羆嵐 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117133

作品紹介・あらすじ

北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現!日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音…。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。

感想・レビュー・書評

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  • こちらも会社の先輩にお借りした一冊。

    北海道の天塩山麓の開拓村にヒグマが現れた。
    ヒグマは冬眠時期を逃してしまい、食べ物を求めて民家に襲いかかる。
    ヒグマは、わずか二日間で6人もの人命を奪う。

    開拓村の人々は警察に助けを求めるが、凶暴な人喰い熊になすすべもなく。
    そこに強力な助っ人が、熊を退治する為に立ち上がる。


    と、簡単に書けばこんな内容。

    しかしこの作家さんにかかると、物語の厚みが全く違うものに。

    臨場感が半端なく、熊の描写では鳥肌が立つほどに。
    上手だなぁ、、、、

    この作家さんの本は、何を読んでも惹きつけられ方が半端ない。
    自分もその村の住民になってしまうのだから。

    でも自分の中のこの作家さんの一番は、今のところ漂流だな(*^▽^*)

    • pさん
      読みたいけど怖い
      みたいな感じで手に取れません。
      絶対寝れなくなるし、いつヒグマに遭遇するか分からない生活なんでね…笑

      先日、町内で
      親子...
      読みたいけど怖い
      みたいな感じで手に取れません。
      絶対寝れなくなるし、いつヒグマに遭遇するか分からない生活なんでね…笑

      先日、町内で
      親子のヒグマいたとかニュースになってましたよ

      怖すぎます

      2023/10/29
    • bmakiさん
      pさん

      最近、熊のニュース多いですよね。。。
      近くにお住まいの方ならその恐怖は相当なものだと思います。
      私は海の近くなので、多分熊...
      pさん

      最近、熊のニュース多いですよね。。。
      近くにお住まいの方ならその恐怖は相当なものだと思います。
      私は海の近くなので、多分熊は出没しないでしょうけど、山に遊びにいくときは旦那がいつも熊鈴を鳴らしています。

      ヒグマは特に、シャレにならない恐ろしさですよね。。。

      私も知床に行った時、熊が怖すぎて遊歩道を歩くのはやめたような記憶があります。

      この本は怖いので、同作者の漂流がおすすめです( ̄▽ ̄)
      こちらも怖いと言えば怖いですが、ムキになって読み進められました。

      この作家さん、本当にリアリティが凄いです(*^▽^*)
      2023/10/29
    • pさん
      読むなら漂流ですね笑

      読みたいに登録しておきまーす!
      読むなら漂流ですね笑

      読みたいに登録しておきまーす!
      2023/10/30
  • 大正4年12月、北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢 でヒグマが開拓民を襲った『三毛別羆事件』をモデルにした話。
    入植した村落の者たちの過酷な環境だけでも圧倒されるが、そこに襲いかかる羆。どこまで厳しいのかと身が竦み上がる。
    状況が変わるにつれて恐怖感が高まり、羆に対する人々の感情の変化が生々しく伝わってくる。
    人々の銃に対する盲信、集団に対する安心に対して、一人で羆と対峙する熊撃ち名手の銀四郎は違う。
    羆の習性を知悉し、冷静に判断する。けれど誰よりも羆の恐ろしさ知り、畏敬の念を持っていた。
    人間は別の生き物を狩って生きてきた。が、その逆は考えない。羆にしたら人間は生きるための食料なのだ。そのことに思い至ったとき、別の恐怖を感じた。

  • H29.4.27 読了。
    羆が近くにいそうな怖さが伝わってきました。
    ドキドキしながら、一気読みしちゃいました。

  •  大正四年、北海道で実際に起きた、ヒグマが次々と人を襲う事件。あまりに有名なので、事件の存在は知ってはいたが、その事件のことを描かれた此の本を読むと、その生々しさは想像以上だった。
     羆一頭じゃないか、と現代人の感覚なら思うだろう。簡単に、駆除できるのではと想像するだろう。しかし、当時、武器を手にした男たちが二百名程集まろうが、それでもこの羆の圧倒的な力に抗うことができなかったのだ。大勢人が集まろうが、鎌や錆びた銃を持っていようが、深傷を追わせることすらできないのだ。
     冬の夜、この本を読んで、寒さの中の、暗闇での混乱を、リアルに想像できた。
     自然というのは、とても怖い。人が勝手に「うまくこの土地に馴染んだ」と思っていても、自然は前触れもなく手の平を返す。そして、曲げられないその条理こそが、畏れだったり尊さなのだと思う。
     羆と戦ったひとがいた。畏れを抱きながら。その話を書いた本書。…私は、この本を読めてよかった。

