夢みる少年の昼と夜 (新潮文庫 ふ 4-5)

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著者 : 福永武彦
  • 新潮社 (1972年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101115054

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夢みる少年の昼と夜 (新潮文庫 ふ 4-5)の感想・レビュー・書評

  • 不安定な少年、少女期の果てしない空想(妄想)。思春期を過ぎ、変化に乗り切れなかった女性の妄想に壊れていく姿、妄想に巻き込まれていく男性。常に死やおしまいの予感の漂う中、強い感受性によりそれを綺麗に包み隠そうとしつつ、読み手を導いていく印象でした。戦争と言う大きな傷、変化を踏まえたこその作品のような気がします。それゆえ抱える重さもひとしおです。

  • 幻想的な短編集。『幻影』が特に気に入った。福永武彦の愛についての思想を垣間見ることが出来る。どの作品も夢のようで儚く哀しい。

  • 草の花の美しさに中てられて読み始めたので、長編と短編の違いで少し戸惑った。しかし読み進めるうちに、短編は短編で瞬間の風景を切り取る力に魅せられた。幻想の中に住む人たちについての短編集といったところだろうか。「鏡の中の少女」「死後」「世界の終り」のような夢遊病に近い感覚を持つ小説は夜に読みたい。

  • ぶんがくーなアイテム(鏡とか)がたくさんちりばめられた、幻想的で素敵な短編集なんですが、何で引用文がわざわざそこなのっていうとこ登録しちゃったよ。

  • 「死神の馭者」がいい

  • 再々読……くらいでしょうか、記憶も曖昧ですが。
    1954-1959年に書かれた短編集。
    長~いブランクを経て読み返すことの醍醐味を再確認。
    その昔、気に入っていたお話が、
    今、この年で(笑)読んでみると、
    どうにも感傷的過ぎる気がして評価が低くなったり、
    逆に、かつて今イチとか思った作品が、
    すこぶる面白かったりするというアレです。

  • ◎「死後」 ○「風景」「幻影」

  • 『夢みる少年の昼と夜』、『秋の嘆き』、『沼』、『風景』、『死神の馭者』、『幻影』、『一時間の航海』、『鏡の中の少女』、『鬼』、『死後』、『世界の終り』の11篇の幻視譚。ギリシャ神話に惑溺する少年の夢想を描いた『夢みる少年の昼と夜』、物の形が大きくなり自分を押しつぶす様に見え、自分が鏡の中に映る自分に乗っ取られてしまう『鏡の中の少女』、医者の妻が世間体を気にする姑と夫の狭間で段々と魂が壊れてゆく様を描いた『世界の終り』が好みだった。普通なら「華奢」と書く所を「花車」と書いているのが印象的。

  • 短編集。
    どれも共通して昔の児童文学のような独特の古めかしさを持った文体。
    有島武男みたいに、
    話の内容の幼さと文章の媚びない感じがちぐはぐでいい。
    表題作は長野まゆみの小説のような、
    キラキラした単語の羅列が美しい。
    空想少年はいつも素敵。

  • 幻想的な短編集。「秋の嘆き」が一番好き。

  • 『朝、目が覚めかけて、途中で消えてしまった夢の筋を思い出そうとしている混沌の中で、急に自分が「僕」であることを、同時に今寝ている部屋、昨日から続いている生活、つまり日常というものを、瞬間に、無理由に自覚する。その時に、不意と、奇妙に、その観念が彼に落ちかかって来たのだ。これは僕ではない。』

  • 孤独な少年の内面を描いた「夢みる少年の昼と夜」。不可思議な死をとげた兄の秘密が、やがて自己の運命にもつながっていると知った若い女性の哀れ深い生を描いた「秋の嘆き」。ほかに「沼」「風景」「幻影」「一時間の航海」「鏡の中の少女」「死後」「世界の終り」「死神の馭者」「鬼」など、短編全11編を収録する。

  • 福永武彦の美しい短編集。やはり表題の「夢みる少年の昼と夜」は傑作だと思います。この子供の世界の不安定であやしい感覚、誰でも持っているものなのですね。美しく妖しい絵物語みたいなお話です。
    クックウ、と一つ。夜の女王があでやかに笑う。
    クックウ、と二つ。直ちゃんが顕微鏡を持った手で行く先を示す。
    クックウ、と三つ……。

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