砂の器〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 松本清張
  • 新潮社 (1973年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109244

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砂の器〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 猛暑で線路にゆらゆらと陽炎が立ちのぼるのを見たら、「紙吹雪」を捜す今西刑事のことを思い出して突発的に再読した。
    炎天下の線路沿いをたった一人、証拠を求めて歩いた距離は1日で約36キロ! この執念がずっと脳裏に焼き付いている。『日本方言地図』が出てくる場面も好き。
    以前読んだ時のあやふやな記憶が、著者の意図とは違ったミスリードを誘っておもしろい。
    上巻では、蒲田の事件とあの人は全然つながりが見えないんだなぁ。

  • 殺された被害者の身元が分からず、、
    北へ西へと翻弄される。。
    やっと身元が判明したが、手掛かりとされる人物たちが次々と不自然な自然死・自殺していく

    下巻への振りだと分かっているがテンポ良く流れに引き込まれてしまう。

  • 松本清張の代表作。昔読んだことがあり、懐かしくなって再び手にとってみた。清張先生の作品は面白い。この時代にベレー帽を被った革新主義の若者たち、さぞやハイカラだったことだろう。またこの事件を追い続ける刑事さんが渋くて良い。この雰囲気がとても好きだ。

  • 刑事が、数少ない手掛かりを頼りに、粘り強く捜査を続け事件の真相を突き止めるお話し。長編だけど、最後まで引き込まれた。

  • 蒲田で起きた元巡査の殺害事件。一緒にいたと思われる人物の東北訛りとカメダという言葉だけを手がかりに進められる捜査。移動や通信の手段が遅く、DNA鑑定もなかった時代の話ですが、今読んでも面白いです。
    地道にコツコツと足で捜査する今西刑事、好きですね、こういう人物。
    テンポよく展開していくのではなく、じっくり読むのにふさわしい文章もいいですね。下巻も楽しみです。

  • 未明の蒲田操車場で見つかった惨殺死体。手掛かりは、被害者の東北訛りと〝カメダ〟という言葉だけだった。ベテラン刑事の執念の捜査は、社会の光と闇を巡りつつ、父がハンセン病であったがゆえに家も故郷も失い、別人になりすまさねばならなかった一人の新進音楽家へと向かっていく。緻密な構成と意表を突く展開に多彩な人間模様を盛り込みながら、心に空洞を抱える青年の悲運と凶行を通じ、戦後の日本という巨大な〝砂の器〟が逆照射されていく。

  • 以前、途中まで読んだのだが何故かその続きを読まずに今まできてしまった。このタイミングで再読したが、面白い!蒲田で起きた殺人事件が思わぬきっかけで色々な事を明るみに引きずり出していくのだが、まぁ、騙されましたわね(笑)その先どうなっていくのかは、下巻に続くけれど。松本清張の本は何冊か読んだ事があるけれど、サスペンス系のは本当に読み応えある。

  • 面白い。
    古い小説ではあるけど、気付けばのめり込んでいた。
    そして、土地土地の描き方がよかった。別に特別な表現を使っているわけではないけど、行ってみたいと思わせる。
    思わず地図で羽後亀田や亀嵩駅を調べてしまったほどに。
    ただ、今西刑事の勘が冴えすぎているような気がする。

  • 名作なので、以前から読んでみたかった。
    1960年代の作品ということで、語り草や、今は使用しないであろう言葉回しが、時代を感じさせる。
    ストーリーそのものよりも、今の日本にはない感性や人間同士の関わりが面白かった。
    その時代にタイムスリップしたような感覚が、とても新鮮で、どんどん読み進められた。
    まだミステリーの部分は解明されていないので、下巻が楽しみ!