     そして、是非、倉本聰氏によるあとがきも読んで欲しい。
     その後の、色々な「運命」に、胸が熱くなることだろう。

  • 先月読んだ『高熱隧道』に感化され、手に取った吉村昭の2冊目。
    大雪山の紅葉を見ようと、北海道旅行に行くフェリーの中で一気読みしてしまった。
    いやいや、登山前のタイミングで恐ろしいモノを読んでしまった、と後悔(失笑)。

    苫前三毛別羆事件という、史実に基づく小説。
    二度と起こらないであろう高熱隧道の時代とは異なり、
    羆は今もなお、北の大地で息を潜めている。
    我々現代人だって、生きたまま羆に食される可能性はゼロではないのた。

    厳しい自然環境と経済状況でも、土地を離れることのできない人間達。
    集団で火を焚き、使い慣れない銃を持っていることで「安全」だと錯覚している。
    実際は、銃は使い物にならず、炎は羆にとって「餌」があることの目印にすぎなかった。
    羆にとっては、入植してきた人間が自分の縄張りを荒らしたことで環境が変化してしまい、冬眠場所が無くなり、空腹とストレスが溜まっていたのだろう。

    自然の摂理を理解し、孤独と闘いながら羆に立ち向かう老猟師の迫力が伝わってくる。羆の犠牲になった村人や、当初は「集団で羆を仕留める」息巻いていたものの実際は成すすべの無かった滑稽な男達は、自然界における弱者として描かれ、猟師と対比した描写が際立っている。

    そして、老猟師自身も、羆に向かう真剣な姿(自然界での姿)、酒癖が悪くトラブルを起こす姿(人間界での姿)の2面性が描かれる。

    最後は猟師が見事、羆を仕留めるのだが、犠牲者が多数出ていることや、その凄まじい惨状描写もあって、全体を通して、何とも言えない「寂しさ」を感じる作品であった。どれだけ文明が進んでも、大自然の中で人間はとても弱い存在であり、羆にまともに立ち向かえる人間(自然にマトモに立ち向かえる人間)もまた、減り続けているのである。

  • 人間vs熊という題材が大好き。
    圧倒的な羆の力を前にすると、人間は為す術もない。
    三毛別羆事件をモチーフにした小説。

    銀四郎おやじがいかに羆をしとめるか、という話かとおもったけど
    羆のおそらしさ・その被害が中心になっておりました。
    銀四郎おやじはゴールデンカムイの二瓶鉄造のモデルなんですね。
    読書中も二瓶のイメージでずっと読んでましたけど笑。
    解説に登場する大川翁の後日譚とか、話以外の部分でも楽しめました。

    恐怖、自然の偉大さを淡々と。こういう小説が好きです。

  • 「羆嵐」 吉村昭(著)

    S52 5月 刊行 新潮社

    S57 11/25 文庫発行
    H25 11/15 四十六刷改版
    R1 7/30 五十二刷

    再読。

    入植間もない北海道で起きた
    人類史上稀に見る獣害事件「三毛別羆事件」を題材に

    羆と人との闘いを描いている。

    調べに調べた事実だけを簡潔に綴る
    吉村昭の筆はなにがあっても揺るがない。

    でもまあなんと自然の恐ろしいことよ!
    姿かたちを変え人間の前に立ち塞がる。

    銀四郎おやじかっけー!

    巻末の解説は驚きの倉本聰。

  • 二日間で、一気読み。すごい迫力。肝が冷えた!!
    羆と人間の、命を賭した闘い。
    人間の無力さ、たくましさ。
    吉村昭は、どれも、つくづく、すごい。

  •  北海道の貧しい開拓集落で実際にあった羆害事件を題材とした小説です。吉村昭は事実に取材した小説をいくつも書いていますが、特にこの小説では基となる事件が衝撃的なものであるだけに異様な迫力があります。

     この小説で登場する羆は、ジョーズやシンゴジラも顔負けの恐ろしさで、どこで出くわすことになるのかとはらはらしながらページを繰りました。中篇といえる長さで、しかも文章が緻密で淡々として無駄がなくすらすらと読めるので、あっという間に読み終えました。

     羆撃ち名人である山岡銀四郎の活躍が、分署長たちの無能さと対比するようにして描かれています。銀四郎は妻子に去られた悲哀から、すさんだ生活をしています。普段は忌わしい厄介者でしかない彼が、羆を撃つ時だけは別人のように頼もしい男となるのは、胸がすくほどかっこいいけど、悲しくもあります。なぜなら、彼が命がけで羆を撃つのは、自分を死の恐怖に晒すことによって悲哀を忘れるためだと思えるからです。

