水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫)

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著者 : 安部公房
  • 新潮社 (1973年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121079

水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 安部公房は以前別のを読もうとして全く入り込めなかった過去があったので避けてたけど、今回これを読んでみたらすごく面白くてすらすら読めました。

    シュールで不思議な雰囲気で、社会や政治への風刺が多い短編集だったかなという印象です。
    とんでもなくシュールってわけでもなく入り込みやすい気がします。
    後味は全体的に良くはないですね。ハッピーエンドではない…。

    『デンドロカカリヤ』が一番好きで、『手』『闖入者』あたりも好きです。

    これを機に安部公房作品もっと読んでいきたいなぁ。

  • なかなかグロい表現も散りばめられてましたが,読みやすい寓話集でした。
    空中楼閣の場面展開が一番ついていけなかった感じ。
    闖入者のあまりにも傲慢というか無慈悲というかそういうテイストは生理的にキツイです。
    水中都市と鉄砲屋がスイスイ読めました。
    「男は一生に一度妊娠して死を産み出す」が一番強烈な節だったなぁ。

  • 安部公房の短編集で、やはり不思議な世界観が詰め込まれた作品です。砂の女や箱男を気に入った人が読むと、この世界感がついていけない人が多いと思う。最近、小説は安部公房ばかりを読んでいて、その世界感と文体に想像の仕方になんだか変な癖ができてしまった。濃いメタファーの味付け料理で、なんだか舌が飽きてしまったような気がする。安部公房の作品はとても好きなのだけれど、どれも作品の根底にあるものが似ている気がしてならない。これは村上春樹にも感じる感覚。色んな深海に潜っても、見える世界は同じというか。

  • なんだかおかしな話ばかりだなぁ、という印象。ドナルド・キーンさんが解説で言っているように「深く考えず、まずは感じろ!」ということかな。
    この本に収録された作品の中では、『手』が好きだ。なんとなくオスカー・ワイルドの『幸福な王子』を思い出した。
    社会を皮肉っているのかな、と思う箇所もところどころあったが、それが話の主軸ではない感じ。人が植物になったり、魚になったり、なんだこりゃな展開があるかと思えば、突如ハッとする文章が織り込まれていたりして気が抜けない。読む人読む人それぞれ違った感じ方ができる作品たちだと思う。私は漠然とだけど「怖い」と感じた。何が、と言われると困るのだが、たぶんこの変な話の中だけでなく現実でだって理不尽でおかしなことはたくさんあるのに、それを「変だ」と思わず当たり前のこととして受け入れているだけなんじゃないのか、と言われている気がするからかも。

  • 安部公房作品としてはイメージを想像しやすい小説です。私の場合、これまでに読んだ安部公房の他の小説は、感じることに加えてかなり考えないと心と脳に浸透してこない感じなのですが、こちらはどの時代の何がモチーフになっているのか想像力の手が届きやすいと思いました。

  • 私は長編が好みなのだが、この短編集はそれはそれで面白かった。ドナルド・キーンさんの解説に同意。カフカと比較されることが多いし、結末は大抵不幸なのだが、なぜかカフカ作品に漂う救われなさは低め。

    それと、作者本人しか分からないことをほじくったり、カフカの影響のあるなしの論議にとらわれず、楽しめばいいに烈しく同意。読書会なるものにも参加し、夏目漱石の「こころ」については解説本なるものを読んでしまったが、その経験を経て、あまり重要ではないと思った。

    夢十夜もゆりがなにを意味するかを考えるより、私はその幻想的な光景を頭に描き出す方が好きだ。

    でも、この短編集は人間誰でもが持つ性情を大げさに描き出すとどの性質も怖いなぁという感想。

    「手」伝書鳩とその飼い主の輪廻転生の関係を描いた作品。なんだか、心に残った。

    「飢えた皮膚」は、ただ怖い。

    「闖入者」は民主主義の多数決に対する警鐘なのかな?ある日、家族が家や生活、お金を乗っ取り、反抗すると多数決による正義を主張されてしまう。少し怖い。

    「鉄砲屋」もどこか実際にありそうな範囲なのが安部作品の怖いところだ。死の商人についての話。

  • 箱男が個人的に難解だったので少しとっつきにくい印象を抱いていたけれども、この短編集に入っている作品はどれも話の展開がわかりやすく、伝奇的で面白かった。「闖入者」が好き。

  • デンドロカカリヤって言いたいだけやん。

  • 安部公房の一部ドタバタも含むSF中心の短編集。青年が突然、珍しい木「デンドロカカリヤ」に変化する。夜中に突然現れた見知らぬ家族によって家が乗っ取られるなど、わかりやすい恐怖から、世の中が知らぬ間に水の底になって、人間が人喰い魚に鳴ってしまうなど、常識の根本が覆されてしまうものまで、多彩な作品群。

    様々な表現が文学的で、理解するのに時間がかかることを除けば、筒井康隆や小松左京を読んできた人にとっては、非常に面白い本と感じるであろう。特に気になるのは、作中人物の思考だと思って読んでいると、急に第三者の視点のような表現が織り込まれるところ。

    こういう作品群から、現代文の問題を出されたら、絶対解けない自信がある。

    それはそうと、いくら文学的な表現が多くとも、この本全部がエンターテインメントである。面白くて楽しくて恐い。おそらく作者も楽しんで書いていたはずで、そこを踏まえて、ついている解説が結構的はずれではないかと思うのだが、読まなきゃ良いんだな。

  • 多分初めて読んだ安部公房だったと思う。
    ここで無頼派にハマった。
    若いうちに読んどいて良かった。

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