- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101117454
感想・レビュー・書評
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短編集と言ってもこれは超短編集だ。とても短い話ばかりだけれど、どれも秀逸な作品に感じた。余計な情報がそぎ落とされた凝縮感を感じる。
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一編がわずか8ページほど。10分で読める短いお話ばかり。どれもたいへん興味深く、強く胸に迫り、何とも言えない、しみじみとした気持ちが残る。
明治時代の大津事件の犯人の子孫を取材したときの、こぼれ話。とても興味深く読み、さいごは涙がこぼれた。
作家の葬式にあらわれる香典泥棒ばあさんの話。ちょっとホッとする。
著者の遠い親戚を襲った過去の悲劇。哀れでしみじみ。
下町の近所のひとびとの思い出。
犬と人間の絆。生命の重さ。
妻子を捨てて年上の女に走った、作家志望の男の末路。
などなど、多種多様な人びとの、生々しい人生模様にお腹いっぱい、胸もいっぱいになった。
フィクションの体裁だけれど、実際にあったことをもとにしているのは著者の長編と同じと思われます。短かくても切れ味バツグン、胸を殴られるよう。短いからこそ、書かれてないことを想像してしまい、余韻が深まるのかも。
吉村昭は、短編も、凄い。
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良い❗
改めて相性の良い作家さんだ❗ -
エッセイあり、短編あり。吉村ファンには最高の本です。色んな作家を読んでも、やはり最後はここにたどり着きたいと思うような居心地のよさ。