     加えて、自然の非情さに翻弄されながら寒村で生きていかざるを得ない人々の姿にも、重苦しい悲しさを感じました。

  • いつか読もうと思いつつ、概要は知っていたのでなかなか手が出なかった一冊。
    このところ、異なる経緯で今作について聞くことが重なったので、読む時が来たな、と思った。
    とにかく文章が上手いので、身も凍るような寒さや羆の生臭い息までも感じられるようだった。
    事件について概ね知っていたせいもあるだろうが、人々が恐怖に飲まれていく描写が一際上手く、羆以上に人間の寄る辺なさにぞっとした。

  • 大正時代、北海道の開拓村で実際に起こった獣害史最大の惨劇、苫前羆事件をもとにした作品。
    淡々と綴られているのだが、無駄がなく、でも情景は目に浮かび、とにかく引き込まれた。
    クマを仕止めた後に吹き荒れるという羆嵐がタイトルなのを含めて、本当に良い作品だと思う。

  • 『バーナード嬢曰く』で知り、読みました。おもしろかったです! バーナード嬢のおすすめ本は、私と相性がいいみたいです。ほぼ外れなし。
    北海道の貧しい村にクマがやってきて、とんでもないことになっちゃう、実話ベースのお話。貧富の差だったり、厳しい自然だったり、人間の器の小ささだったり、いろんなものをつきつけられ、圧倒されちゃいました。(2019年11月5日読了)

  • 事件を端的に知らせるような筆致なのに、序文からすぐに小説の世界へ引き込まれる。
    詩的な、感情的な表現を用いていないため、人々の非力さが却ってくっきりと際立っている。
    哀しい群像劇をじっくりと味わうことができた。

    また、自然の描写が美しく、しかも扱い方が上手い。
    淡々と綴られていながら、雪に閉ざされる北海道の荘厳な風景が目にありありと浮かぶよう。
    凄惨な事件の最中に描かれる、午後の渓流の牧歌的な雰囲気が、事件とのコントラストを強め、また日常の地続きで一連の事件が起きているということに対する恐怖を高める。
    『高熱隧道』でも感じたけれど、合間に差し込まれる過不足ない自然描写が、物語に一層奥行きを与えて、まるで映画を観ているかように思わせる。

    すっかり吉村昭の世界にハマってしまった。
    ただ事件内容を描くだけでなく、その後色々と考えさせてくれるのも良い。
    次も次もと読んでしまう。

  • 人間を6人殺害した羆
    対峙する人間の無力さ、自然の猛威
    唯一の対抗手段として現れる猟師・銀四郎の存在感

    とにかく緊張感が凄かった
    羆が人を襲っている描写をリアルに描いているわけではなく、残酷さを表すのは残骸
    生ある者の描写がパニックを起こすまでに至る限界の緊張感を表している
    読んでいて本当に怖かった…

    遠い昔の話でも寓話としてのファンタジーでもない、今も隣にある話だと思って読後に振り返ると、より一層この作品の重さが増しました

    [読了短歌]

    奪う熊と命懸けで狩る猟師
    寓話でない世界に恐怖する

  • 実際にあった凄惨な事件ではあるが、読む分には面白かった。本件はWikipediaの書き方が時系列にまとめてあり、読み物として面白いと一部ネット界隈では有名だが(三毛別羆事件で検索)、本書はより緻密に事件前後の話(村ができた経緯など)や、主要人物に焦点を当てたそれぞれの村での立ち位置などの説明もあり、読みやすかった。

    一番面白いのはやはり銀四郎。
    救援に募った他町村民や、警官2名が来て総勢200人余りになり当初は活気づいたものの、羆の恐ろしさを理解しておらず、頼りない。p121
    そこで、素行に問題はあるが羆専門の猟師である銀四郎を呼ぼうと、区長が金(50円)を用意して遣いを出す。(当時、日雇いの日給が60銭、住込みの下男の月給が5円)p127
    その後も、検死のため老医を伴い被害者宅を周り、次いで状況を探るため周辺へ行った捜索隊、いずれも凄惨な状況を目にして狼狽え、銀オヤジはまだか、と待つばかりp159

    銀四郎は立ちどまると、「災難だったな」と言い、徐ろに軍帽をぬいだ。p177

    この登場から、羆を仕留め、食べるまでか弔いだ、と述べるところまではかっこよかった。
    しかし、そこから酒を飲むにつれ目つきが変わり、区長に酒を浴びせかけ、有難いとぺこぺこするくらいなら金を寄越せと言い放つ。
    ごもっともだと、六線沢の被害者宅を除く12戸から当分に金を出し、区長の4円を加え、40円を差し出すも「足りない」と言われ、さらに区長が10円足し、これで納得してくれと頭を下げると懐に押し込み、羆の胆嚢も皮袋に納め、帰って行った。p246

