ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (1993年3月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117317

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ふぉん・しいほるとの娘〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • シーボルトと言えば、日本に西洋医学を広めたことと、シーボルト事件という歴史の授業習った程度しか知らなかったのだけど、この壮大な歴史ドラマにただただ感動するばかりでした。しかし1400ページの大作に読むのはかなり難儀(笑)。大河ドラマにでもしてほしいくらいだけど。

    シーボルトが日本に来たのは1823年、文政六年。長崎で裕福なこんにゃく屋を営んでいた家の娘・お滝は、雇いの者が店の金に手を付け商売が立ちいかなくなったために、遊女として売られてしまいます。もともと美しかったお滝は、出島でシーボルトの遊女となり、2人の間にお稲が生まれますが、シーボルトは日本地図を国外に持ち出そうとする罪で国外永久追放になってしまいます。

    残されたお滝とその子お稲は、縁あって時治郎に嫁入りするのが、1831年、天保2年(つまり米屋を営んでいた米五が味噌を手掛けるようになった年でもあります)。

    お稲は聡明で寺子屋でも中心的存在になっていましたが、女子にもかかわらず学問をしたいとお滝を困らせます。そのうち、お滝と時治郎の間に男の子が生まれることで、お稲は家を出てシーボルトの弟子であった二宮敬作のところに学問を習いに行くことになります。天保11年、坂本龍馬が5歳のころです。

  • 吉村さんの本で一番好き。
    シーボルトの日本人妻とその娘の物語。

  • あまり知らなかったシーボルトのことについて、細かく緻密に描かれている。
    当時の様子が思い浮かぶように描かれているので、楽しく読め、長崎に行きたくなった。
    少し長い。

  • シーボルトが長崎の遊女に産ませた娘お稲の物語。前半はほぼシーボルトと遊女其扇の話しで、シーボルト事件を軸に来日から追放まで。

  • タイトルに騙された感あり。
    もっとお稲に焦点を当てた話を期待していた。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13131180.html

  • シーボルトの娘の話はこれから始まるのであろう。

  • (「BOOK」データベースより)
    幕末の長崎で最新の西洋医学を教えて、神のごとく敬われたシーボルト。しかし彼は軍医として、鎖国のベールに閉ざされた日本の国情を探ることをオランダ政府から命じられていた。シーボルトは丸山遊廓の遊女・其扇を見初め、二人の間にお稲が生まれるが、その直後、日本地図の国外持ち出しなどの策謀が幕府の知るところとなり、厳しい詮議の末、シーボルトは追放されお稲は残される。吉川英治文学賞受賞作。

  • てっきり「フィクション」だと思って不勉強なままで読み始めたんですが、基本はノンフィクション。随所に著書の創作も盛り込まれているんだと思いますが、登場人物はほぼ100%、Wikipediaで検索したら出てきます。幕末の動乱期における歴史を追いつつ、シーボルトの私生児であった「お稲」の人生を辿る、というのが、この作品への正しい接し方なんだと思います。

    上巻は、シーボルトが出島でお稲の母であるお滝(遊女としての名前は其扇)に出会って子を成し、一方で鳴滝塾で蘭学を教えて多くの門下生を育て、その後いわゆるシーボルト事件で彼が国外追放される…といった場面を中心に展開していきます。娘であるお稲の活躍はほとんど見られず、その意味では下巻に向けた壮大な「仕込み」と言えるでしょう。

    こういう小説を高校時代とかに読んでおけば、もう少し日本史の授業が面白いものになったかもしれません。そう考えると出会うのがちょっと遅かったなーという感じ。
    上下巻合わせて1,300ページぐらいに及ぶ大作ですが、歴史ものに対してアレルギーがないなら、面白く読める作品だと思います。

  • シーボルト意外といやな人だったように感じた。

  • シーボルトの娘・イネの生涯。
    司馬遼太郎『花神』に出てくるような村田蔵六との関係はほとんどありません。
    日本で初めての女性医師になるために、シーボルトの娘として生まれてきたのですね。

    上巻はイネの父シーボルトや母オタキの内容が多いです。

  • シーボルトと長崎丸山の遊女お滝との間に生まれたイネの生涯を描いた幕末期の歴史小説。
    上巻はシーボルトとお滝の馴初めから、イネが単身、学問を捨てきれず、シーボルトの弟子であった宇和島藩の医師二宮敬作を訪ねるところまで。
    江戸時代の長崎、出島の様子、また、そこに過ごすオランダ人の生活、遊女との関係等が詳細に描かれ、史実を理解する上でも一読の価値あり。
    シーボルトはヨーロッパに日本を広めた貢献者でもあるが、その原動力が飽くなき好奇心であることが読み解ける。
    また、それはイネにも引き継がれ、親から女性は学問が却って邪魔になる旨を言われながらも、学問を続けることの意志の強さを持ち続ける。

