- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101115016
感想・レビュー・書評
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「泣きたい時には泣く、笑いたい時には笑う…」それができなかった彼は、二冊のノートを遺した。そこに託された言葉から紐解かれるのは、愛の重さに比例するように深まってゆく孤独。その心情が本人の口から語られないことで、より一層その深さが際立っているように感じた。
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廊下は凍りつく寒さで、スチームの管から白い蒸気がしゅっしゅっと洩れる音さえも侘しかった
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今から50年程前の高校生の頃読んだ作品だが 本当にこの時期に出会えて良かった。この現代で初めて読む人達には色メガネをかけずに読めるのだろうか? 自由が不自由の内の自由から 自由を飛び越え過ぎ 多様化で自由の名の不自由な現代で このプラトニックな愛情を 人に紹介はできないのか?一生大事にしたい作品である。 -
感想
矛盾した気持ち。人に近づきたいがわからない。自ら孤独を選んでしまい人から離れる。もし生活が続いていれば。人生の曖昧さを受け入れられたかも。 -
<…僕等を囲んで、天もなく海もなく、場所もなく時間もなかった。風が吹こうと波が荒れようと、この夜は永遠であり、この愛は永遠だった。もう不安もなく絶望もなかった。p.169>
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小学生の時に初めて読んだ記憶。最初の聖書の引用から刺さった。ピュアな、でも生きるのには真面目過ぎるとしんどいね。
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この本を読んだ前後に、ある13人の集まりにおいて、全員の意見が出ず、私と他数名の意見で物事が進んでいくということが起きており、そのことが気になっていた。
小説は、非常に親密な関係や、あるひとりを掘り下げていくものが多い。
私は、その集まりのあまり声を上げない人の思いが知りたい。
まぁ小説でも、学校のクラス、家族という集団を扱ったものがあるなぁ。
褥(しとね)
座るときや寝るときに下に敷く物。しきもの。
艪(ろ)
和船をこぎ進める用具の一。
舳(へさき)
船の先端部。
艫(とも)
船の後部。
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5時間
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役名:汐見茂志
成功率が限りなく低い手術をわざわざ受けるのは、自分を死刑にするため。理知と繊細ゆえに友人との友人を超えた愛も実らず女性との恋も実らず、病に倒れる。超絶知的デリケートな美しい小説。主人公の名前も好き。