わるいやつら 下 (新潮文庫 ま 1-9)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109091

感想・レビュー・書評

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  • 胸くそ悪いけど何故か読み進んでしまうストーリー、エンディングも満足できるオチでした。

  • 下巻。
    期待通りに戸谷が追い詰められていく様が愉快だった。
    他人を弄んで手玉に取ってたつもりが、逆に手のひらで踊らされていたっていう、なんて哀れで滑稽なんだろうか。
    読み終わって改めて「わるいやつら」というのは面白いタイトルだなと思った。
    本当のわるいやつらは誰か…?あの二人か?いや、やっぱり一番悪い奴は戸谷だと思う。身から出た錆、自業自得、因果応報。
    上下巻一気に読んでしまった。松本清張は読みやすくて面白い。
    「黒革の手帳」「砂の器」「わるいやつら」と読んだから次は何を読もうかな。

  • 戸谷の視点で上下巻ずっと書かれていたから、最後の警察に問い詰められるシーンは、読んでるこっちまでハラハラ。

    このハラハラは初めてかも。

  • 上巻までは優男とダメ女達の情念物語、って感じだったが
    まさかの裏切り者・藤島チセを追っての東北旅行あたりから先を読むのがもどかしくなった。

    徐々に戸谷が追い込まれて行くスピード感が楽しめる。

    多摩の死体の確認の大雑把さや、交換手を介しての電話で互いに居場所が分かってしまうところなんかに時代を感じるけれど、人間の内面に潜む悪の姿が現代においてもまるで色あせないところがさすがの松本清張。

    最後の最後、一番のわるいやつらが判明したところではやられたー!って感じ。
    この二人は一体どのあたりからグルになって手を組み始めたのだろう。

  • わるいやつ「ら」、、
    男と女、金と欲にまみれ。。
    結局、一番悪いのはやつらwww
    昭和30年代にこんな完成され、ワクワクする作品、とても素晴らしい!

    「長編ベスト5」残りの3作品が楽しみだ♪
    1.砂の器
    2.点と線
    3.わるいやつら
    4.ゼロの焦点
    5.黒革の手帖

  • 自分の欲望を満たすべく犯行を決行する病院長の戸谷信一。病院長でありながら、色と金銭欲にまみれた自分勝手な男の末路を描く。それ以上の「わるいやつら」が登場する。最後の戸谷が見たものでやはりそういう事だったのかとわかる恐ろしさ。上下2巻の長編ですが、文章は読みやすかったです。2023年8月19日読了。

  • 『わるいやつら』
    2023年5月28日読了

    題名のとおり「わるいやつら」ばかりである。
    登場する人すべてが、何かしらの悪事を働いている。

    他の作品では刑事側の視点に立ち、謎が解き明かされていく様子を楽しむミステリーだったが、本作は犯人側の視点に立ち、いつ自分の悪事が明るみになってしまうのかと、そのドキドキ感を味わえるサスペンスであった。

    それにしても、主人公であり病院の院長でもある戸谷真一のクズっぷりたるや。
    数多くの愛人を抱え、しかも彼女らを金づるとしか思っていないのだ。いざ利用価値がないとわかると、冷徹にも捨ててしまう。
    前半は戸谷のクズさに少しばかりイライラしつつ、看護婦長の寺島トヨの薄気味の悪さにおびえつつ話が進んでいく。文章全体にねっとりとしたうすら寒さが漂い、物語の行方を暗示させている。

    後半は、庇いきれないいくつもの悪事を重ねた戸谷の、どうにも落ち着かない心情が丁寧に描き出される。おもわず自身と戸谷とを重ね合わせて、何者かに徐々に追いつめられる緊張感を味わってしまった。特に、刑事とのやり取りは秀逸で、どこまで知られているかわからない状況での攻防戦は、手に汗にぎる一幕だった。

    独房で一人「自分に面会に来てくれる人物はいるだろうか」と考えを巡らせ、
    「それは自分が殺した横武たつ子ただ一人」と回想する場面。
    わたしの中で一番印象的だった。

    自業自得と言ってしまえばそれまでだろうが、なんと可哀そうな結末だろう。
    きっと網走の監獄で、一人死に行く彼は、幾度となくそれを思い、苦しむのだろう。

  • 自分のしたことは良いことでも悪いことでも必ず返ってくると改めて感じた。

  • 最後なるほど1番悪いのは✖︎✖︎なんだと
    思った。

  • 昭和35年から週刊新潮にて約1年間、連載された小説らしい。考えてみれば、半世紀以上も前に書かれた作品。当時の医師や弁護士となると、現在よりさらに社会的な地位や信頼も高かったと推察されるが、こうした職業人をストーリーの中心に据えるのあたりは、松本清張ならであるように思われる。また、骨董の世界の裏と面も、重要なポイントになっている。本作品の特徴は、登場人物がすべて悪人であること。まさに、タイトル通り「わるいやつら」である。弁護士の下見沢、そして槙村隆子のその後の人生が気になる。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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