共犯者 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109466

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  • あいつを消さねば――。
    完全犯罪をもくろんだ男のつまずきとは。スリリングな短篇10篇。

    銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、
    事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。
    疑心暗鬼から自滅していく男を描く「共犯者」。
    妻の病気、借金、愛人とのもめごと、仕事の失敗――
    たび重なる欲求不満と緊張の連続が生み出す衝動的な殺意を捉えた「発作」。
    ほかに、「恐喝者」「愛と空白の共謀」など全10編を収める。

  • 社会派推理小説家巨匠による短編集。
    市井に住む輩の犯罪の発端、発覚、破滅を描くパターンが多いようにも思うが『剥製』のように犯罪とは無縁の人間の虚飾をテーマにしたようなモノも混じっている。
    『発作』の主人公は妻に送金しなければならぬ身でありながら愛人を抱えその金策のため金の前借りを続けてしかも愛人との破綻を覗かせるという自業自得なストレスが高じるという話で人間の屑部分について普遍性のある作品である。

  • 社会派の傑作、、うーん。あまり社会派だとは思わなかった。過大評価。どちらかというとアリバイ崩しものの本格ミステリ。

  • どの短編も読みやすい。
    男女間の縺れを扱った作品が多い。
    個人的に「共犯者」「愛と空白の共謀」「典雅な姉弟」が面白かった。

  • 清張的短篇集,好適合坐飛機的時候看。

  • ミステリー短編集。
    トリックよりも、犯罪に至る人間の情念に読み応えがある。
    印象に残ったのは、殺意が生まれる瞬間を描いた「発作」。もの書くことに執着する惨めな姿を描いた「点」「剥製」。

  • 初清張作品。
    序盤は非常にどんどんと読み進んだが、途中で読む体力が持たず、ペースダウン。

    あまり推理物を読んでこなかったため、全部読むには体力がいる。

    内容としては、他にはない切り口で興味深い物であった。ただ、短編ではなく、長編を読みたいと思った。

  • 表題作の「共犯者」のほか、「恐喝者」「愛と空白の共謀」「発作」「青春の彷徨」「点」「潜在光景」「剥製」「典雅な姉弟」「距離の女囚」を収録する短編集。

  • 松本清張の短編小説集。
    今回はあまり良くないと思われるものもあったが、とにかく読ませる力量は凄い。
    集中、「潜在光景」「距離の女囚」あたりが特に印象的だった。
    この「文豪」と呼べるほどの膨大な作品を世に出した作者、人間たちの「出来事」を様々なシーンから切り取ってくるアイディアの無尽蔵さには舌を巻く。

  • せんせい

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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