笑う月 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101121185

感想・レビュー・書評

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  • 夜に見る夢の話。一編が短いから読みやすい。
    初の安部公房だったけどかなり好きになれそうな感じだった。また読んでみたい。

  • エッセイと称しつつさながら短篇集。私もこんな夢を見てみたい。

    個人的には自己犠牲と鞄が好き。
    鞄なんてそっくりそのまま世にも奇妙な物語に出てきそう、なんて感想はあまりにも陳腐だろうか。

  • 夢という切り口を通して現実世界と「安部公房の世界」とを結び付ける安部公房の頭の中を垣間見ることができる興味深い短編集。著者の着眼点や発想力はいずれの作品でも驚かされるばかりだが、なるほど、こういう空想から生まれるのである。

    いずれの短編も優れた佳作だが、個人的には人間の残酷さと幾許かのホラーを感じる「蓄音機」と、「自己犠牲」が寓話的ブラックユーモアが効いて面白かった。

  • 超久しぶりの安部公房
    エッセイなのか、創作なのか曖昧になる。
    不可思議な文章だけど、読み続けてしまうね。不思議。

  • 再読。まず表紙がいい。全貌がわからない無表情な顔のオブジェは薄気味悪いのだけど、視線を逸らすことのできない魔力みたいなものを持っている気がしてならない。私は隠れている部分が知りたくてたまらないのだ。

    いつも一つめの【睡眠誘導術】から心臓を鷲掴みにされる。【発想の種子】では言葉選びのセンスがあまりにも素敵で、きょわ!とか、ぴぎゃ!とか、奇声を発しそうになる。好きな文章を挙げはじめたらきりがない。『都市―墓場のカーニバル。厚化粧した廃墟。』には完全に痺れた。
    17編どれもがすこぶるおもしろい。

    夢というテープを辿っていくと知らぬ間にテープは裏返しにされている。私も裏返しにされている。
    《2015.07.24》

  • 再読。エッセイというか夢日記というか、最後の数編は短編=完全な創作作品としても読める。

    睡眠誘導術/笑う月/たとえば、タブの研究/発想の種子/藤野君のこと/蓄音機/ワラゲン考/アリスのカメラ/シャボン玉の皮/ある芸術家の肖像/阿波環状線の夢/案内人/自己犠牲/空飛ぶ男/鞄/公然の秘密/密会

  • 作者の作品はどこか非現実的な部分と現実的な部分が錯綜しながら、危ういバランスで成り立っていると感じていたが、この作品を読んで、その源泉は夢なのだということに気がついた。
    物語として成立するぎりぎりの展開は読みにくいが、その点短編集であることがいいですね。独特の感覚は癖になる。ユーモアや恐怖があり、飽きさせない。

  • まあそんなもんかー って感じ 最後の話は面白かった 途中はようわからんのもあった いつかおもしろさわかる時くるかな

  • スラスラって読めるもの、
    ゾッとするもの、
    淡々と進むが何とも言えない後味が残るもの、
    「えっ?」と読み返したくなるもの(個人的には『自己犠牲』がそうでした)

    エッセー・小説の間というのでしょうか。
    安部公房ならでは、の独特な短編集です。

  • 「公然の秘密」
    「鞄」
    「発想の種子」

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著者プロフィール

安部公房
大正十三(一九二四)年、東京に生まれる。少年期を旧満州の奉天(現在の藩陽)で過ごす。昭和二十三(一九四八)年、東京大学医学部卒業。同二十六年『壁』で芥川賞受賞。『砂の女』で読売文学賞、戯曲『友達』で谷崎賞受賞。その他の主著に『燃えつきた地図』『内なる辺境』『箱男』『方舟さくら丸』など。平成五(一九九三)年没。

「2019年 『内なる辺境/都市への回路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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