ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)

  • 186人登録
  • 3.81評価
    • (18)
    • (29)
    • (24)
    • (1)
    • (2)
  • 23レビュー
著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (1993年3月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (676ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117324

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • やー長かった。やっと読み終えました。読み応え十分!

    お滝の娘、お稲さんは宇和島の二宮敬作→石井宗謙と父の門下生に師事して産科医としての力をつけていく。
    しかし何と石井宗謙に犯され娘タカを産む。タカもまた結婚した三瀬周三(諸淵)と死に別れ、片桐重明に犯され男の子を産む(周三と名づけた)。

    お稲さんは東京に行って産科医として開業し最後は長崎へ。
    その間、シーボルトが再び来日し再会したり、異父弟のアレクサンデルに助けられたり、江戸後期~明治初期までの激動の歴史を背景に、じつに起伏にとんだ人生が描かれます。

    この辺の歴史って、どの藩が尊王なのか攘夷なのか、頭がごちゃごちゃになってくる。
    攘夷、開国と、日本が揺れに揺れた時代だもんな。もちょっとこのあたりの歴史を学びなおしたいと思った。
    吉村氏の「桜田門外の変」も読みたいな。

  • ようやく読了。

    上巻はいつ読んだのかわからないくらい前で、どんな話だったかも忘れたけれど、
    下巻だけでも結構おもしろかった。

    シーボルトが二人の若い女にてを出すあたり、最悪だと思った。イネの感情がよくわかる記述だった。

    江戸から明治への時代の変化をもっと知りたいと感じた一冊。

  • 異国情緒の街長崎を主な舞台に、シーボルトとお滝、そしてその娘お稲の二代を描く大河小説。印象的だったのは、中学生ほどの年齢で親元を離れ長崎から宇和島へ出立するくだりで、案内人がいたとはいえ、当時極めて異例な少女のひとり旅を、精確な行程と地理の描写で、情景が浮かぶほどリアルに描き出す。旅程を読者に追体験させる事によって、道中お稲が抱いていただろう希望と不安までが伝わってきて、取材に丹念な著者の真骨頂かと思った。構成としては、シーボルトの江戸期、お稲の幕末期、高子の明治初期と大まかに区分でき、日本、と言うより日本人の「意識」が大きく生まれ変る様と、主人公たちの生き様との絡み合いが読みどころ。時代の奔流は、かつて敬意を一身に集めたシーボルトが、後年再来日した際、周囲から浮いてしまう様子などにも表れており、本テーマを選んだ狙いも読み取れる。もっとも時代背景の説明は、特に幕末以降分量を割き過ぎの感もある。そのせいもあってか物語も終盤はややダイジェスト風に進み、長編であるがゆえの息切れのようにも感じたのは惜しい。とはいえ全編にはそれこそ老若男女の別なく新しい知識を貪欲に学ぼうとする熱気が溢れ、これが維新へと突き上げた本当のエネルギーではなかったかと思われるほど。そんな日本の一面を切り取った良作のなのは確か。

  • 少し、長かったが、やっと読み終わった。上巻のお滝をメインとした物語とは変わって、主人公はしぃほるとの娘、オイネに変わる。
    激動の時代を生き抜いた人々の暮らしがわかる。

  • 久々の吉村先生。シーボルトの娘である楠本イネを主人公とする長編。いや、久々に疲れました。緻密な調査を元に、そこに自らのインタープリテーションを加えた吉村歴史ノンフィクション、基本的には好きでよく読んだのですが、このところちょっと離れてたせいもあってか肩が凝った(苦笑)。それと、イネの母でシーボルトの愛妾であったお瀧、イネの望まぬ子であった高子の女3人が時代に合わせて独白していくのだが、果たして昭和の男である吉村センセが理解する女心の描写が本当に本人の気持ちに近かったかな?とちょっと思った部分も少なく無かった。幕末をメインストリームとは違う観点から理解すると言う点では面白かったけど、出来れば同じテーマで有吉佐和子センセあたりに書いて欲しかった、かも?(笑)

  • シーボルトの娘お稲が医師となり、明治維新を経て紆余曲折ありながらも日本初の産科医として働く姿を描く大河ドラマ。NHKも意味不明なヒロインやめて、こういうしっかりした原作使えばいいのに。

  • いわゆる名作(読んでためになる本)なのだろうが、固くて物語的魅力に欠ける。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13131180.html

  • 難しい時代に、女性として、しかもハーフとして生きたイネ。子どもができたくだり以外は、それほど大きな「事件」は起きないが、時代背景やシーボルトとの関係を見るに、壮大な人生という形容が似合う。史実に忠実な小説なのかもしれないが、実際にはいろいろな男性との恋愛関係もあったのでは?あってほしい、と願う。たとえフィクションであっても、そういう記述も欲しかったかな。

  • (「BOOK」データベースより)
    日本に残されたお稲は偉大な父・シーボルトを慕って同じ医学の道を志す。女の身で医者になることなど想像すらできなかった時代に、父の門下生を各地に訪ね産科医としての実力を身につけていくが、教えをうけていた石井宗謙におかされ、女児を身ごもってしまう…。激動の時代を背景に、数奇な運命のもとに生まれた女の起伏に富んだ生涯を雄渾の筆に描く吉川英治文学賞受賞の大作。

  • 小説の枠にしてますが、フィクションとしてしまっても好いんだと思う。それぐらい、史実を緻密に描き、その中で登場人物たちがどのような生を送っていったのかが生き生きと描写されてます。

    幕末をちょっと勉強すれば出てくる戦争や策謀、日本人なら誰でも知っているような超有名人たちの躍動の背後には、この小説に書かれているようなごくごく平凡な、一般的な人々の人生が織り成されていたんだということに、改めて気づかされます。
    この本を読んでも学校の歴史の点数は大して上がらないとは思いますし、その意味で勉強目的で読む必要はまったく感じません。が、この時代に生きた人々の空気感、息遣いを感じられるという意味で、学校の勉強以上に自分の糧になる作品だと思います。

    しかし、この幕末から明治にかけての女性は強い。肉体的にも精神的にも。そして、とにかく簡単に人が死ぬ。戦いによってではなく、単純に風邪とか感染症とか、今であれば考えられないような理由で、本当にあっけなく、コロっと死んでしまう。
    これが小説なら、「何でこのタイミングでこの登場人物を殺しちゃうんだよ!」ということになるんでしょうが、この作品に書かれているのはほぼすべてが事実。

    だとすると、やはり「事実は小説より奇なり」ということになるんですね。

全23件中 1 - 10件を表示

吉村昭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)の文庫

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)の単行本

ふぉん・しいほるとの娘〈下〉 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする