- Amazon.co.jp ・本 (594ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101114088
感想・レビュー・書評
-
『つばき、時跳び』を読んでいて、無性に読みたくなった。
★5つどころか10コでも足りないくらい。
これは、『つばき、時跳び』の、あの一瞬の「キュン!」を、物語全般に塗りこめたような話で、それこそ、「キューーーーーーーーーーーーーン!」みたいな(爆)
しかも、物語が進むにつれ、その「キューーーーーーーーーーーーーン!」の振り幅が強く大きくなってくるという、もう書いていて、やっぱり恥ずかしくなってくる。
まあー、つまり、この手のタイムトラベル物というのは、読んでいて恥ずかしくなってくる、その感覚を楽しむお話なのかもしれない。
この『満月』がいいのは、一にも二にも、主人公のまりの今風(今となっては、あの頃風w)なドライな人物造形によるところが大きいと思う。
(男から見ると)たぶん、そこが、やたらカワイイ…、んだろう。←結局中二病w
いかにも女性作家というような、つっぱらかせ方の面も無きにしも非ずな気がしないでもない(?)が、主人公がこういうキャラだから、「キューーーーーーーーーーーーーン!」が間延びした感じにならずに、なおかつ、「あー、恥ずかし!」的な部分を素直に味わえるんじゃないだろうか。
もしかしたら、その辺りは文学作家たる著者ならではなのかもしれないなーなんて思った。
この本は、当時、本屋で平積みになっていたのを見て(表紙も映画の場面だし、映画化の帯もついているから、それで手に取ったんだろう)買ったんだと思う。
確か、日曜日で、夕方から読み始めて、一晩で読んでしまった記憶がある。
読み終わって、寝て。月曜の朝、起きた時、すんごーく優しい夢(どんな夢だ?w)を見た記憶が残っていたのを憶えている。
いや、肝心の内容は全く憶えてなかったんだけど、それでも月曜だというのに、一日なんとなく朗らかだった記憶がある(爆)
そういう意味でも、とってもいい本だと思うのだけれど、なぜか絶版なんだよなー。
タイムトラベル物専門のブログをやっていた人も知らなかったくらいで、本当にもったいない。
ただ、タイムトラベル物といっても、SF的な理論とか理屈(&こじつけw)は一切出てこないので。
そういう設定の担保がないとダメな人は、全然うけつけないお話かもしれないので注意!w詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーーーん???
主人公が酒飲みタバコ飲みで家事はおばあちゃん任せで子どもっぽい。突然男の人を居候させることになったのは嫌だろうけどさぁ…
そんで今風にしたらイケメンだから好きになったの??
戻れるかわかんないけど妻子持ちの人との恋愛関係を求めるっていうの苦手。
とにかく主人公が苦手!!でした。 -
江戸の時代からタイムスリップしてきた武士と現代の女性との恋物語との事でかなり好きな設定ななので読んでみました。結構昔の本みたいで、読書初心者の自分には言い回しとか難しかったけど、楽しく読めました。
最初はかなり警戒し、気違い扱いして追い出そうとしていたまりもある切っ掛けがあってからは小弥太大好きになっていくのが、読んでいてかわいいなぁ〜と思いました。ですが、この恋は期限付きの恋です。終盤は切なくなりながら読み終えました。
過去へと戻った小弥太はどうなったのかは結局わからなかったけれど、まりと小弥太が過ごした日々は確かに存在していてお互いにかけがえのない愛を育んでいたのは事実なのです。 -
いきなり武士が現代にタイムスリップするという、まさかそうきたか、という、何しろ語り口が実にユニークというか、まぁ丁寧口調的なんだけども、更にはこの武士の昔ことばと相まって、なんだか序盤からワクワクさせる。不思議。
しかし中盤に差し掛かるやまさかのラブコメ展開となって、しかも制約付きだから実に歯痒く、これが昔の小説っぽくて何から何まで、昭和、ていうか大正?いや江戸か。
まぁ中盤からはうーんじれったい(winkの歌声で)ていう話を聞かされ続けてお腹いっぱいなんだけど、タバコ吸うわ酒も飲むわの豪傑がこれをやってるのがギャップ萌えっていうか、まぁ未来の保の苦労が忍ばれる。大変だわ、あの人。 -
仲秋の満月の夜、愛犬セタを連れて散歩に出た
若い高校教師まりは、豊平川の河原で奇妙な男と
出逢う。まるで時代劇から抜け出してきたような
格好の男は、津軽藩士・お手廻り組、杉坂小弥太重則と
名乗った。アイヌの老婆フチの魔術によって
時を越えて北国の街に現れた三百年前の侍と、
現代的な女教師との不思議な恋愛を描く、ちょっぴり
切ない長編ロマンティック・ファンタジー。 -
もう何度も読んだのだけれど、何度読んでも、切なくて心乱される。
映画の公開をきっかけに読んだので、かれこれ25年も読み続けていることになる。
過去から来た侍と現代女性との期限付きの恋。
最初のうちは彼小弥太に反発・反感を持っていたまりの心が彼に向いていく。それゆえ、彼の過去へおいてきた者への思いに悩む様子に切なくなる。
まりの祖母のできぶつぶりも魅力的。かなわないなーと思わされる。
昭和の時代の物語だけれど、古くならない。
永遠の名作。 -
けっこう前の本と聞いて読みましたが、とても新鮮な気持ちで読みました。
アイヌからタイムトリップしてきてしまった侍と本の語り手、「わたし」との一年間の日々。
じわじわとお互いを好きになっていくのに、別れの日も近づいているのがわかるので、せつない気持ちで読み進めました。いい一冊でした。 -
内容は覚えていない(^^;
すっごく面白く徹夜で一気読みしたことだけ覚えている
未所有で残念 -
二人の関係性とその変化が、情景描写のなかに垣間見える。
舞台設定を練ることの楽しさと重要性を覚えさせてくれた作品。