能していたわけで。

    うーん、難しいなぁ。
    歴史学の業績は日本海軍性善説を否定し、日本陸軍悪玉説についても一定の留保するにまで至るが、まだまだ日本人の意識を変えるまでにもいたらない。

    ただ歴史に対する見方で、肯定的に見る見方が少しでも出ると「右翼」否定的に見れば「売国奴」となる言説にはどうにかならんのかね。

  • 2013/1/23

  • 物語の舞台は極東軍事裁判へと移る。

    モニターの仕事がここまでプレッシャーのかかるものとは・・・

    日本側の被告が実名ばかりなのは驚いた。

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