  • 遊女として長崎の出島に出入りしシーボルトの子を産んだ其扇(ソノギ)さん。
    幕府の政策やら時代背景の記述とともに物語は続いていくのだけど、その部分は飛ばしてソノギさんの部分だけ読みたくなってしまう。
    どういう時代に生きた人たちであるかがわからないと本当の理解は得られないだろうから仕方ないと思うけど。

    本書の主人公・シーボルトの娘イネは本書の後半まで赤ちゃんなのだけど、ようやく終盤になって四国・卯之町の二宮敬作のところに学問をしに行く。おお、やっと面白くなってきた!というところで後編へ。
    しかしまー長編だね、これ。

  • シーボルトの妾であった其扇ことお滝、二人の娘であるお稲、お稲の娘であるタカ。女三代に渡る物語。
    日本が鎖国を経て、ペリー来航ののち開国していく激動の時代に、異人との間に産まれ、また、女性でありながら産科医として名を馳せていくお稲。数々の苦労を経験しながらも、彼女の一つひとつの行動が、そのまま時代の進化に繋がっていることに気づかされる。

    改めて、私は良い時代に女性として産まれてきたのだと思う。

    日本初の女医さんは、荻野ぎんさんでは?と思っていたら、最後の方で彼女の話も紹介された。荻野ぎんさんの生涯を描いた渡辺淳一さんの「花埋み」もおすすめ。

  • 日本がもっとも変わる時代に、長崎の出島は輝いた場所だった。シーボルト、出島、西洋医学。当時の日本人の世界を知りたいエネルギー、新しい医学への情熱は、すばらしい! オランダ人と日本人はこのころ出会っていたんですね。

  • 母国を思うあまり国禁を犯し、追放となった点は致し方ないと思えるが、当時の日本へ医学を惜しみなく伝承した点、また、遊女であっても深い愛情に溢れていた点はシーボルトに好感が持てる。対して、当時の日本には悲しい現実が多々あったものだと思わされる。娘の稲の今後に期待し下巻へ。

  •  「タイトルに偽りあり!」の本かと思うくらい「しいほるとの娘」が出てこなかった。もしかして主人公は「ソノギ」さんかと。

     歴史に詳しくなくとも読めるけど、情報量が多くてなかなか読み進まない。面白いとは思うんだけど、話が多方面に広がっているなぁと。

     そしてただいま下巻を読んでるんだけど、下巻のあらすじは読まないほうがいいと思う。あらすじでネタバレされてがっかりした。

  • レビューは下巻へ。

  • 2011.4.14(木)¥278。
    2011.4.22(金)。

  • 鎖国時代に出入りが許されたオランダの船に乗り、オランダ人医師と偽って来日し、日本の研究調査をしたシーボルト。
    外国にとって未知の国、日本の情報を貪欲に収集する一方で自分の持つ医学の知識を惜しみなく日本人蘭学者たちに与えた。
    そんなシーボルトが長崎で出会った丸山の遊女其扇と結ばれ、生まれたお稲が物心つく前にシーボルトは日本を追放されてしまう。

    お遍路で訪れる卯之町は、そのお稲が日本初の女医として学び暮らした土地。風情のあるいい土地だった。

    花神に描かれているお稲とは、少し印象が違っているが、史実は小説よりも奇なり。波乱万丈の彼女の生涯は、どこまでも日本人であり家族を愛した一生だったのではないだろうか。

  • 江戸鎖国時代の長崎にオランダ船でやってきた医学者シーボルト。出島に出入りする遊女其扇(お滝)との間に生まれたお稲は、偉大な父と同じ医学、産科医として自立していく。職業を持った女などいない時代に医者としての道を志し、教えをうけた石井宗謙に犯され女児を生みながらも幕末、明治維新を生き抜いていく。

    開国ってすごかったんだ。武力を見せしめにして開国を迫って中国を植民地化したイギリスを筆頭にアメリカ・ロシア・フランス。開国か鎖国を続けるかで日本国内も争いが激しいし、暗殺、切り捨て、切腹、投獄、拷問も日常茶飯事。男が妾をもつのは当たり前、女がてごめにされても仕方がない。すごい時代。シーボルトが最初に来た時は経験、知識豊かで相当に尊敬もされたみたいだけど、日本地図を国外に持ち出そうとして永久追放された後、何十年後に再来日した時はうとまれたみたい。

  • 「間宮林蔵」でも出てきたシーボルトと、遊女其扇の出会いから物語は始まる。やがて二人の間にはハーフの女の子が生まれるが、シーボルトは国外追放を受けることに。彼女はどのように成長するのでしょうか・・・??なんかすごい不安。この時代でハーフ。しかも美女。大丈夫か??どきどき

  • シーボルト事件から幕末明治までの流れの縮図の中心にあるシーボルトの娘に着眼。この辺りの年譜を頭の中で整理することができる。

    史実に忠実に、できるだけ漏れがないようにと歴史小説として教科書的に書かれているだけに読みにくく、登場人物が多いだけに描き分けるのに苦労したあと見られる。

    それにしても、この(オランダ人を騙った)ドイツの強引おっさん、相当好色だったらしいなぁ。

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