天に遊ぶ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117454

感想・レビュー・書評

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  • 原稿用紙10枚(4000字?)以内の珠玉の短編集。
    ここまで短いのに、物語が成立していて、うならされたりちょっとほろ苦かったり。
    名人芸ですね。

  • 平瀬は犬が好き嫌い言う問題ではなく、綾子がその犬とあたかも一体化したように生活していることに、深い戸惑いを覚えている
    無言で自分を見下している警察官の眼の光に、私は不審者として疑われているのを感じた
    私は、気持ちの赴くままに10枚を限度にした短編を書き続け、十枚以下のものも書いた
    ここに収録された二十一篇には、男女の不可思議な邂逅、夫婦や家族の絆、友人とのつながり、などなど、様々な人間関係が開かれていて、それを通して人生の断面を垣間見ることができる

  • 21編の小さな小さな短編集。
    『はて、それから⁇』と戸惑う物語も多い中、一つ一つに共感できる人間臭さ。日本人らしさ。

    そして人生は『はて、あれからどうなったのだろう』と思う出来事がいつの間にか流れ続けているものなのかもしれないと感じた。

  • 超短編集。膨大な取材に裏打ちされた著者の長編に読み慣れている自分には、これら小品群は、登場人物や状況が頭の中で固まり始める頃に、ふっと物語の幕が閉じてしまう、肩透かしに近い感覚があった。但しそれに伴う余韻こそが作品の味わいになっている。その意味で手に取って損は無い一冊だが、必ずしも真骨頂でもないという印象はあった。

  • 初めて読む吉村昭の短編集。しかも通常より短い。なんでも10日ほど考えてたら浮かんでくるらしい。小説家も作曲家みたいなものか。どの作品も結末がうまい。2016.1.11

著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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