ポーツマスの旗 (新潮文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (1983年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117140

ポーツマスの旗 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小村寿太郎、昔の人は自分自身を捨て、国のため、平和のために尽くした。 全く見返りを求めず。

  • ポーツマス条約にいたる交渉にのぞむ小村寿太郎をはじめ、日本外交団の軌跡と苦闘をドキュメンタリー風に描く。淡々と時間を追って経緯を描写しており、そんな感じだったのかと思う以上のことはないが、記録小説という意味でわかりやすく、不思議と頭に残っている。
    昔、NHKがドラマ化して、小村=石坂浩二、金子=児玉清、明石大佐=原田芳雄のキャストだったと記憶している。割と面白かったように憶えているので再放送してくれないかな。(笑)

  • 日露戦争終結のため、命を懸けたロシアとの交渉は、小村寿太郎あってこそのものだったのだと感じた。残念ながら今の外務省に小村的人物はいないのだろう。

  • 日露戦争の経緯と講和交渉時点の国情の無駄なく十分な描写の後に、アメリカはポーツマスにて日本の全権大使小村寿太郎がロシアの全権ウィッテと息詰まる講和交渉を展開するストーリー。決して報われることの無い仕事と分かっていながら日本にとってほぼ最善と思われる手を尽くし、精根尽き果て条約締結後数年で小村が病気に蝕まれ果てていく様は、日露戦争の危うい勝利を頂点として破局へと転落していく戦前日本の国家と民衆のその後の暗い行く末を暗示しているよう。そうした後の事情を抜きにしても、ポーツマスでの日本とロシアとの極限の交渉についての史実に基づく詳細な描写は、外交官はもちろん厳しい国際環境の下で働くビジネスマンにとっても読んで損は無い内容であろうと感じた。

  • 面白かった。日露戦争を終わらせるための講和会議である、ポーツマス講和会議の様子を、主人公・小村壽太郎の視点から描いた小説。

    作者もあとがきで書いてある通り、日露戦争、日本海戦を描いた「海の史劇」を執筆中に、講和会議団と国民とのズレに気づいて書き上げたとのこと。同じタイムラインに、同じ作者で、別視点の小説があるのは珍しい気もする。

    なぜ国民との間にズレが生じたのか。講和会議中にはどういった戦いが繰り広げられていたのか。どう決着をつけたのか。

    2冊を読んで、(吉村氏が描きたかったであろう)日露戦争に臨んだ時の日本のいびつな姿が見えるようになる。このいびつな状態はのちの太平洋戦争に繋がっていくのだろう。

  •  薄氷を踏んできた日露戦争の終幕を飾る外交戦。
     その事実を隠蔽してきた付けが日比谷焼き討ち事件(東京騒擾)につながり、それを糊塗するための方策が後の15年戦争の種となってしまった。そんな感慨が残る小説である。
     なお、今後、日露戦中から在米し、米国世論に対する日本への好意的目線の扶植に努力してきた金子堅太郎に注目すべきだろう。そして、彼らその役割を付与した意味も。

  • 落とし所を常に考えておくことを実践せねば。

  • ある意味「坂の上の雲」の裏番組ともいえる、ポーツマス条約における日本全権大使・小村寿太郎のお話。教科書で学んで結果はだいたい知っているし、その後の国内での反応も知っているわけではある。が、その交渉のプロセスが丹念に描かれていて、思わず引き込まれてしまった。戦争は始めるよりも終わる方が難しい、というのはよく言ったものだなあと思える一冊。

  • ポーツマスに行ってみたくなった。

  • 日本の危機的状況を救った影のヒーローなのに、当時の国民の理解を全く得られなかった不運の主人公である。
    彼の歴史的成果や苦労が手に取るように分かる良書なので、坂の上の雲とセットで読むべきだと思う。

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ポーツマスの旗 (新潮文庫)の作品紹介

日本の命運を賭けた日露戦争。旅順攻略、日本海海戦の勝利に沸く国民の期待を肩に、外相・小村寿太郎は全権として、ポーツマス講和会議に臨んだ。ロシア側との緊迫した駆け引きの末の劇的な講和成立。しかし、樺太北部と賠償金の放棄は国民の憤激を呼び、大暴動へと発展する-。近代日本の分水嶺・日露戦争に光をあて交渉妥結に生命を燃焼させた小村寿太郎の姿を浮き彫りにする力作。

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