仮釈放 (新潮文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (1991年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117294

仮釈放 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  吉村 昭 は三冊目、実に重い内容である。著書も多いのでこれからも読み続けよう。作者が取り上げる主題がアンダーグランド的なものであって、一般社会とあまり接点がない隠された事実をを取材し、実像に肉迫する。この本に出会わなければ生涯知らないであろう内容が書かれている。本を読んで感じ入ることのできる数少ない作家だと思う。

  • うぅむ、無情。

    吉村昭の作品はノンフィクションばかり読んだ中、これはフィクション。16年間の刑務所生活を経た、無期懲役囚の社会復帰の様子を描く。おそらく、この復帰のプロセス、彼が直面する問題などはリアルなものなのだろう。膝を高くあげる歩き方に始まり、囚人の社会復帰を助ける保護司という存在や、仮釈放の法的プロセス、そして恩赦の条件など、フィクションだが小説として楽しむためのリアリティも十分にある。ラストシーンもなかなか良い。囚人の社会復帰は難しいと言われて久しいが、その現実を覗ける一作。

  • 吉村昭の小説で初めて読むフィクション。書評にもあったが、犯罪を犯した者が罪の償いをしたことにより、罪に対する心からの悔い改まった。と映ることの危うさを良く表しており、自分だったらと身を置き換える。そうした、現実味のある、肌感覚の恐ろしさを感じさせるところに吉村昭の小説らしさを感じる。淡々と主人公の気持ちを書き下ろす文体が読み手の感覚をあらわにする。小説とは、人の内面を書くもの。と言う吉村昭の主張がそこにある。

  • 父の本棚に同じ本が二冊あったので、一冊失敬してきた。半端ない後味の悪さ。でも好き。

  • 「冷い夏、熱い夏」の次に読んじゃいけなかった…

    壮絶の一言。
    本当にノンフィクションなのかと思いつつ読んだ。一部のすきもなく、流れるように落ちていく。

    罪と罰、なんて、日本人の感覚にあるのだろうか。
    神に対する罪と罰であり、日本人にあるのは恥の感覚で、そう思うと更生ってなんだろうと思ってしまう。

  • 凄絶な内容だった。実直な高校教師が、2度にわたる殺人を犯す。フィクションというがリアルで、主人公の心情に同化する錯覚さえ覚える。2015.4.20

  • 150304読了

  • もう、バッドエンドの極致。
    ちょっと間違えればどんなふうにでも転がっていくということか。
    暗くて、深い。

  •  無期懲役の刑を受け、16年間刑務所で過ごした菊谷。彼の仮出所が決定してからの生活を描いた小説。

     刑務所での習慣が抜けない菊谷の様子や、仮釈放後も自らの過去が発覚することを恐れる、元受刑者たちの心情や行動が非常にリアルでした。それだけでなく、出所後菊谷が就くことになる、養鶏場の仕事の描写までもがリアルで、吉村さんらしい綿密な取材と丁寧な描写力が光った作品だと思います。吉村さんの記録文学以外の作品を読むのは初めてだったのですが、綿密で丁寧な描写は吉村作品全般に通じるものがあるように思います。


     罪と罰についても考えさせられます。菊谷は本当に更生していたのか? 本人の心情が分からないままに更生をしたと判断していいのか? 地に足を着いた描写だからこそ、とても深くそうした問題について深く掘り下げることのできる作品だと感じました。

    ちなみに解説は作品の結末部に触れています。いつもは解説を先に読むことが多いのですが、今回はたまたま解説を先に読まずに本編を読んでいたのでラッキーでした(笑) 

  • 本書の主人公とラスコリニコフとの相違は解説に譲るが、主人公の精神状態は理解できる。

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