彰義隊 (新潮文庫)

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著者 : 吉村昭
  • 新潮社 (2008年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101117508

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彰義隊 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 能久親王を主人公に幕末から明治の歴史を描く。
    緻密な取材を通して描かれる物語は、リアル感があり、本当の幕末がどうだったのか、江戸の人々から見る幕末がどんなもよだったのかがわかってくる。

  • 幕末の江戸城明け渡し、彰義隊、奥羽越列藩同盟に関わった輪王寺宮を主人公にし、その生涯を綴った小説。
    幕末の人物とその関係とその時代の人々の想いが分かり、おもしろい。

  • 合葬と併せて読んで欲しい

  • 敗者の美学

    解説にも掲載されているように、この作品は吉村昭最後の歴史小説だ。
    作者の生誕地に伝わる彰義隊の言い伝えだけでは物語として物足りないので、皇族でありながら朝廷でなく幕府側についた輪王寺宮を主人公にその悲劇の生涯を描くことによって、幕末から明治の流れを描くことが出来たのだという。

    勝てば官軍という言葉があるように、歴史では敗者側の扱いが偏っていることが多い。
    しかし日本では吉村昭や中村彰彦などの作家だけでなく、白虎隊の悲劇のように敗者側の物語が長い間愛されている。
    これこそが他国との国民性の大きな違いであると私は思う。
    この作品もそんな良作の一つである。

  • 激動の時代に巻き込まれた輪王寺宮の後半生に迫る作品でした。心理描写や過剰な演出を極力排した硬派な構成なので、輪王寺宮の人柄が今ひとつ把握できず淡々としているので盛り上がりに欠けるところもあり、ヒロイズムを欲する人には物足りないのでしょうが、幕末史のあまり知られていない面を丁寧に扱っていますので特に幕府側に思い入れのある人なら一読の価値は大きいかと思います。ただ戊辰戦争後の宮の処遇は脱藩大名・林忠崇の話を知っているとかなり好待遇な気がしてなりません。このあたりはやはり皇族と小藩の大名の違いなのでしょうか。

  • 12.11/23〜12/15読了

  • 平成24年4月30日読了。

  • 2012.2.26(日)¥200。
    2012.3.2(金)。

  • 上野寛永寺山主であった輪王寺宮を中心に据えて描かれる、上野戦争と維新。
    筆者の史料を追う姿勢からともすれば出来事の羅列になりかねないところを、主人公の宮があまり主張しない描き方によって逆に、奥ゆかしく静かな目線の持ち主と云う性格で物語が成り立っていると思う。
    幕府崩壊から後の宮の生涯を書いている訳ですがタイトルを「彰義隊」としたのは、宮があの日を一生忘れえないものとして抱えていた事に由来するのでは。

  • 幕府が倒れた時にたまたま上野寛永寺山主で、
    皇族でありながら江戸に愛着をもっていた輪王寺宮の話。

    彰義隊はあっという間に敗れ、反・新政府だった宮は逃亡。
    各地を転々、東北にたどりつき、奥羽列藩同盟に担ぎあげられたものの、
    仙台藩や米沢藩が続々白旗を上げ、宮も新政府に降伏。

    エピローグとして、宮は明治国家に組み込まれ、ドイツに留学。
    最終的には陸軍師団長として、日清戦争後の台湾進軍のさなかにマラリアに倒れる。
    宮は最後まで、一時でも朝敵だったことに負い目を感じていた。

    史実を的確に追っていたけど、
    高野長英や関鉄之助ほど、主人公の能久親王その人自体に迫りきれていない分、淡泊だった。

  • 幕末史は倒幕側から読む事が多く彰義隊と言えば、ならず者の集まりのような印象を受けていた。
    立場が変われば当然見方も変わり、江戸を守る為に結成され江戸市民からもとても人気があったようでちょっと驚きました。

    話は彰義隊より、輪王寺宮の話が中心であり、宮様が左幕側に回った人達の盟主となり時代に翻弄された姿を描いている。

  • 輪王寺宮の伝記です。上野戦争だけでなく、東北戦争についても知識を得ることができる。吉村昭が得意の「逃げる」描写が映画を見ているような。
    一読の価値アリ。

  • 面白かった。輪王寺宮が幕末から明治にかけて翻弄されていく話。明治後も、つねに「朝敵」の後ろめたさをかかえていたという部分もあったのが良かった。逃避についての記述が詳細で取材の苦労がわかる。

  • 輪王寺宮という今までにない視点で戊辰戦争を捉えた所は面白く読めた。

  • 輪王寺宮をはじめとする幕府側の登場人物の逃避行が物悲しい。それにしても、吉村昭は、さすがによく調べている。

  • 前半部分で一度脱落したのですが、再度挑戦して無事読了。
    鬱々とした前半がその時の気分じゃなかったのかも。

    私としては荒々しさが物足りなかったような気がしますが、そういう題材ですもんね。

  • 皇族でありながら朝敵となった人物がいたことを、この本で初めて知った。列藩同盟の盟主就任を淡々と受け入れる輪王寺宮の姿勢がすがすがしい。

  • この時代、この視点を誠実に書き上げたという気がしました。
    とても、よい長編だと思います。

  • 読みかけです。通勤電車でコツコツ読んで、もうすぐ読み終わります。

  • 吉村昭の小説を久しぶりに読む。やはりこの作家はすごい。敗残者史観とも言うべきなのか。敗北・逃走をこの作家に書かせたら、その緊迫感と心理描写の冷静さのコントラストは秀逸である。
    明治以降の宮のマイナス思考からの反発が逆に、日本の帝国主義に通じていくように感じる。丸山真男がいうような天皇との忠誠的な距離の比例関係を価値体系の根幹と「見せかけていた」ような社会では、宮が皇族唯一の賊軍の一人という烙印を払拭するためだけに、後半生を生き、戦場に赴くことはありうる話だ。
    吉村昭は敗残者のセンチメンタリズムを前面に出すことはなく、また敗残者のアンチ・ヒロイズムの裏返しのヒロイズムを改めて主張することもない。
    そこにあるのは吉村昭という男の冷静な視線と、その背裏にある江戸っ子的な判官びいきの心意気の葛藤なのかもしれない。

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