荷風散策: 紅茶のあとさき (新潮文庫 え 4-3)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101108032

作品紹介・あらすじ

古い長持を開けて楽しむ着物の肌ざわりにも似た独得の味わいが、荷風散人の名品にはある。散人のそんな小説・随筆・日記の時空間に、心おもむくまま遊んでみたい。『日和下駄』のひそみにならって…。時代に抗しつつ時代を物語る、荷風ならではの言葉の行跡を存分にたどり、『おかめ笹』執筆から偏奇館焼亡にいたる生活と創作、その魅力の真相を照らし出す。かくも豊穣な批評の愉悦。

感想・レビュー・書評

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  • 江藤淳 永井荷風論。著者は 荷風と著作の関係性において 時間と空間を 読み手に意識させている。荷風の現実空間と時間を記録した「断腸亭日乗」と 小説空間(小説の中の世界)をリンクさせて 荷風の意図を抽出したいのでは ないだろうか

    「濹東綺譚」時間と空間の異なる 小説空間の主人公と 現実空間の著者を「断腸亭日乗」を 媒介に リンクさせてる感じ。ラディオが 何を象徴し、雪と対照性を持つことは 気付かなかった

    「おかめ笹」「つゆのあとさき」「ひかげの花」
    妾やヒモの無秩序な空間を 保存するための小説に感じた

    「断腸亭日乗」そのものが 荷風の現実空間と全ての時間を記録したものに感じた



  • 新書文庫

  • 新しいなにかを批判するのではなく、愛惜を持って一つの時代を見送り、興味を持って新しい風物を見ようとする永井荷風がおもしろい。文学部のひとってこういうこと(本の内容)考えて暮らしてるのかなあ、と勝手に羨ましがりながら読んだ。いいなあ。<BR>
    [05.12.12]<mthr

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著者プロフィール

江藤 淳(えとう・じゅん):文芸評論家。昭和7年12月‐平成11年7月。昭和31年、「夏目漱石」で評論家デビュー。32年、慶應大学文学部卒。37年、ロックフェラー財団研究員と してプリンストン大学留学。東工大教授、慶大教授などを歴任した。新潮社文学賞、菊池寛賞、日本芸術院賞、野間文芸賞など受賞多数。

「2024年 『なつかしい本の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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