  • スペシャルドラマを見て原作を初めて読んだ。名作と言われているものがどんなものかと思ってたけど、さすが、と思った。かなり前の作品なのに殺害方法が凝っていて危機迫る感じがしたし、昭和のサスペンスなだけに連絡手段などが古いのがまた新鮮だった。

  • 言わずと知れた社会派ミステリの金字塔。上巻は刑事の執念による草の根捜査から徐々に事件の核心に迫っていく展開が非常にスリリング。しかし、下巻は一転して科学捜査に傾倒。結局、科学捜査により解明されるオチは少々興冷め気味。
    犯人が素性をひた隠しにする理由についても、もう少し掘り下げて欲しいと感じた。テレビドラマや映画がヒットしたのは、その辺りの描写を原作よりも深めているからではないだろうか。

  • ゼロの焦点に続く、松本清張。

    既にドラマで見たことあるので概要は知っているが、いつの間にかドキドキしながら読んでる自分がいた。

    後編へ続く。

  • まわりくどくなく、読みやすい作品。

  • 読んで損はなし。

  • 映画も見ました。

  • 清張先生さすがの面白さです。今なら携帯電話もあるし血液鑑定なんてすぐ出来るのにまどろっとこしいな〜、と思いつつもそれが逆に新鮮。下巻まで一気に読んでしまった。

  • ずっと松本清張の作品を読んでみようと思っていたので、ドラマも見たことのあるこの作品からにしようと。

    犯人を知っているので、謎が解き明かされていく感覚や推理していく行程はないですが、ミスリードや伏線を拾いながら読めるのがいいですね。

    平成生まれなので、要所要所に感じる昭和らしさが逆にとても新鮮。でも決して読みにくい文体ではないのもいいですね。下巻も早く読んでしまおう。

  • 初松本清張。
    思ったよりサクサク読めた。
    たまたま手に取った雑誌にそんな都合よくヒントが出てくるのかというツッコミと、黒幕が早々に出て徐々に包囲されていく緊張感と。

  • 早く下巻を読みたい。。。

  • 寝る時間も惜しんで、のめりこんで読めた作品。
    推理系の小説は最後にドンデン返しがよくくるけど、これも同じく。

    おもしろかった~exclamation

    でも「偶然」が重なって、事件解決に繋がってるようにも見えるねんけど、現在の警察組織もそんな感じなんかな?
    本当些細なことへの執着とか、日常生活の気にも留めない様なことから、事件解決へと至るんかな?

    それとも小説やからかな?
    素朴な疑問。

  • 【松本清張作 砂の器】
    有名すぎる作品ですが、
    音が大きなキーワードになっている作品です。

    簡単なストーリーは・・・
    ============================
    ある夜、蒲田駅の操車場で、一人の男の他殺死体が発見された。
    被害者は三木謙一という、誰かの恨みをかうなど考えれない善良な元巡査。
    (小説当初では身元判明せず)

    手がかりは事件発生直前に、被害者が犯人らしき男と東北弁でしゃべっており、
    その会話の中に「カメダ」という地名らしき言葉が聞き取れたということのみ。

    なぜ三木は殺されたのか?そして犯人は?
    ============================

    ここから先はネタばれです!
    音のキーワードとは何か?

    ・一つは東北弁と似た方言が、他の地方にもあるということ。
    警視庁捜査第一課の今西刑事は被害者が東北弁であったということを手がかりに、東北にある「カメダ」という土地(羽後亀田)を捜査します。
    しかし、一向に怪しい人物は出てこない・・・
    そんなとき出雲の辺りの方言は、非常に東北弁と似ていることを発見。
    カメダは鳥取県の「亀だか」という土地の名前だったという話。

    日本の方言は、離れている場所でも、非常に似ている場所があるようです

    確かに、福岡と仙台で同じような語尾の方言があったな~「○○っちゃ」と「○○だっちゃ」

    ・犯人の和賀英良の仕事は作曲家。 
    映画・ドラマではクラシックのピアニスト兼作曲家という設定ですが、小説ではミュジーク・コンクレートという現代音楽の作曲家になっています。
    そして、驚くことに小説では音を使って2人も人を殺している!
    超音波を使うそうです。
    人間には聞こえない超音波帯域の波長を長時間、周波数を序序に変化させながら聞かせると、精神状態に一種の昏迷がみられたり、嘔吐、下痢、頭痛を伴う。
     
    最後は心音が異常になり心臓麻痺を起こすらしいです。

    本当かな?

