状況曲線(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101109633

感想・レビュー・書評

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  • 細かい描写については、さすが清張は読ませる。
    また、談合についての正義のペンは鋭く長く続く。
    以下下巻感想

  • 清張らしい面白い作品で一気に読めた。建設業界の談合の実態を知ることができた。ただし、最後のトリックを解明する場面では、あまりにも偶然が重なり過ぎているなあという印象。

  • 戦後の公共工事をめぐるゼネコンと大蔵省との談合が舞台設定。その会合を取り仕切る正体不明の大物仕切り屋。政治家や大蔵官僚などと昵懇な関係は、戦時中に築かれたもののよう。談合の一社でにある建設会社の専務が、不可解な殺人事件に巻きこまれていく。

  • 文体読みづらかったけれど途中から物語の力でどんどん読み進められるようになった。今の人が書く文体と昔の人が書く文体は違う。パソコンと手書きの違いだろうか?でも、松本清張の物語は面白い。

  • 途中まではとても面白いが、途中からは三流トレンディドラマみたいで面白くなかった
    ただ、それぞれの登場人物の感情の変化の描写は流石。
    今のところ、清張の作品で全てがしっくりきた作品がないのが気がかり。。。

  •  実は松本清張を読んだことがなかった。子供の頃は社会派で難しそう、なんだか怖そう(横溝正史と印象が混ざってる)で。大人になってからは時代に読むと古くさそう……という印象だった。

     薦められて読んでみたのだが、思ったより文章は硬質ではなく叙情的、そして何より主役が50代を超える太って小柄な中年男性。高度成長期の建設会社の専務さんで、談合とかしちゃうんだぜっていうんだから何というかすごい。どうしておまえが主軸なのか。イケメンとか若者じゃないのか。
     しかしながら、主人公の味岡が陥れられ(たと思い込んだ被害妄想もすごい)、困ったとしても、警察や誰かに相談できない。なぜなら談合がばれてしまうのが問題だから。談合を上手く行かせるために我慢しなければならない。こういう心理的な追い詰め方は素直に納得できてしまう。

     もちろん時代的背景とかはその時代であり古いのだが、けれども、きちんと芯の通った人物が描かれているので、読んでいてはらはらする。味岡さんどうなるの?って。
     下巻でどうなるんだろう。

  • 状況曲線上巻は事件を通し、話の主となる登場人物が少しずつ絡みながら淡々と話が進んでいく。建設業界と政界、官公庁関連とのつながりの闇の部分が少しずつ出てくる。
    登場人物の心理状況はなかなか面白いが、淡々と話が進んでいくため、興味をそそられる部分にかけるところもあった。しかし、上巻の終わり方が非常に読み手の気持ちをくすぐるようになっているため、下巻での結末に期待が持てる。

  • 建設会社の専務味岡が談合団体「南苑会」との関わりの中で殺人事件に巻き込まれる。しかも自分を犯人に仕立てる罠として。味岡は混乱する。13.10.6

  • 再読。3~4回目。
    前半と後半で視点が変わりますが、前半は追い詰められるスリル。
    良くも悪くも松本清張なので、ジリジリした進行に焦らされます。そこが好き嫌いの分かれ目かな。
    →下巻に続く。

  • 大手ゼネコンの専務、味岡は、出張先の温泉地で年増芸妓の金弥と関係を持つ。翌日、ゼネコン業者と国会議員との間を取り持つフィクサー、巨勢が主催するゴルフコンペに参加した味岡が、金弥と逢引の約束をした宿で巨勢の事務員の死体に遭遇する。味岡は無実だが状況証拠は味岡が犯人であることを示すものばかり。何者かの罠に追い詰められ心身喪失状態になった味岡。その死体が静岡のダム湖で発見された。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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