水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121079

感想・レビュー・書評

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  • 安部公房の作品という感じでとても良かった。この世界に身を浸すことが楽しい。意味や風刺はもちろん私には読み取りきれない。でもそれでもいい、そのまま作品を楽しめばいいと解説に書いてあって楽な気持ちになった。純粋に安部公房の描く世界の美しさと不可思議さと、その文体の見事さに浸って良いのだと思った。

  • 不思議な話面白かった!って本を閉じるけれどふと寝る前に思い出して、いやそんなことあるわけないかって笑い飛ばせないリアルさ

    「手」は心中
    いちばんのお気に入りは「闖入者」

  • 11の無慈悲な短編集
    シニカル・ウィット・刹那・苦悩に溢れ
    あらゆる人間の負の感情を曝け出すも
    対極にある無頼な世界に帰結する

    タイトル2作も情け容赦ない末路を辿るが
    “何か”を犠牲にする事で救われたような…
    無責任な安堵が心を満たした

  • 面白い

  • 箱男を数年前に読んだ以来の安部公房。
    この人の文章によって思い描く景色は、古いビデオテープに録画した古い映画のような、ざらざらした触感の音声と映像で再生される。
    そうして再生された景色も、埃と砂でざらざらしている。

    また、この与太話の説得力は何だろうか。
    「ショウチュウを飲みすぎると魚になる」とか、酔っ払いの戯言のようなのに、なんとなく「そういうもんかな」と思わせる。
    起承転結が夢のようにチグハグで、読み終わってすぐは「なんだこれは」と思うのに、なんとなく腑に落ち…いや落ちないわ。全然落ちない。その腑に落ちなさと不条理が良い。

    あまり深く考えない方が楽しく読めるのかもしれない。
    ざらざらした貧しい雰囲気と与太話を楽しむには。

  • 2021.09.02

  • 短編集。寓話のようなものも収録されており、読みやすいものが多かった。読解は難しいけど…。「闖入者」が強烈に印象に残った。一人の男のアパートの部屋に不思議な家族がやって来て、その部屋を占領し、多数決で男の給料を奪い、男を酷使するという内容。現実世界で起こり得るように見えるので怖い。

  • シュールレアリズムは理解するよりも、何かを右脳的に感じれば良いのだろうか。。難しい。

  • 読書会で紹介された本です。
    こちらの表紙は「デンドロカカリヤ」っぽいですが、読んだ本の表紙は「水中都市」っぽいので古いバージョンなのかな。
    面白かったです。
    「デンドロカカリヤ」「手」「詩人の生涯」「水中都市」が好きでした。
    人が植物や魚になったり、世界が凍りついたり水中に沈んだりする、不思議な世界が楽しかったです。水中都市で空中を泳いでみたいです。魚は怖いけど。
    「闖入者」はとてもブラックで怖かったです。結末が辛い。
    安部公房は寓意があるのかどうかよく分からないですが、このよく分からない感じを楽しむので良いのかなと思います。
    解説がドナルド・キーンさんでした。読者に私なりの「解釈」を押し付けるのは遠慮したい、という姿勢、わたしも気を付けていこうと思いました。合掌。

  • 独特の軟い文体に馴染めず、きちんと読めなかった。この文体は村上春樹に近いのかなあ

    • Tekazuwowさん
      そろそろもう一度トライしてみて下さい。私も初回は同じ印象でした。
      そろそろもう一度トライしてみて下さい。私も初回は同じ印象でした。
      2020/09/03
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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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