- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101121017
感想・レビュー・書評
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安部公房、よく分かんない。
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やっと読み終わった。時間かかりました。終わり間近まで主人公の幼稚な自分勝手さかげんにムカついて仕方なかったけれど、最終的に妻にもげんなりした。元々夫婦間はうまくいっていなかったのに、顔を怪我したからと思い込んだ40男にも憤るけど、騙されたふりをしつづける妻にも同情は出来ないなぁ。どうしてダメなのかって多分どれだけこの男に説明しても絶対に理解してもらえないと思うけど。話の通じない相手って小説のなかでもわかるものなんだなぁ。かかわりたくないタイプ。自己評価高すぎる。最後は苦笑しかなかったです。
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実験で顔を失った主人公は仮面をすることでどうにか立ち直ろうとするが妻からは拒絶させる。顔を失うと心も塞ぎがちになってしまう。そんな考えさせられる作品です。
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感想*液体空気の爆発で顔一面ケロイド瘢痕となり、妻の愛を取り戻すため仮面を仕立てて妻を誘惑する男の自己回復のあがきを綴った安部公房の有名な長編。物語としての展開はあまり無くて、妻への手記として長々弁明をしている話。人間失くしたものについて考えないようにしようとするほど執着してしまうものなのかなということと、素顔と化粧、覆面と仮面の方向性の違いと、ガン患者たちとも違い顔がないという悩みが社会と共有できない孤独なんていうのに興味深かったけど、いかんせん主人公がとても陰鬱で理屈屋!!(笑)なので妻からの手記にとても共感してしまった。。誰しも持っている「顔」と関わって生きている人間の存在の不安定さや曖昧さについて考えてみるのも面白いですね。しばらく読み返したくないけど…(笑)