大黒屋光太夫 (下) (新潮文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (2005年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117485

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大黒屋光太夫 (下) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 皇帝(エカテリーナ)に帰国許可の勅諭をもらおうと,首都宛に願いを数度出すも,音沙汰なし.イルクーツクで知己となったキリロの提案で,直訴のためにペテルブルグまで真冬に数千キロの旅に出る.遂にお許しが出て帰国資金まで頂き,船を仕立ててオホーツクから根室まで.打ち払いの憂き目を見るかと思いきや,貴重なロシア情報源との扱いで,幕府から住まいと給金をあてがわれ,余生を過ごす.
    出来事が比較的淡々と書かれているのだが,出来事が相当ドラマチックなので,何度も読み返してしまい,同じ場所で感動する.
    結局17人中無事に帰国できたのは3名のみで(1名は帰途に蝦夷で亡くなったので実質2人),運命を決したのは,帰国しようという強い意志,か(病死した人はやむを得ないんだけど).そう思えば,もしかして漂着したのがロシアでなく温暖な国であったならば,もっと違う結果になったかもしれない,と想像される.ここだけはどうしても勘弁,っていう.

  • 上巻が過酷な環境に対する肉体的苦痛が詳細に描かれていたのに対し、下巻は帰れるのか帰れないのか期待と失望を繰り返す日々、宗旨替えした仲間を置いて帰国する喜びと苦しみ、死んでしまった仲間の家族に対する負い目など、精神的な苦悶が巧みに描かれていた。特に、帰国が叶わない身となった庄蔵、新蔵との別れの場面が印象的だった。帰国後、光太夫と新吉が不自由無い暮らしができていたということが救いだった。

  • 教科書では簡単な説明で済まされる大黒屋光太夫だが、その裏には当然、並々ならぬ意志と数奇な運命が練り込まれている。吉村昭の骨太な文章に、光太夫の濃密な生き様がきれいに重なる。

  • 吉村昭氏はもういつも通り、淡々と。
    ロシアなんて行きたくない、と思わされる過酷な自然の中で仲間が次々倒れていく。
    当たり前のことだけど、手紙の返事を待ったり、交渉役が来るのを待ったりして、同じ場所で平気で数カ月~1年たってしまう時間感覚は、もう信じられないくらいのろい。ラクスマンはじめ支援者のおかげとはいえ、10年も職もなく無為に過ごすとは、想像するにつらい。
    後書き。吉村氏の新史料発掘の話。さすが。

  • 【本の内容】
    <上>
    若き水主・磯吉の人間臭さのにじみ出た生々しい陳述記録をもとに紡ぎだされた、まったく新しい光太夫たちの漂流譚。

    絶望的な状況下にも希望を捨てず、ひたむきに戦いつづけた男の感動の物語。

    <下>
    十年に及ぶ異国での過酷な日々。

    ロシア政府の方針を変更させ、日本への帰国をなし遂げた光太夫の不屈の意志。

    吉村歴史文学、不滅の金字塔。

    著者渾身の漂流記小説の集大成。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


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    [ 参考となる書評 ]

  • 帰国後の光太夫は幽閉されたわけではないし、幕府の対応もおおむね合理的。ただただ大変なのだと思う。
    ただ、そこまでして帰国したいものなのかは、分からない。

  • 下巻では帰国がなかなか叶わぬロシアでの苦難な生活から女帝エカテリナへの謁見、また、その後の帰国・日本での余生まで、まさに波乱万丈の一生に心を動かされた。
    ロシアで光太夫等の帰国に労を惜しまないキリロの子息がラクスマンであることは歴史の繋がりも実感できるところ。

    厳冬の中、死に至るメンバー、改宗せざるを得ずロシアに残るメンバー等々、心の描写を巧く捉えており、読みながら胸を締め付けられる思いを何度も抱く。
    光太夫が日本に戻ってから行ったロシアに関する情報提供、語学指導等は、当時の日露の外交政策に大きく影響を与えているはずであり、単なる漂流者ではなく、知識人・政府役人等へ啓蒙にも多大な影響を与えているのだろう。
    大黒屋光太夫は、確かに歴史の一ページを担っている。

  • 井上のものより断然吉村がいい。

  • 人の素朴さに感動しっぱなしです。教養って大事ですね。文章も内容もすばらしい!

  • 2011.3.28(月)

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