    ラスト、銀四郎のその後から最期までの話もあったのが締めくくりとして良かった。

  • なんだかね、「池の水ぜんぶ抜」いてる場合じゃないよな、人間ってとんでもなく弱くてそのくせ不遜だよな、って思った。

    とにかく、前半1/3までの6人プラス胎児1人の犠牲者が出るパートの迫力と凄惨さと怖さといったら。文体といえばまるで新聞記事のような書き方。読み手の感情を煽るわけでもなく、吉村昭は取材で知り得なかったことを無闇に補完するような書き方をしないので、割と描写密度のメリハリがはっきりしている。だからこそ、「未知」が未知として厳然と「書かれず」、そのぽっかり空いた穴が、光の届かない闇であったり、掴みきれない羆の習性であったり、北海道の厳しい自然であったり、人間の文明の及ばないこととしての「恐怖の対象」として「そこにある」。もう、本当に怖かった!

    後半、羆と対決をする人間たちの右往左往を書きながら、僕としてはもっとベテラン熊猟師である銀四郎をヒロイックに取り上げるかと思いきや、なんとも淡々とした運び。その筆致も銀四郎の孤独や寂寥、そして手練れとして何頭もの熊と対峙してきた老猟師のそれでもぬぐいきれない死の予感にフォーカスしてて、やっぱり上手いなぁと唸ってしまった。

    読書感としては、ばっさりあっさりと書いた隆 慶一郎の「死ぬことと見つけたり」風かな? 中村隆資の「獲物」がすごく好きなんで、この小説にもグッと没入できた。

    銀四郎は酒を飲んで酔うと、茶碗を噛み砕くのだけど、「血と骨」のビートたけしのイメージが蘇った。

    話は変わるけど、僕が一番好きなスナイパーは映画「アウトロー」の犯人です。

  • 前から気になってたけど、ちょっと怖そうで踏み込めなかった本、今話題の「ともぐい」の影響もあり、ついに図書館で借りてきた。
    大正時代の実話。日本獣害史上最大の惨事、三毛別事件(知らなかったけど)。それを昭和後半にこれだけ鮮明に文書化した取材力ってすごい。村人達の恐怖感、猟師銀次郎のプロフェッショナルさ、緊張感が伝わってくる。
    少年時代、「ジョーズ」と並んで怖かった映画「グリズリー」。家の中に襲いかかる巨大は本当に怖くてビビって観てたのを思い出した。

  • 吉村昭さんの文体描写が好きです。
    大袈裟ではなく事実を淡々と、時々最もその場面で客観的に状況を見れる人物を通して、自然の驚異と人間の愚かさに直面した絶望感を読者に刃物のように突き付けてきます。
    高熱隧道に続いて、ちびりそうなほど恐ろしくグロテスクな本です。
    私は日本の人口減少と温暖化から、日本人の住環境や里山の変化に興味があり、今後荒廃し、やがて自然に帰るだろう日本の森林と、それに直面した超高齢化社会がどうなるのかを思わされます。

    あまりに原始的な脆い家が北海道開拓時代にありました。
    そこに住む人は既に極貧の農民として完成されていて、原始的な強さを既に失っていました。
    そしてそこに自然が牙を剥いて容赦なく襲いかかってきます…。

  • 実話を元にしているとのことで、迫力があった。元々羆(ひぐま)の住んでいたところを開拓して住み着いたのは人間の方だ。そして、強大な羆がひとたび人間を餌として認識したときに、どれほどの脅威になるか、恐ろしく伝わってきた。
     また、いくら銃を持っていたって、威張った何十人もの警察部隊は、羆と対決しようというときに酒盛りをしているようじゃ、勝てるはずがない。あまりにも愚かだと思った。

    • pさん
      この本、怖くて読めません‥
      この実話を何かで見たとき、怖くて怖くて‥
      この本、怖くて読めません‥
      この実話を何かで見たとき、怖くて怖くて‥
      2019/09/30
  • 怖い、怖すぎる。乾いた文体で、淡々と現象と心情をリアルに連ねる表現が効いてる。少し古風な単語表現の耳障りも相まって、効きすぎてる。合流する烏合の衆と六線沢、三毛別の人々との対比も実にリアルで、同じ空間にいる時の空気感の描き方は熊とは別軸のテーマとして読み応えを増す結果となった。
    思い通りにいかないのが自然であり怖さ。羆も銀二郎も予想の出来ない動きをする故恐れられているが、銀二郎、やはり人間であった。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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