漂流 (新潮文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (1980年11月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117089

漂流 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • すごくおもしろかった。読み終えて3週間くらいたつ今でも、あほうどりのことが頭から離れません。

  • 遭難し無人島に辿り着いた水夫のサバイバルとしても充分面白いが、3つのグループが次々に漂着した偶然がドラマをさらに劇的にしており、彼らが直面する様々な困難と葛藤にページをめくる手を止めるのが難しい。時折悲喜劇も混じり、殊に3番目に着いたグループが無人島と知り絶望感に陥るのに対して、既存の漂流者が仲間が増えた事に喜びを隠せない対比などは、人は慣れる生き物で、歴史は繰り返すものなのだと示しているようで印象的。一般に人数が増えるほどトラブルの種も増え得るが、結末が示す通り、彼らの間には比較的良好な関係と団結力が存在していたらしい。それは後にやってきた2つのグループの長に、年下の「先輩」や「他者」を尊重する見識があったのが大きく、舟の上では年齢や出自でなく能力と経験を持った者が偉い(でなければ舟が沈む)という船乗りのルールがそうさせたのだとすれば、無人島は彼らにとっての船だったと見ることも可能だろう。船乗りでなければ漂流はなかったが、船乗りでなければ生還もあり得なかった。水と食糧を得る方法もさる事ながら、人間が生き延びるには何が大切なのかを如実に見せつけられた読後感だった。

  •  江戸時代、黒潮に流されて無人島に漂着し、12年後に生還した船乗りの男のドキュメンタリーです。作者の吉村昭は、遺作「死顔」で自らの老いと死までをもドキュメンタリー小説にしてしまった作家です。

     想像を絶するこの事件のありのままの姿が、細部まで描写されています。しかも作者はけれん味なく淡々と筆を進めています。その結果、事実の持つ重みが、損なわれることなく読者に伝わるのだと思います。

     生きて故郷に帰ろうと努力を重ねる長平の執念と、書くことに対する作者の姿勢とが重なっているように思われました。

  • 無人島に漂着した人たちのお話。絶望、失望、希望。生きるとはどういう事か。

  • すさまじい。すごすぎる。それに尽きる。

    これが(創作部分はあるにしてもおおかたは)事実ということに
    圧倒されて言葉も出ない。
    描き出す筆力がすごい。

    私には絶対に無理。断言できる。

    思ったのは「信仰心」「謙虚さ」というのは
    人を強くするし、生かすんだなぁと。

    あのような状況になっても神仏を信じ、
    念仏を唱え、いいことがあれば驕らず神仏に感謝する。
    そういう彼だからこそ助かった、生き抜けた、救われた。

    信仰を持たず常に弱気で現実を悲観する私と対極!
    人柄、だなぁ…

  • 日本版ロビンソン・クルーソー。いつ無人島に行っても大丈夫なように凸レンズは持って行こう。

  • 江戸時代に無人島へ流れ着いた漁師達の壮絶なサバイバルの記録。草木も水も食糧もない無人の火山島でどうやって生き延びていったのかが綴られており、その淡々とした語り口が却って絶望的な状況をリアルに感じさせてくれます。

  • 驚きです。
    江戸の時代に鳥島という何もない島、無人島へ漂流。
    「生きる。」
    すごいですね。
    これが実話に基づくからまたすごい。
    何も無いところでの生きるという意志と知恵。
    孤独な時でも生きつづけることをなしえた主人公の長平の精神力。
    孤独って、どんなにつらいか!?
    そして、自分との戦い、悟り?あきらめのように割りきる?
    人はすることがあり、することを作り出し
    動いて働く事がどんなに大事か。
    納得です。

    すごいです。

    あきらめない気持ちの大切さ
    そして、知恵と工夫で生き抜く術。

    想像が容易く出来ないほどの生活だったんだと思います。
    それをここまでわかりやすく描写されていて
    読めば読むほどにのめり込んでしまいました。


    本当、アホウドリ、何羽食べたのでしょうね??
    干肉づくりが1年で150羽が12年で1800羽
    7ヶ月毎日1羽だと210羽が12年で2520羽
    合計で4320羽を長平さんは、食べたのかなぁ?

    そりゃぁ、当人も鳥のような獣の臭いも
    しているような気もしちゃいますよね。
    でも、生きるためには!!

    すごかったです。

  • 吉村ファンにたまたま出会い、その人との共通の話題作りのため(笑)、手に取った一冊(^_^;)

    江戸時代、シケに遭って無人島にたどりつき、
    12年間もの漂流生活を送った長平の生き様を描く長編ドキュメンタリー。
    最初は4人で漂着するのですが、仲間がどんどん亡くなっていく孤独な様は、本当に心が痛くなります。
    そんな中、生きながらえる方法を徐々に編み出していく姿からは目を離せません。
    洞察力や生きていくための知恵以上に、前向きな気持ちの持ちようが大事なんだと、思い知らされる一冊です。

    まだ読まれたことがない方には、ぜひオススメします。

  • 絶望からの帰還。実話を元にしたというのが信じられないくらい、壮絶な記だ。何が起きてもあきらめないこと、知恵を働かせること。頭と共に、体も動かし続けること。人間と言うのは、どんな逆境も跳ね返す大きな可能性を秘めている生き物だ。そう思い知らされた一冊だった。

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漂流 (新潮文庫)の作品紹介

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説。

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