    これを殺人の凶器と発見するまでに、
    刑事は大学の音響専門家に音の話を聞きに行くなどしています。

    きっと清張も、音についてすごく調べたのだろうと思わせる文章があちらこちらに出てきます。

    そして、今西刑事が音があやしいと見込んだあと、
    街を歩いたときの文章がこれ
    そのまま抜粋しました。
    =========================
    今西はここで三十分ばかり話を聞いて、外へ出た。
    彼は区役所の方へ歩いた。
    ゆるやかな勾配を登った。近くに学校があるらしく、子供の騒いでいる声が聞こえてきた。
    丹後屋で聞いた話は、今西に一つの確信をつけさせてくれる。
    道を歩いていると、朝の澄んだ空気の中に、子供の騒ぎ声が一段と高く聞こえる。
    騒々しい声だ。その声を聞いていると、また、音のことに連想が走った。
     うるさい音。
     不愉快な音。
    今西には、一つの記憶がある。
    死んだ恵美子が最後にうわごとのように口走ったという言葉である。
    (とめてちょうだい。ああ、いや、いや。どうにかなりそうだわ。もうやめて、やめて・・・・・・)
     今西は歩く。
    考えながら、うつむき加減に歩く。
    電車が横を通って走った。
    路線がカーブになっていて、電車は車輪をきしませてキーと金属音を立てた。
    いやな音だった。
     いやな音、いやな音・・・・。
    ===========================

    すごく音を敏感にあらわしている文章です。

    清張はいやな音とは何だろうと考え、まわりの音に耳をすませたことがよく分かります。

    清張がこれを書いたのは1960年から。
    『読売新聞』夕刊に掲載されていたようです。

    蛇足ですが、この小説の中... 続きを読む

  •  初めて読んだ松本清張の作品。冗長な部分はあるものの、全編に渡る描写と雰囲気の濃さに一気に読んだ。音を用いた殺人という凶器は腑に落ちなかったのだけど、その納得感の薄さを差し引いても面白く読めた。読者が今西と同じ目線に立って読めるようになっているからだろう。

     レビューで「ハンセン氏病の差別について書かれていた」とあったが、ラスト近くにあっただけであまりその意図は感じられなかった。ただ、関川が恵美子との関係をひた隠しにするなど、一見華やかな人物の後ろ暗いところの隠し方など、ハンセン氏病に限らず「触れられたくないこと」に対する人間のやましさ、臆病さについてはよく書かれていると思う。

  • 初めて読む松本清張氏の作品。
    島根県に旅に出ることを決めて、島根を舞台にした小説を探して見つけました。
    まわりに聞いてみると、意外と読んだことのある人が多くて、遅ればせながらデビューしました。
    島根、島根、と思って読み始めたのですが、後半になるまで全く出てこず、心配になったころにやっと到着。
    それでも、物語としての面白さがあり、ぐいぐい読めました。
    私が生まれる前の作品ですが、この頃の方が、通信手段等がシンプルで、想像しやすいのかもしれません。

  • いつか読まなきゃと思っていた松本清張の本をようやく手に取った。この日のためにドラマスペシャルも観たいのをずっと我慢してきたこの10年。
    無駄のない男臭い文章がよい。私は遅読の方で、文芸作品だったら一時間に30ページくらいしか読めない人間なのに、この作品では80ページくらい読めてしまった。それくらい読みやすいのに重量感のある内容であるのは、清張の「読ませる」力量に尽きると思う。面白い!

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砂の器〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと"カメダ"という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。

砂の器〈上〉 (新潮文庫)のKindle版

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